秘密 19
私はついに秘密を淳に話すことにした。
遊歩道にあるベンチに座り、
夕暮れで赤く染まった川を見ながら話し始めた。
「5年前のことなんだけど、
私は週末に1人で山に絵を描きに行くことがよくあって、
その日は栃木県の那須のお気に入りの場所で絵を描いていたの。
絵に集中していたら急に声を掛けられて、
それが石川あみさんって言う人で、
あっ!その時は名前はわからなかったけど、
あとでわかって・・・」
「落ち着いてゆっくりで大丈夫だよ。」
「うん、その女の人が、
絵上手いねって話し掛けてきて、
でも私は初対面の人と上手く話しが出来なくて、
黙っていたら、
女の人が1人で話し始めて、
お母さんが亡くなって辛いこと、
仕事が上手く行かないこと、
未来が見えないってこと、
自分は不運だってことを、
話てして、
私はなんて声を掛けたらいいのか、わからなくて、
でも彼女がとても弱っていてるように見えたから、
彼女が元気になる、
優しい言葉や励ましの言葉を探したけど、
見つからなくて、
その気持ちを虹の絵にしたの。
そして虹の絵を彼女にプレゼントしたの。
つづく
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