課題を「物量で解決する」という発想
割引あり
テクノロジーのトレンドをみると、ディープラーニング以降、課題の解決策は「物量」であるというのが色濃くなってきた。
Googleの開発した囲碁プログラム「AlphaGo」は、2016年に韓国のプロ棋士、イ・セドルを、2017年には、人類最強とも呼び声の高かった中国の天才棋士、柯潔(カ・ケツ)を打ち破ったが、その際にGoogleは圧倒的な物量を用いて、この囲碁アルゴリズムを開発・運用したことが知られている。
例えば、このアルゴリズムのトレーニング時には、自身との対局を数千万回も繰り返している。
また、こうしてトレーニングしたプログラムを実際の対局で稼働させる際には、1,000台以上のプロセッサーをクラウドで稼働させている。
つまり、圧倒的な物量を投入すれば、稀代の天才棋士さえ打ち破れてしまうということだ。
そして、2023年以降、ChatGPTが世間を騒がせた。当時このChatGPTの裏側で動いていた大規模自然言語モデル(LLM)は「GPT-3」だが、これはTransformerという既存のLLMモデルをベースにしている。しかし、従来のモデルと違ったのは、その圧倒的な「物量」だった。
つまり、乱暴に言ってしまえば、圧倒的に多くの情報をつっこんで、圧倒的に多くのパラメータを持ち、圧倒的に多くの試行回数をこなすことで、コンピューターはだいたい何でも出来てしまうというのが、最近のトレンドである。
そして、こうした大きなトレンドは10年程度で終わるものではないので、今後も続くと考える。
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