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【MAGNET】Partington wheels

Partington社はオーストラリアで高性能カーボンホイールを設計、素材、工法に妥協なく自社製造するブランドです。
ビクトリア州ジーロング郊外にあるディーキン大学内のCarbon Nexusと呼ばれる炭素繊維研究施設の一画で製造されています。

日本では今年からトライスポーツ社が代理店となり販売がされることになりました。
今回ご厚意により、国内販売が開始されたリムハイトの違う2種のホイールを乗り比べる機会をいただきましたのでご紹介させていただきます。

今回販売される2種類のR-SERIES MKIIホイールは最新のカーボン技術と独創的な設計を具現化した超軽量で高剛性を特徴としたホイールとなります。
カーボン製のリム、スポーク、ハブシェル類は全て自社生産されており超軽量のリムに直接接着されるエアロカーボンU字スポーク、それを巻き付けるように受け止めるハブ形状など細部にわたり特徴的な設計部材で構成されています。


<MKII R31/31、MKII R39/44、共通仕様>

内部に発泡剤が充填された外幅26.5㎜、内幅21㎜の自社生産のリム
クリンチャー、チューブレスレディに対応
ニップルホールは空いていないためリムテープは不要
左右で約5㎜、4㎜とで太さの違うエアロU字カーボンスポークはリム内部で接着され交換は不可
1本のリム自体には20か所のスポークが接着されているようにみえるがU字スポークのため
正確には左右5本づつ、計10本のスポーク構成となっている
ハブ胴に巻き付くU字エアロカーボンスポーク部位
カーボンスポークには独自の製法により一定のテンションがかけられている
前後ハブ全てのベアリングはセラミックスピード社製
リヤラチェットはスターラチェット式
ラチェットリングの保持方法は独自構造となる6個の小型スプリングで支えられている
走行時トルクの掛かりは良くラチェット音も小気味よい


●R-SERIES MKII R31/31
F : 480g / R : 580g

MKII R31/31はリムハイトが前後共に31㎜、総重量は1060gの超軽量ホイールです。
走り出して直ぐにホイール全体の軽量性と予想以上の快適性を感じ取ることができます。
リム内部に充填された発泡剤はリム全体の強度を高めるためだけでなく、路面からの不快なノイズも抑える静粛性にも機能し、走り出しの軽さはリム単体での軽量性もうかがい知ることができます。
ダンシング時、雑に抉るような走りをした場合でも一定量の出力をカーボンスポーク部でため込み反発力を使ったかのように無駄なく推進力として路面に伝えてくれます。
超軽量ホイールによく感じられるペダリング時のスカスカ感覚が少なく踏みこみ時に独特のタメや伸びを感じられるのは特徴的なリム、スポーク、ハブの各設計が構造体(ホイール)となってしっかりと機能している証なのではないでしょうか。
ペダリング時にはジワっと少し長めにトルクをかけることでよく進み、脚あたりの良い走りが堪能できます。
MKII R31/31はライド時にホイールの機能を体で多く感じ取ることができる官能性が高いホイールでした。



●R-SERIES MKII R39/44
F : 530g / R : 630g

MKII R39/44は前輪リムハイト39㎜、後輪リムハイト44㎜のエアロと高剛性を意識した総重量1160gのホイール。
シッティング、ダンシング共にMKII R31/31に比べて高剛性だと感じ取ることができ、この感覚はリムハイトが高くなったっことによるリム単体の剛性向上とスポーク長が短くなったことから想像できます。
ただ堅い一枚板を踏んでいる感覚ではなくMKII R31/31と同じようにU字カーボンスポーク+ハブ構造による独特のタメを使うことができその感覚をうまくペダリングに合わせることでより速く走ることができます。
39㎜ / 44㎜のリム高になっても失われることがない快適性はMKIIホイールの特質するもとなり、高速走行時にはミドルハイトリムによる空力的効果も期待でき軽量であるため平坦から登りまでこのホイール1本で十分に満足することが可能です。
マットな質感で洗練された佇まいは最新のロードバイクからハンドメイドバイク双方に抵抗なく溶け込むことができるホイールとなります。


今回乗り比べした2種のホイールはライドフィーリングだけでなくメカ好きの私としては設計思想から製造過程までを探求させるホイールでした。
R-SERIES MKIIホイールはMAGNETでもお取り扱いがございます。
ご興味ございましたら是非お問い合わせください。


書いた人:シバヤマ