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【71℃から180℃まで】野菜/魚/肉別の重要な変化による”温度別反応速度比”について
温度別で起きる変化をまとめました。
71℃~80℃
71度に達すると、多くのタンパク質が急速に変性を開始します。特に肉の加熱において、コラーゲンがゲル化し始め、肉の繊維が分解されることで柔らかさが増します。この温度帯では、肉のジューシーさを保つためには加熱時間のコントロールが重要です。基本的に煮込み料理に使われる温度であることを理解しておいてください。
➡コラーゲンのゲル化が起きる意味
コラーゲンは、主に肉類に豊富に含まれているタンパク質で、加熱によってその性質が変わります。コラーゲンの変化は、肉のテクスチャーや味わいに大きな影響を与えます。
65度~75度で、コラーゲンはゲル状になり始めます。ゆっくりと加熱することで、コラーゲンは水分を吸収しながらゲル化し、肉の中の組織を柔らかくしてジューシーさを保持します。この過程は、特に低温で長時間調理することで最適化され、肉が柔らかく、口当たりがよい状態になります。
ゲル化とは、つまりタンパク質が熱や化学的な処理によってその構造が変化し、水分と結合してゲル状のネットワークを形成する過程を指します。コラーゲンの場合、加熱することによって元々の三重らせん構造が解け、新たに水分を含んで膨らみ、ソフトでジェル状の構造になります。
ゲル化については、いろんな解釈がありますが低温調理の温度帯(38度~42度)メリット、デメリットを徹底解剖〜本当の理由を教えます〜|フランス料理のサイエンス (note.com)こちらでも述べています。
つまり、41℃コンフィで見られるゲル化による硬化(テクスチャの弾力が増す)は、コラーゲンが水を含む前のゲル化ですし、魚のゲル化はコラーゲンがゲル化するという意味ではありません。その後加熱を続けるとコラーゲンが水分を含んで、反対に柔らかくなり始めますが、それは41度のゲル化による効果と、コラーゲンの効果では意味が違うので注意してください。
たとえば、魚の初期の増粘/ゲル化温度が約40℃であり変性したタンパク質は相互作用し、ゲル化およびゲルの形成を引き起こすことがあります。
魚がタンパク質変性によってゲル化する場合、肉質が硬くなります。通常、ゲル化は魚肉の弾性率(弾性力)を増加させ、粘性指数(柔軟性と強さのバランス)を減少させます。この結果、ゲル化した魚肉は硬く、しっかりとしたテクスチャーを持ちます。
一方でコラーゲンを含んだ肉などを加熱を続けるとコラーゲンは水分を取り込みながら体積を増し、肉やその他の食材のテクスチャーに柔らかさとジューシーさをもたらします。つまり、食品の一貫性、保水性、そして口当たりを改善するために重要な役割を果たします。
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