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煩い

夕方。

まだ薄明るい空と、鼻をかすめる少し重い風。
1日の中でいちばん好きな時間だ。

なんだか少し感傷的になって
明かりもつけないまま、そっと横になる。
外をぼんやり見つめてみたりしても
なにも変わらないと分かってはいるけど
はぁっと息を吐いて、遠くの空に意識をやる。

あぁ、このまま消えてしまってもいい。
そんな風に思った時、ふと意識を横切った。
よく知っているようでよく知らない
まるで存在があってないようなものなのに
いつの間にか心の隙間に入り込んで
気がついたら離れられなくなっていたもの。

不意に、そんな存在に気がついたとき
胸がぎゅーっと苦しくなった。


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