北海道教育大 自主制作展「七月展」
【七月展 作品紹介】
「 隠ぬ 」(1) / パネルにアクリル、油彩 / 900×1800mm
「 隠ぬ 」
日本人というものは人間を最上位に考えない種族で、その種族風土によって「森羅万象」自然そのものに信仰を見い出す、幽霊” GHOST ”の文化があります。 しかし現代の日本では、幽霊・心霊系の類は信じるにしても 「鬼」の存在を信じる人は非常に少数ではないでしょうか。
しかし過去の日本の歴史の中で「鬼」として取り扱われてきたものは確かにあります。
それは『余所者』。
戦前までは敵国であった米英国を「鬼」として扱い、そして戦後は掌を返す様に「稀人(まれびと)」として日本に欧米化が流入します。 近代の特徴として、そうした『人々の「身内」とみなす範囲』がどんどん広がってきていることがひとつ挙げられると考えます。以前は村社会だったのが明治以降には日本全国がひとつになり、挙句の果て戦後は欧米にまで広がり、最近はその“結界の中“にアジアを加えようとする動きさえあります。
鬼[oni]の語源は、一説によると「隠ぬ[onu]者」が由来であるとされています。 どんなに時代が変じようとも、いくら外に結界を張ろうとも、心の奥底には深い闇が広がっている... 鬼は案外、私たちの心の中に「隠れている」ものなのではないか、と。
「 隠ぬ 」 (2) / パネルにアクリル、油彩 / B4
「 隠ぬ 」(3) / パネルにアクリル、油彩 / B4
「隠ぬ」(1枚目)作品部分