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失敗しない!住宅ローンの選び方②   物件種別編

住宅を買おうとする方は、大半の方が住宅ローンを組みます。どんなローンを組むかについては、金利や特約団信等の保障の種類で考えることももちろん重要ですが、購入する物件の種類によって、希望の金融機関が使える、使えないということが起こりますので、注意が必要です。
この記事を最後まで見ていただくことによって住宅ローンを選ぶ際に、金利や団信等の保障だけではなく、買う物件の種類によってどのように選べばよいかがわかるようになります。ぜひ最後まで読んでみてください。


※特約団信や金利についてはこちらに詳しく書いてあります。


買う物件によって住宅ローンの選び方が変わる

一番金利が安く保障もバッチリな住宅ローンを組んだとしても土地から家を建てたかったが、支払条件が合わず、希望の設計事務所では建てることができない!ということはよくありますので、ご注意ください!!!今回はその辺りについて、細かく解説していきます。

4パターンの物件種類

まず購入する物件は、4パターンに分かれます。

図1:住宅購入の種類

※建築条件付売地:建売をモジって「売建住宅」とも呼ばれるもので建築会社が既に決まっているもので、多少の間取り変更やカラーセレクト程度はできるというもので、建売会社が行う企画のことを言います。良し悪しなどはいずれ細かく解説していきます。

お金を支払うタイミングがポイント

基本的に「住宅ローン」は「住宅」のローンなので、大前提では建物引渡し時にお金を借りることができるというローンとなります。つまり上記4パターンは『お金を支払うタイミング』がそれぞれ違います。

戸建・マンションの場合の資金の流れ(①及び②)

そのため①②については、戸建やマンションは、契約時に手付金を支払い、土地建物を同時に引渡を受け、その際に残金を支払うという流れとなりますので、住宅ローンの実行は1度で済みます。

以下は総額8000万円の建売を買った場合の資金の流れとなります。※諸費用は省略

図2:戸建・マンションを購入した時の資金の流れ

土地の場合の資金の流れ(③及び④)

一方③④については土地を買って、建物を建てるという流れとなりますので、まず土地を取得してから建物を建てるので、最低でも大きなお金の準備が2回は必要になってきます。以下は土地6000万円 建物2000万円の場合の資金の流れとなります

図3:土地を購入した時の資金の流れ

という流れとなります。③の場合は、建物についても手付金5%と残金95%という流れとなります。
④の場合は着工金、上棟金などの中間金が発生する建築会社が多く、想定しておく必要はあります。

銀行によって融資実行回数が異なる

土地引渡し時に融資を受けられない銀行がある

このように購入する物件の種別によって、お金が必要になるタイミングが異なりますが、前述したように、本来、住宅ローンは「住宅」のローンなため、お金を貸してくれるタイミングは建物引渡し時となります。ただ、土地から家を建てたい!というニーズが増えたため、土地時に1回、建物時に1回という形で銀行側がアレンジしてくれて、土地からの購入が可能となりました。
フラット35やはいまだに建物完成時に1度しか融資を受けられません。
また特約団信等で優秀なネットバンクについては、元々「借り換え」顧客向けに注力してサービスを展開していたこともあったからなのか、大半が建物完成時に1度しか融資を受けられないため、土地からの場合に向いていません。

銀行によって実行までのスピードが違う

またネットバンクは店舗や人件費等を削減することで、コストを落とし顧客に還元するという考えなため、審査自体に時間を要したり、書類のやり取りに手間がかかったりと、審査から実行までに時間がかかります。元々借り換え顧客向けなため、「期限」が特になかったので、そこまで問題はありませんでしたが、新規借入の場合は売主や物件特性など外的要因が影響するため、期限が発生します。そのため、ネットバンクの場合は①のように既に引渡の準備ができており、引渡まで1か月程度の場合は、間に合わない場合もありますので、注意が必要です。ちなみに不動産会社が売主の場合は引渡日を遅らせる交渉は難しい場合が多いです。

つなぎ融資が必要

つなぎ融資とは

③④の土地から住宅を造っていく場合でネットバンクを利用する場合は注意が必要です。
土地や建物中間金をつなぎ融資という形で提携のノンバンク等から短期間だけ借りることで、対応することが可能です。そのつなぎ融資の利息が高く、金利が安くても総支払額では割高になってしまうケースも多いので気を付けましょう!目先の金利だけに目がくらんで、諸費用として計算されてしまうつなぎ融資利息を考慮せず、進めてしまうと総額で損になってしまいますので、そのあたりもしっかりと考慮して、銀行を選びましょう!

比較:ネットバンクの実際の総支払額

土地6,000万円 建物2,000万円 自己資金0万円 借入8,000万円の場合の比較
〇ネットバンクA銀行の場合
 金利:0.35%
 融資事務手数料:2.2%(176万円)
 つなぎ融資利息:年利2.1%(12か月借入の場合⇒126万円)
 つなぎ融資手数料:11万円
 35年の諸経費込の総支払額⇒8814万円

比較:都市銀行の実際の総支払額

〇都市銀行Xの場合
 金利:0.4%
 融資事務手数料:2.2%(176万円)
 中間金融資利息:年利0.4%(12か月借入の場合⇒24万円)
 35年の諸経費込の総支払額⇒8774万円
といった計算となります。

土地はまだ決められない!

土地からの場合で、土地を選ぶ際に既に建築会社が決まっている場合は、その建築会社の支払方法に合わせて、銀行を選ぶことが可能ですが、土地からの場合、建築会社が決まっていないケースも多いので、その場合は建物中間金が必要になる想定で銀行を選んでおきましょう。

結論:買う物件別金融機関の選び方

結論としては、以下のような形で銀行選定をしておけば、その範囲の中でベストな金融機関を選べばよいと思います。

図4:物件種別ごとのおすすめ金融機関の選び方

以上となります。

どうぞよろしくお願い致します。


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