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マルチビタミン摂取で死亡リスクは下がらない?大規模研究から見えた真実

健康の維持や病気の予防のために、マルチビタミンを日常的に摂取している方も多いのではないでしょうか。実際、アメリカでは成人の3人に1人がマルチビタミンを使用しています。しかし、最新の大規模観察研究の結果、マルチビタミンを飲んでいても死亡リスクは下がらないことが明らかになりました。

研究の概要

米国立がん研究所(NCI)などの研究者たちは、1993~2001年に開始された3つの前向き観察研究のデータを分析しました。対象となったのは、がんや慢性疾患を持たない39万124人(中央値61.5歳、55.4%が男性)の成人です。参加者は最長27年間追跡され、その間にマルチビタミンの使用状況や死亡リスクが評価されました。

主な結果

追跡期間中、16万4762人が死亡し、その主な原因はがん(4万9836人)、心疾患(3万5060人)、脳血管疾患(9275人)でした。マルチビタミン使用者は非使用者に比べて、喫煙率が低く、BMIも低く、食事の質も高いなど、健康的な生活習慣を持つ傾向がありました。

しかし、総死亡リスクに関しては、マルチビタミン使用者での有意な低下は見られませんでした。むしろ、追跡開始から12年間では、非使用者に比べて総死亡リスクが1.04倍とわずかに上昇していました。その後の15年間では、両グループ間で有意な差はありませんでした。心疾患、がん、脳血管疾患による死亡リスクについても、マルチビタミン使用者での有意なリスク低下は確認されませんでした。

考察と結論

研究者たちは、初期のリスク上昇について、高齢者や病気と診断された人がマルチビタミンの使用を開始する傾向があるため、因果関係のない相関が生じた可能性を指摘しています。

この研究から、マルチビタミンの摂取が死亡リスクの低下に寄与しないことが示されました。サプリメントに頼るよりも、バランスの取れた食事や適度な運動、健康的な生活習慣の維持が重要であることを再認識させられる結果と言えるでしょう。

まとめ

マルチビタミンが健康に及ぼす影響については、まだ多くの研究が必要ですが、現時点ではその効果は限定的であるようです。健康を維持するためには、日々の生活習慣を見直し、自然な形で栄養を摂取することが最も効果的かもしれません。

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