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イベント鑑賞レポート【デジタルハリウッド大学卒業制作展】

こんにちは。
今回私は、デジタルハリウッド大学の卒業制作展に行ってきました。
大分から東京までという長い道のりでしたが、この卒業制作展はその労力をチャラにできるほど自分の心に強い印象を残しました。
この記事ではその中でも特に印象に残った作品を五つ紹介したいと思います。
最後までご覧いただければ幸いです。


作品紹介

匂いと感情の旅

一つ目はインスタレーション作品の匂いと感情の旅です。

制作者 青木胡桃様

梅本ゼミの展示エリアに入ると様々な展示物がありました。その中でも、一際私の心をくすぐったのがこの匂いと感情の旅です。

こちらの作品は過去の記憶や感情が呼び起こされる現象(プルースト効果)を活用した作品だといいます。
目の前には三種の香りが置かれており、好きな匂いを嗅ぐことが出来ます。
自然の香りやコーヒーの香り、どこかで出会ったことのあるような香りが置かれていました。

私も実際に嗅いでみたのですが、あの日の懐かしい日々が脳裏にフラッシュバックしてきました。
「あ、この匂い懐かしい」という感覚を意図的に作り出し、人の感情や感覚を優しく撫でていくような素敵な作品のように感じました。
少しノスタルジックな感情になりたい方にはとてもおススメできる作品だと思います。

実際に置かれていた匂いのする瓶です。さわやかな香りがしてとてもいい気分になります。

doors

二つ目は3DCG作品doorsです。

制作者 越川麟太郎様

3DCGの展示室に入るとまず、目に入ったのがこの作品でした。
この作品は、今を生きる私たちの選択の大切さをテーマにして作った作品だといいます。

映像の中で視聴者は、語り手と一緒に架空の博物館を回るのですが、その語り手の言葉選びや発言の間などが作品に緊張感を持たせていました。
映像の中で登場する現実では存在しないはずのアサルトライフルが、語り手がいることで現実味を帯び、見ていると怖くなってきます。

私はこの作品を見て、我々人類の今後の選択が楽しみになってきました。

葛藤する小人

三つ目はインタラクティブアート作品の葛藤する小人です。

制作者 檮木南帆様

こちらの作品は、「観察されることで変化する存在」のインタラクティブな映像作品だそうです。

映像をYouTubeでライブ配信して、見ている人数やその時の気温などによって映像の中に登場する小人の行動が変化していきます。

  • 視聴者が多いと小人は驚き、歯車を落とす

  • 視聴者が少ないと小人は歯車を運ぶ

  • 歯車をが落ちると、小人は回収する 

私はこの小人を見て、人から見られることでどれだけ自分の行動が変化しているかを考えました。
多数の目に晒され、自分はどんな行動をとるのか。その場合の周りの環境や状況で自分の行動はどう変化するのか。
それは常に変化し続け、自分ではどうしようもないことだと思います。
そこには選択するという道があり、どの道を選ぶのか。

そんな私や人の行動を分かりやすく見れたのではないかと思いました。

人の目によって本来の自分を忘れてしまった人や、人の目を気にしてしまう人にはぜひ見てもらいたい作品だと思いました。

春浜高校前バス停留所

四つ目は春浜高校の前にあるバス停です。

会場の中で一番爽やかさをまとった作品がこの春浜高校前バス停留所だと思いました。

上の写真の通り、一見オーソドックスな形をしたバス停ですが、普通のバス停を見ただけでは感じられない感情が私の心に訪れました。

ベンチの周りに花弁が散りばめられることで、どこかはかなさを感じ、下に置いてあるバスケットボールは青春の青さを感じさせます。

そして一番、異彩を放っていたのがバス停の横に置いてある自動販売機です。
自動販売機の中には独自のデザインが施されたサイダーがありました。

このサイダーは、春浜高校前バス停留所のXをフォローすると貰えます。

このサイダーが特にそうなのですが、バス停全体の雰囲気が私たちの住む世界にバス停が実際に存在しているかのような感じました。

春浜高校は現実にはないけど、そこで暮らし生きてきた人たちの香りや感触など、彼らが見てきたものに実際に接することが出来た気がします。

いつかここに住む人たちと「そっちの世界は楽しい?」と会話したくなるような作品でした。

にんげんって、いいな

最後は参加型アクティビティにんげんって、いいなです。

制作者 小林桃寧様

この作品は、自身の幼少期からの祈りを振り返り、感情的な共鳴を体験できる仕掛けになっているそうです。

下に置かれているカードには、幼少期誰もが思ったことがあるであろう、祈りが書かれていました。

気に入ったカードは持ち帰ってもいいらしく、私は

明日の僕がもう少し頑張れますように。カードを持って帰りました。

この作品で私が気に入ったところは、二つあります。

一つはカードに書かれている言葉がどれも、身に覚えがあるところです。

  • 学校に魔法の授業が増えますように。

  • 好きなバンドのチケットが取れますよに。

  • 宝くじが当たりますように。

  • 先生が急に体調不良でテストが延期になりますように。

  • 卒業できますように。

きっと誰もが思い浮かべたことのあるのではないでしょうか。


もう一つの気に入っている点は題名です。

 

このにんげんって、いいなという題名ですが、私はこの考え方こそ現代を生きる私たちにとって重要なのではないかと思います。
SNSなどの影響により人の悪いところばかりに目がいき、人として生きて行くのも苦痛だと感じる人もいるかもしれません。
そんな時に、人間に生まれた事に対して、ネガティブになるのではなく誇りに思い、自信を持つべきだと思います。

この作品は、そんな人間として生まれてきた私たちに対する人間讃歌なのではないかと感じました。

最後は私の感想でしたが、人間として生きていくことが疲れてしまった人にぜひ見てもらいたい作品でした。

まとめ

デジタルハリウッド大学卒業制作展レポートを最後まで読んでくださりありがとうございました。
今回紹介した作品は五つだけでしたが、他にも素晴らしい作品がたくさんありました。
イラスト、映像、VR、プログラム、ゲーム…
大分から東京と言う遠い道のりでしたが、来てよかったと思えるようなイベントでした。
また、来年も楽しみに一年間待っていたいと思います。

デジタルハリウッド大学の学生さんたちは外に向けても作品を発表したりしているので、もし見かけて興味を持ったらぜひデジタルハリウッド大学卒業制作展に訪れてみてはいかがでしょうか。







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