見出し画像

育児と腰

苗木を植え、徐々に育つ木の上を毎日飛び越え跳躍力を鍛える、という修行が忍者にはあるらしい。

子育てにおいては抱っこがつきもの。
小さく生まれた我が子を毎日抱きかかえ、大きく育っても抱っこし続けられるように…ならない。

息子の体重は先日の三歳児健診で16kgに到達したことが判明した。出生時の約4.4倍である。
成長にともない抱っこを求められる機会は減ったけど、まだたまにある。
16kgであろうが抱っこすることは可能だが、リスクも高まっていく。
腰を破壊するリスクが。


先月、徒歩で少し遠い公園に遊びに出かけた帰り、まだ帰りたくなかった気持ちと疲労が混ざり合って不機嫌になった息子は抱っこを求めてきた。
後に続く用事もあり急いでいたため、抱っこして10分ほど歩いた。
翌日から私の腰は生活に支障が出るほどの痛みを訴え始めた。

立ってると痛い、座るのも痛い、腰ががっちり固まって動かすと痛い。
ずっと痛い。
尻の上から帯を巻くようにぐるっと左を回って、左の睾丸あたりまで鈍痛を感じる。
腰痛の経験があるひとならわかってくれると思うが、痛い個所から元気が漏れ出していって、常に何をするのも面倒な気持ちになる。

実のところ腰を痛めたのはもう3回目。
初めて腰を壊した大学生のころ、腰回りに筋肉がなさすぎるので、ストレッチをするよう教わった。それを習慣にできなかった男のありさまがこれ。
経験上安静にしつつストレッチをするくらいしかないので、日にち薬ということで病院には行かずにいた。コルセットも締め付けがかえって痛いのでやめた。

いずれ痛みも治まるだろう。素人判断でそう考えて3週間。
良くならないどころか逆に悪化し、痛みで仕事中まったく頭が回らなくなった。
土曜に朝イチで整形外科に行こうと思っていたが、もはや何も考えられない。仕事を続けても意味がないと考えて、目星をつけていた病院に駆け込んだ。
レントゲンを撮り、痛み止めのブロック注射を打ち、炎症を抑える薬を処方してもらった。
原因がはっきりせず1週間後に再診となったものの、幸い重大な異常はなさそうだった。
痛み止めが効いてきて、一応動けるようにまで復活した。
なんともアホくさい。やっぱり早く病院に行くべきだったのだ。


夕方、空を見上げると半月が浮かんでいた。
きれいに左半分が欠けているさまが、灼熱を帯び機能不全に陥った私の左腰を思わせる。

皆さんも日々ストレッチをし、重たい子どもを抱っこする際はしっかりしゃがんでから抱き上げるようにしましょう。そして病院には早く行きましょう。

いいなと思ったら応援しよう!