高齢者の褥瘡とずれ
こんにちは!ラビット夫です🐇
今回は手術室、病棟どちらでも求められる知識、『高齢者の褥瘡とズレ』について書いていこうと思います!
近年、高齢者の入院や手術が増えてきて院内での褥瘡発生や持ち込み褥瘡などを見る機会が増えてきていると思います😱
褥瘡ができるとその人のQOLに大きく関わるので院内では作らないことが重要です。
スライドや解説をつけてなるべくわかりやすくまとめてみましたのでぜひ読んでいってください🙂
褥瘡とは
「身体に加わった外力が骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流の低下、停止させこの状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡になる」のことです🤔
褥瘡の発生要因としては4つの原因があるとされています
一番イメージしやすいものとして、体圧があります。
体圧の対策としては体位変換や体圧分散マットレスの使用、エアマットの使用等行われますが、
高齢者にとっては皮膚の解剖から“ずれ”も褥瘡のリスクとしては大きなウェイトを占めていると考えます
では、ずれについて考えてみましょう!🙂
ずれとは
ずれとは皮下組織の歪みのことです
また、あとから説明しますが…
真皮機能の低下した高齢者ではギャッチアップなどで生じるずれ力によって皮下動脈の変形が顕著になり骨からの圧迫が加わることで阻血状態に陥り褥瘡が発生します。
そしてずれの予防として背抜き・除圧を行うことが推奨されています🐰
今回は皮膚の解剖生理と高齢者皮膚の特徴・背抜きの行い方について詳しく解説していきます!!
皮膚の役割と高齢者の特徴
皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造を持って生体にとっての物理的、生物学的バリアを形成しています。
それぞれの役割としては
表皮は最外層の角層により水分の透過性を制御し細菌の侵入を防ぐ
真皮は皮膚に張力を与える膠原繊維、収縮力を与える弾性繊維の役割
皮下組織は脂肪組織層で、外力の分散としての機能を有している
があります🐰
高齢者は、加齢により角層を除く表皮、真皮、皮下組織いずれも菲薄化します
しかし、角層だけは厚くなり、体熱産生減少に伴い、発汗・皮膚血流が減少するので「ゴワゴワして冷たく乾燥した弱い皮膚😱」になります
臨床で言うとこのような状態の皮膚です
↓
そして、入院中の高齢者は加齢による影響と低栄養や廃用性萎縮により皮下組織を構成している脂肪や筋肉が減少します
真皮の張力、収縮力、弾力が低下したるみが生じ、皮下組織・筋肉の減少によってクッション機能が低下しているため、圧迫が加わりやすい状態となります
ずれが生じる時の解剖
①皮下組織の菲薄化に伴いクッション性が乏しくなり、
皮下組織を環流している血管が骨に圧迫され、血液量 が減少する
②ついで真皮の菲薄化に伴い張力・収縮力が乏しいことから、ずれが生じ皮下血管が引き伸ばされ、捻れが生じ閉塞する
これらの条件が重なることで褥瘡発生となります🤔
このずれを解消するために背抜きが必要となります
背抜きとは
背抜きとはベット側に張り付いている体の圧力を取り除くことです。
ずれは、ヘッドアップやダウン・体位変換後に生じます。
このことから背抜きを行うタイミングとしては体位変換等を行った後が有効だと考えられます!!
実際には、除圧グローブやビニール袋(病院によると思います…)を用いてマットレスと患者との間に看護師の腕を挿入し、マットを押して離す方法を用います。