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東京レガシーハーフ2024 1時間02分12秒

東京レガシーハーフ2024に参加してきた。

結果は1時間02分12秒で12位、自己ベストを36秒更新した。自分的には相当上振れた結果が出た印象。以下、8月北海道マラソン以降からの振り返り。


練習

8月の北海道マラソンが終わってからも変わらずに過ごした。「道マラ2位」という結果から、9月以降は吉岡龍一が一発屋かそうでないか、を周りから試されているような不安はもちろんあった。陸上選手なら誰しも共感いただけると思う。
だが冷静に考えて、一発屋ならそれはそれでも構わないし、一発屋ではないことを証明しても残念ながら俺はプロではない。すなわち気にしても仕方ないことだった。見えない敵と空中戦をするよりも目の前のランニングを楽しむ方が大事だと辿り着けてからはいつも通りの日々を過ごすことができた。

具体的には
9月1日クロカン30㎞(4’00/km)

9月14日 1000m×3 r7分(2’42-2’41-2’39)

9月15日 40.8km(3’51/km)


9月21日 16000m(3’11/kmくらい) +1000m(2’44くらい)

と長距離走に必要な能力の裾野を広げるような練習を続けた。

そんな中でも月末に出場した日体大長距離競技会は良い走りができた。
9月28日 日体大長距離競技会10000m28分57秒
9月29日 日体大長距離競技会 5000m14分05秒

残暑のなかでもトラックで好走できたことは自信になった。
日体大が終わってからはレガシーにターゲットを置いた。

10月5日 会津若松市鶴ヶ城ハーフマラソン65分44秒
10月12日 代々木公園26.7㎞(3’18/km)

短い期間ながらも緩やかにハーフマラソンにシフトしていく練習でレガシー当日を目指した。
「ジョグが大事」とか「スピードが大事」とかは全部周回遅れであって、出来る練習を、可能な時期に、必要な分だけ取り入れることに尽きると思う。

前日調整

東京レガシーのエリート受付は前日のみ(9:00~13:00)ということでかなりシビアだ。受付そのものは5分で済んでしまうので午後からは大学時代の先輩と合流して都内をふらふらした。
エルドレッソの販売をする渋谷のアールディーズさんにも足を運んでみた。

18時頃チェックインしたホテルが917号室で誕生日(9月17日)と揃っていたのはミラクルだった。

まさかの917号室。縁起とかはあまり信じないけど、びっくり

当日


当日朝は3時30分に起床した。やたらスタート時間が早い(8時05分)のでそれに合わせて起床も早くなる。4~5時間前に起きておくのが望ましいが、このあたりは慣れというか、経験というか。早いからと言って無理に身構える必要はないし、寝坊しても落ち込まないメンタルが大事だ。

エリート専用控室

レース展開


スタート前。この桃澤さん、個人的にツボ。


スタート時の気温は18℃前後。日差しはないものの風は強めだった。ハーフマラソンに絶好か、と言われれば微妙なところだが前日の箱根予選会に比べれば圧倒的に走りやすいコンディションだった。国立競技場を走れるのはやっぱりテンション上がるし、エリート専用の枠はまさにスペシャル待遇だ。

事前に決めていたレースプランは特になかった。当日のペースと出力感をコントロールして21.1kmでベストパフォーマンスを出すことだけに集中した。

2㎞の通過が5分50秒、そこから少々譲り合ってしまって下り区間にも関わらず5kmの通過が14分40秒。OBRS北村くんやヤクルト髙久選手が前を走っていたが、1つ前の集団とは差が開きつつあった。

余裕もあったので6kmからは集団を引っ張った。このままだと無駄に牽制してしまうと思ったからだ。ちょっと速いかな、けど前の外国人に追いついた方がトータル楽だと言うことで譲ることなくガンガン引っ張り、5km~10kmは平坦区間だが14分37秒でカバー。10㎞手前の折り返し付近で狙い通り前の外国人に追いつくことができ、ここで追尾走に切り替えた。

13㎞過ぎてもまだまだ体力は残っていたので、後半の登り坂に向けて勝負に出るタイミングを窺っていた。自己ベスト更新はほぼ間違いない状況に持ち込めたのであとは何秒更新できるかも計算していた。

15㎞過ぎてからはYKK細森選手、スズキ加井選手、TRACKTOKYOムイバキトニー選手との競り合いになっていた。何度か集団から出そうになったがグッと抑えた。勝負はなるべく後半に持ち越した方が良いからだ。周りの様子も見ながら18㎞前後の一番キツい坂で集団から抜け出した。「ここなら勝てる」「一回で確定させる」つもりで勝負に出た。もはや坂ダッシュだった。

結局ここがターニングポイントとなって残り2~3㎞は落ちてきた外国人選手を目標にしながらゴールを目指した。合計順位はよく分からなかったが日本勢3番手ということは認識できた。ゴールタイムは62分12秒。2月の丸亀で出した62分48秒は上振れた感じもあったし、レガシーの時期・コースは好記録は出しづらい印象があったのでここまで更新できるとは思いもしなかった。

堀さんと。(吉田さんと写真撮り忘れた)お二人で監督をしていただきました!
12位。はじめてハーフを走ったあの日は、自分が62分前半で走れる日がくるとは思いもしなかった。
優勝でも、日本勢トップでもないけど自分が嬉しかったら手を広げてもいいんだ。


ゴール後はランナー仲間の皆さんと写真andゆるジョグタイム。
はじめましての方もいて充実した時間になった。大学院卒業と同時に陸上を辞めていたら、この日お会いした皆さんと関わることはなかったと思うと感慨深いものがある。

牛山さんご提案のアキュラポーズ
アキュラは本田技研工業が開発・生産するHondaの海外向けブランド。私の部署でも開発担当しています。

レガシーのコース

普段は車だらけの東京都心を走るのは新鮮だし、ビルの合間を抜けていくのは爽快感があってあっという間に終わった。昨年は土砂降りだったが今年は雨も降らず、すれ違いでは多くの声援を貰えてありがたかった。

オワコン化との戦い

さて、前の記事でも書いたがやはりこんなタイムを出してしまうとオワコン化が怖い自分もいる。順当に行けば次は61分台!とかフルでサブ10!とかが目標になってくるんだろうけど、そんな実感はないし、目指すと故障してしまいそうな気がする。

目指せば目指すほど、自分の首を絞めてしまうことを知っているからこそ、目標は「●●する」ではなくて「○○できればいいな」くらいがちょうどいいのだろう。
最近は長距離走の能力を我々の認識の範囲内で説明することは出来ないんじゃないかとすら思っているから、やっぱりプロセスとレースを楽しむことが一番の秘訣なんだ。

何分かかろうが東京レガシーはきっと素晴らしい思い出になるだろうし、レース後の爽快感は唯一無二だ。改めてこの認識は間違っていなかったと感じた東京レガシー2024となった。

ゴール後の打ち上げ

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