2024年12月8日 第12回:開戦の日に考える 国策推進と犠牲 について
2024年12月8日 < 第12回:開戦の日に考える 国策推進と犠牲>として、映画『鶴彬 こころの軌跡」の上映と、平野寛プロデユーサーのお話と、山口研一郎先生による731部隊についてのトーク企画を開催しました。シアターセブン/イベント/「3.11を改めて考える~原発問題を中心に~」第12回:開戦の日に考える 国策推進と犠牲
実行委員の一人の感想をかきとめます。
12月の上映会に参加して下さった皆様、ありがとうございました。
鶴彬の映画をみなさんと一緒に観た後、731の話を山口先生から聞かせてもらいました。とてもとても貴重なお話し、そして鶴彬という方がかの戦争時にどのように生き、なにを訴え続けてきたのか川柳というもので社会の不穏な動きや理不尽な事、もの言えぬ世の中のおかしさ、苦しみを五七五の川柳という形で言葉を紡ぎ出し社会に訴え、特高に連れていかれ獄中で亡くなったということを、この映画に出会うまで知る事がありませんでした。
今、日本社会はとても危うい状態だと危惧しています。
今こそ、この映画を観るのが大事だと思わずにはいられません。
なぜこのような人を知る機会がなかったのかと、知る機会を奪われてきたことへの腹立たしさとともに、知る機会を奪われてきたからこそ、今の危うい日本社会があるのだとしみじみ思うのです。
上映会の後半は山口医師の731のお話でした。731は過去の話ではありません。昔、「悪魔の飽食」を読み戦慄した記憶があります。「海と毒薬」という映画も観ました。おぞましい事をやってきた人たちがなんの罪にも問われず、戦後、出世してぬくぬくと生きていっていたこと、これは日本の戦後、きちんと加害の責任を認めずに都合の悪い事は見ないふりをしてきた事の大きな罪の一つであり、後々そういったことが今の体たらくな日本社会につながっているのだと思わずにはいられないのです。
いろいろ調べているとこの731と鶴彬の関係ももしかしたらあるのではないかという疑念も涌きます。赤痢で亡くなった鶴彬は赤痢菌を故意に盛られたのではないかという説があります。
また、鶴彬よりもだいぶ後ですが韓国の詩人、尹東柱の死因も謎なところがあるような話も出てきました。福岡の刑務所で亡くなったのですが、服役中の人になにやら時々九州大から来た医師が注射を打っていたというようなことを調べて書いている人がいました。
人体実験が治安維持法で捕まった人にされていたのではないかというものです。
ごくごく普通の人が、世の中が戦時になると恐ろしい事をやってしまう。それが戦争だし、戦争になる前にすでにじわじわとそうさせられていく、その恐怖をこの上映会であらためて感じた1日でした。みなさんの街でも、鶴彬の映画上映会を是非開催してほしいです。
2024年が終わろうとしています。新たな年が平和に過ごせるよう、何をしていくべきか、どんな声をあげるべきなのかを考えながら年を越したいと思います。