おしまい。
ちゃんと終わらせよう。
もう続きがないように
おしまいをつけられるように
君との物語が何も書けないように。
今になって読み直す
始まりのページからを
僕が声をかけたあの日
普段はそんなこと出来ないのに
これはもう運命的と思って
気づいたら話しかけていた
どこかに出掛ける口実を作るために
二人で行けるイベントを調べて、君は好きかなと思いながら
勇気を出して誘った初めてのデート。
一緒に歩くだけで少し緊張したな。
会う回数が増えて
気になる映画も見に行って
3度目のデートでは告白出来ず
落ち込みながら帰った。
付き合ってから言われた
そのデートでの別れ際僕の背中は彼女にとって面白かったらしくその写真を撮っていて、見せられては良くからかわれた。
名前のついた関係性の二人になって
僕の隣には当たり前に君がいる。
君の趣味に付き合って僕の世界が広がった。
二人で一番作った料理のパンケーキは焦げていたのが
今では最高の焼き加減の時間だってある。
季節と共にやってくるイベントとか誕生日とか毎年変えるのが大変で
サプライズなんてもう飽きてる。
何度も同じような事を繰り返したけど、文句も言わず
去年と同じような写真になったねと笑い話になるのがオチだった。
人生をページ数にしたら多分数ページのお話になると思うんだ。
それでも確実に刻まれていて色がしっかりとついた僕にとって大事な物語。
だからこそしっかりと君とのお話は完結を迎えたい。
周りのせいにして、環境のせいにしてちゃんと大事にできなくなり
投げやりに君にぶつけた日から態度は変わっていった。
ぶつかる事を恐れて話し合いもしなかった。
お気に入りだった洋服も着なくなり
あんなに好きだった写真も撮らなくなっていた。
きっと優しい君は何も言えずにこのまま時間だけが過ぎる。
二人でいる辛さをこれ以上は無しにしないと思い僕から「話がある」と連絡をして「うん。」の返信が僕らの最後のライン。
別れを切り出すのにも時間をかけてしまう情けない
僕をちゃんと好きでいてくれた事、
二人の思い出にこれ以上辛い事は無いようにしたいと伝えた。
切り出してくれてありがとう。と最後まで優しい君。
最後に流した涙が
二人の終わりを連れてきて
おしまい。おしまい。