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【富士通】ChatGPT就活ガイド|インターン未経験者向けの企業研究&選考対策

本レポートは、ChatGPT-Proの「Deep Research」機能を活用し、富士通の企業情報を徹底的に調査・分析したものです。公式IR資料、決算報告書、業界レポート、競合比較データ、選考体験談など、多角的な情報を統合し、インターン未参加の就活生でも企業理解を深められる内容になっています。

こんな方におすすめ!
✅ 富士通の事業や強み・弱み、競合企業との違いを知りたい
✅ エントリーシート・面接の対策を万全にしたい
✅ Webで調べても情報がまとまっていなくて困っている

この記事では「事業・競合分析」「中期経営計画のポイント」「面接・Webテスト・GDの具体的な対策」まで、就活で本当に役立つ情報を網羅しています。

1. 企業概要・基本情報

基本データ: 富士通株式会社(Fujitsu Limited)は、1935年6月20日に富士通信機製造株式会社として設立された、日本を代表するIT企業です​。本社は神奈川県川崎市にあり、現在の代表取締役社長は時田隆仁氏です​。1949年5月に東京証券取引所に上場し、その後1961年に名古屋証券取引所にも上場しています​。2024年3月期(2023年度)の連結売上収益は約3兆7,560億円、連結従業員数は約124,000人に達しています​。資本金は3,256億円(2024年3月時点)で、東証プライム市場に上場する電気機器業種の大手企業です​。


沿革の概略: 富士通は元々、古河電工グループと独シーメンスの合弁である富士電機製造株式会社(現・富士電機)の通信部門を分離する形で誕生しました​。1935年の創業以来、電話交換機など通信機器メーカーとしてスタートし、戦後はコンピュータ事業にも進出します。1954年には日本初の国産コンピュータFACOMを開発し、メインフレーム事業の基盤を築きました。1965年に親会社から資本独立し、1967年に社名を「富士通株式会社」へ改称しています​。以降はICT(情報通信技術)分野で事業領域を拡大し、2000年代にはシーメンス社との合弁を経て欧州事業を強化(2008年にシーメンスのコンピュータ部門を買収)​。近年では、PC事業をレノボとの合弁会社に分離するなど事業再編も進め、2024年には本社機能を東京都内から川崎市の拠点(かつて1938年に建設した工場跡地)へ集約しました​。長年にわたり日本の通信インフラやコンピュータ産業を支えてきた富士通は、現在ではサービス主体のITベンダーへと転換を進めています。


2. 事業分析

富士通の主な事業領域と収益構造

富士通は幅広いICT事業を展開していますが、大きく以下の4つのセグメントに分かれています。

  • サービスソリューション事業: システムインテグレーション(SI)やコンサルティング、クラウドサービス、各種ソフトウェア提供、システム運用保守など、顧客のITシステム全般を支援するサービス事業です​。

  • ハードウェアソリューション事業: サーバーやストレージなどITインフラ機器の開発・販売と、それらの保守サービス、さらに携帯電話基地局や光伝送システムなど通信インフラ設備の提供を含む事業です​。

  • ユビキタスソリューション事業: 主にPCやモバイル端末などのデバイス事業です​。

  • デバイスソリューション事業: 半導体パッケージや電子部品(例:フラッシュメモリや電池等)を扱う事業です​。

以上のように、富士通の収益の柱はサービスソリューション(SI・サービス)であり、売上・利益ともに約半分以上を占めています​。特に日本国内の官公庁や大企業向けSI案件で強みを発揮しており、「メーカー系SIer」(自社ハードも持つシステムインテグレーター)としてワンストップサービスを提供できる点が特徴です​。ハードウェア事業も一定規模ありますが、従来型ハード依存のビジネスモデルからクラウドやサービス中心のモデルへと転換を図っており​、PCやデバイスなど競争の激しい分野は縮小傾向です。


主要事業領域別の市場動向と富士通の強み・弱み

システムインテグレーション(ITサービス): 富士通は国内ITサービス市場でトップシェアを誇り、売上規模は約1.2兆円超と2位のNTTデータを上回ります​。官公庁向け基幹システムでは**「独占的」と言われる地位を確立しており、医療分野でも電子カルテで32%のシェアを持つなど特定業界で強力な存在感があります​。日本のITサービス市場規模は2023年で約6.46兆円(前年比+6.0%)と安定成長しており​、DX需要の高まりもあって堅調です。富士通は豊富な技術者リソースと長年の実績による信頼性を強みとして、大規模案件を安定的に獲得できています。SI事業のマネタイズは主に大型プロジェクトの受託開発収入と、その後の運用保守・アウトソーシング契約による継続収入です。強みは官公庁・金融をはじめ広範な業界で高いシェアを持つこと​、自社開発のハードやミドルウェアを組み合わせた提案力、そして国内最大規模の要員による対応力です。一方で弱み**としては、プロジェクトごとの人月リソース依存が大きく利益率が低めな点(2022年度の営業利益率は約8.6%​)や、国内比率が高く海外展開が遅れている点が挙げられます。実際、富士通のグローバル事業は売上比率約14%に留まり、しかも営業利益は赤字という課題を抱えています​。人件費負担の大きいSIビジネスから脱却し、クラウド化・サービス化で収益性を高めることが今後の課題です​。

クラウドサービス: 世界的にクラウドコンピューティング市場は年率二桁成長を続け、国内企業でもオンプレミスからクラウドへの移行が加速しています。富士通も自社クラウド基盤「Fujitsu Cloud Service」(かつては「FUJITSU Cloud K5」などを提供)を展開し、国内企業や官公庁向けのクラウドサービスを提供しています。また近年はAWSやAzureといったハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)のサービスと連携したマルチクラウド統合にも注力し、顧客のシステムを最適なクラウド環境で構築・運用する支援を行っています。クラウド事業のマネタイズは、自社クラウド基盤の利用料課金や、他社クラウド導入支援に伴うコンサル・運用サービス収入です。富士通の強みは、日本企業や政府機関のニーズに沿った堅牢で信頼性の高いクラウド(データ所在地やセキュリティ面での安心感)を提供できることです。また自社のSI力を背景に既存システムのクラウド移行(モダナイゼーション)をトータルで支援できる点も優位性です​。一方弱みとして、自前のクラウドは規模で勝るAWS等に比べグローバル展開やサービス拡充で劣り、市場の主導権を握れていません。そのため富士通自身、「オンプレミス中心の従来サービスと比べクラウド型のデジタルサービスは利益率が高い」と認識しており、コンサル強化や戦略的パートナー連携によってクラウド領域の売上拡大・収益改善を図る戦略を打ち出しています​。総じてクラウドは今後の成長ドライバーであり、富士通もハード提供企業からクラウドサービスプロバイダーへの転換を目指しています​。


AI(人工知能): AI技術は昨今のDXに欠かせない要素であり、富士通も「AIトラスト技術」や独自AIソリューション群「Fujitsu Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」などを開発・提供してきました。2022年以降は生成AI(Generative AI)のブレイクスルーもあり、富士通は2024年に全社AI戦略を刷新して、自社のDXサービス(Uvance)と最新AI技術を組み合わせる方針を示しています​。具体的には、社内で研究開発してきたAI技術群を統合するプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi(梓)」の商用化を決定し、顧客がPoC(概念実証)から本番展開まで一貫してAIを活用できる環境を提供し始めました​。富士通のAI事業収益は、AIソリューションのライセンスやカスタマイズ開発費用、AIを組み込んだシステム提供のサービス料金などです。既に7,000件以上のAI導入実績があり(提案・PoCは500件超)、これらの知見が強みとなっています​。特にエンタープライズ向けAI(製造業の検品自動化や金融業の与信モデル、高度な需要予測など)で豊富な実績を蓄積しています。一方で弱みは、グローバルのAIプラットフォーム競争(米IT大手のAIクラウドサービスや中国勢のAIソリューション)において存在感が限定的な点です。また消費者ビッグデータを直接持たないため、汎用AIモデルの分野では不利です。そのため富士通は**「信頼できるAI」**(AI倫理・ガバナンス)に注力し、企業や社会課題の解決に特化したAI活用で差別化を図ろうとしています​。AI市場自体は今後も高成長が見込まれるため、富士通にとってAIはサービス高付加価値化の鍵であり、研究開発投資も続けられています。


IoT(モノのインターネット): 工場設備や車両、家電など様々なモノがネット接続されデータを収集・活用するIoT分野も、富士通の重要領域です。特に製造・流通業向けにはIoTソリューション「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA」や、農業向けクラウド「Akisai(秋彩)」など業種別サービスを展開してきました。IoT事業の収益源は、センサー等デバイスの販売から、IoTプラットフォーム利用料、さらにはデータ分析サービス提供まで多岐にわたります。市場規模は年々拡大しており、製造業のスマートファクトリー化や社会インフラの高度化(スマートシティ等)の流れに乗って成長が期待されます。富士通の強みは、IT(情報技術)とOT(制御・運用技術)の融合に対応できる点です。長年コンピュータ制御システムを手掛けてきた知見と、現場機器を製造するハードウェア技術の両方を持つため、センサー層からクラウド層まで包括的にソリューション提供ができます。また通信(5G/LPWAなど)やエッジコンピューティングの分野でも研究開発力があります。ただし弱みとして、グローバルで見るとGEやシーメンス、日立(Lumada)など他の大手も産業IoTに注力しており、富士通単独の存在感は突出していない点が挙げられます。プロジェクトごとに個別対応が多く**スケーラビリティ(汎用展開力)**に課題があるため、富士通はIoTでも共通基盤化やパートナー連携を進めています。今後、5GやEdge AIと組み合わせたIoT高度化が進む中で、富士通が得意とするセキュアかつ高信頼なシステム構築力は強みとなり得ますが、機敏な商品化戦略が求められる領域です。

セキュリティ: 情報セキュリティ事業も富士通の重要分野です。ネットワーク・サイバーセキュリティのサービス提供、人材育成支援、さらには自社開発の生体認証製品など、多面的に展開しています。富士通製の手のひら静脈認証装置「PalmSecure」は世界中の銀行ATMやオフィス入退室管理で採用されており、極めて高精度な生体認証技術として評価されています。また、官公庁向けの高度な暗号技術や監視ソリューションの提供実績も豊富です。収益はセキュリティコンサルティング・監査サービス料、マネージドセキュリティサービス(運用代行)料、プロダクト販売などからなります。市場環境としてはDXの進行に伴いサイバー脅威も増大し、企業のセキュリティ投資は拡大基調です。富士通の強みは**「信頼性」**にあります。国家機密レベルのシステムも任されてきた実績から、セキュリティソリューションの信頼が厚く、国内大手企業のCSIRT構築支援などでも多数の実績があります。またネットワーク機器からアプリまで幅広い知見でトータルに守れる点も利点です。弱みとしては、専門特化のグローバルセキュリティ企業(チェックポイントやパロアルトネットワークス等)に比べ製品ポートフォリオで見劣りする部分があること、そして攻撃者側の手口の変化に対応するスピードでベンダー各社との競争が激しいことです。富士通はAIを活用したセキュリティ監視の自動化やゼロトラストセキュリティのソリューション拡充などで差別化を図っています。総じて、セキュリティは富士通のサービス提供に横断的に組み込まれる要素であり、DX推進と並行して今後も需要が高い分野です。

<富士通の強み・弱み総括>:以上を踏まえると、富士通の強みは「幅広い事業領域を持ち、あらゆる業界・技術分野に対応できる総合力」と「国産メーカーとして培った高信頼の技術・品質」です​。特に国内市場では官民問わず深い顧客基盤を持ち、ハードからソフトまで自社で手掛けられるSIerは富士通を含め数少ない存在です​。一方で弱みは「グローバル展開の弱さ(海外比率の低さ)」と「収益構造の改革途上(従来型SI依存で利益率が低い)」点にあります​。また「新たなマーケット創出へのチャレンジが十分でなく、プロダクトアウト志向が弱い」との指摘もあり​、先端技術をビジネスに結びつけるスピードが課題と言えます。ただ富士通は先端技術自体(AI、5G、量子コンピューティング等)はしっかり保有しているため、それらをどう収益化するかが今後の成長のカギとなるでしょう​。


3. 競合比較

富士通の主要競合としては、国内ではNEC(日電)、日立製作所、東芝など大手電機メーカー系SIerや、NTTデータのような通信系SIer、さらにはアクセンチュアなど独立系グローバルコンサルも挙げられます。国外ではIBMやHewlett Packard Enterprise (HPE)、Dell Technologiesといった世界的ITベンダーが競合にあたります。それぞれ事業モデルや強みに違いがあるため、以下に富士通との比較ポイントを整理します。

  • NEC(日本電気): 富士通と並ぶ国内メーカー系SIerの雄です。NECもかつて通信機器やPCを自社生産していましたが、現在は公共・社会インフラ向けのソリューションサービスに重きを置いています。

  • 日立製作所: 日立は売上10兆円規模の大手総合電機ですが、その中で情報・通信システム部門は富士通と競合関係にあります。近年日立はLumada(ルマーダ)というIoT基盤を軸に**「OT×IT統合」**を掲げており、製造業のデジタル化や社会インフラ管理で強みを発揮しています。**マネタイズモデル:**社会インフラ(鉄道システム、発電所制御等)の大型プロジェクト収入と、ソフトウェア製品・サービス(金融機関向けの基幹パッケージやIoTプラットフォーム利用料)の組み合わせです。富士通が請負型SIが主なのに対し、日立は自社プロダクトソリューション販売の比率が比較的高いです。**技術・サービスの強み:**鉄道・電力など公共インフラ制御の分野では世界的実績があり、また産業制御機器や工場設備に強い日立ならではのOT技術が売りです。IT面でもメインフレーム(IBM互換機)を持ち、金融勘定系システムなどで存在感を示します。加えて2021年にはグローバルIT企業のグローバルロジック社を買収し、海外でのデジタル人材と顧客基盤を獲得しました。**ターゲットユーザー層:**製造・物流・公共を中心に「社会インフラを支える企業」が多く、社会貢献度の高いプロジェクトに携われる点をアピールしています。国内外ポジショニング:日立のIT部門売上は国内では富士通に次ぐ規模とのデータもあり​。

  • 東芝: 東芝も総合電機大手ですが、経営再編により半導体メモリ事業やPC事業を切り離した結果、現在の主力はエネルギー・社会インフラシステムや電子デバイス等となっています。ITサービス分野では、東芝デジタルソリューションズ社が中心となり製造業向けSCMシステムや流通業向け決済システムなどを手掛けています。しかし富士通やNECほどSI専業ではなく、**マネタイズモデル:**自社製品(発電設備、エレベーター、POSレジなど)に組み込むIT制御システムの提供や、それらを納入する際のシステムインテグレーション収入が中心です。**技術・サービスの強み:**組込みシステム開発や産業用IoTでは経験豊富で、現場機器とネットを繋ぐ制御技術などに定評があります。また量子暗号通信や尖端センサー技術などニッチな先端技術も持っています。**ターゲットユーザー層:**自社製品を導入するインフラ企業や、小売店舗向け(東芝テック社のPOSシステムなど)などが多く、直接の競合よりは補完的関係もあります。国内外ポジショニング:東芝のIT関連売上は全体の中でそれほど大きくなく(グループ売上の一部)、国際展開も限定的です。したがって富士通に比べ競合度合いは低いですが、一部では協業・競合両面の関係です。富士通の優位点は、東芝が弱い汎用的な情報システム開発力やソフトウェア資産を豊富に持つことです。東芝は近年経営混乱もあってIT人材の採用・育成面で課題を抱えており、安定性・総合力で富士通が上回ります。

  • IBM(日本IBM): IBMは米国発祥の世界的IT企業で、ハードウェアからソフト・サービスまで手掛けます。日本IBMは国内の大手企業・金融機関向けに古くからシステム提供しており、富士通とはメインフレームの時代から競合してきました。**マネタイズモデル:**近年のIBMはハード事業を縮小し、収益の60~70%をシステム構築・コンサルなどのサービス事業、約20%をAIやソフトウェア事業、残り20%を大型機などハードウェア事業が占めるとされています。

  • HPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)/ HP Inc: かつて一つのHP社でしたが2015年に分社化され、HPEは主に企業向けITインフラ(サーバ・ストレージ・ネットワーク)とサービスを扱い、HP IncはPC・プリンター等コンシューマ機器を扱っています。**マネタイズモデル:**HPEはサーバやストレージ機器の販売が中心収入ですが、「GreenLake」に代表されるように自社機器をクラウドライクに使えるサービス型(サブスクリプション)モデルへ移行を進めています。また企業向けITコンサル・運用サービス部門(元EDSの流れ)も持ち、ハード+サービス収入のハイブリッドです。**技術・サービスの強み:**サーバ市場で世界有数のシェアを持ち、高性能計算(HPC)分野ではCrayの買収によりトップクラスです。富士通のスーパーコンピュータ「富岳」でもHPE(Cray)のシステムが採用されるなど、HPCで協業関係もあります。ネットワーク機器では子会社Arubaによる無線LAN技術など強みがあります。**ターゲットユーザー層:**グローバルの大企業IT部門が主要顧客で、米欧中心にビジネスを展開。日本でも製造業や研究機関向けHPCで存在感があります。国内外ポジショニング:HPEは完全外資として日本法人がありますが、富士通やNECのような広汎なSIは行わず、製品販売と限定的なサービス提供がメインです。そのため富士通とは部分的競合(サーバやストレージ案件など)に留まり、直接大規模プロジェクトで争うケースは少なめです。富士通の差別化ポイントは、自社製ハードに加えソフトウェア開発力・運用サービス力を持つ点で、純粋ハードベンダーに比べ包括提案力が高いことです。また富士通は国内拠点での開発・保守対応力が強く、HPEのように海外本社主導では動かない点も国内顧客には安心材料です。

  • Dell Technologies(デル・テクノロジーズ): DellはPCやサーバの直販モデルで成長した米企業で、2016年にEMCを買収して企業IT全般を扱うデル・テクノロジーズとなりました。マネタイズモデル:クライアントPCからデータセンター向けサーバ・ストレージまでハードウェア販売が収益の大半です。加えてVMware(仮想化ソフト)を傘下に収めていました(※2021年にスピンオフ)し、周辺ソフト・サービス収入もあります。**技術・サービスの強み:**コストパフォーマンスの高い製品と迅速な販売網が強みです。PCでは世界上位シェア、サーバも標準機でトップクラスです。EMC買収で高性能ストレージ製品群を手に入れ、企業のデータ管理ソリューションに強みを持ちます。**ターゲットユーザー層:**中堅中小企業から大企業まで幅広く、価格訴求力もあるため規模を問わず採用されています。国内外ポジショニング:Dellもグローバル企業で日本でも直販を展開していますが、保守・SIパートナーとして富士通などと協業することもあります(富士通がDell製品をOEM提供するケースも過去にありました)。競合局面としては、PCでは富士通(FMV)も扱っていたものの現在はレノボ傘下となったため直接の競争は縮小しました。サーバでは富士通のx86サーバ(PRIMERGY)とDellのPowerEdgeが競合する場面があり、コスト重視ならDell、有償サポート含めた品質重視なら富士通という棲み分けも見られます。富士通の優位点は、Dellが得意でないメインフレームやミッションクリティカル系システムまでカバーできること、および顧客ごとにきめ細かなSI対応をして付加価値を提供できることです。Dellはシンプルで安価な標準製品を迅速に提供するモデルのため、ユーザー個別の要望に応じた開発には弱く、そこを富士通は付け入っています。反対に富士通はコスト競争力でDellに劣るため、大量導入案件では分が悪いこともあります。このように富士通とDell/HPの比較では、「サービス志向の富士通」対「プロダクト志向の外資」と位置付けられ、顧客ニーズによって使い分けられている状況です。

以上の競合企業比較から、富士通の差別化ポイントを整理すると以下のようになります:

  • 富士通は国内市場において、NECや日立といった他の日系SIerよりも事業領域が幅広く、様々な業界・技術分野に対応できる体制を持っています​。

  • 自社開発のハードウェア・インフラ技術を有し、それを組み込んだ垂直統合型の提案ができる点は大きな特徴です​

  • 富士通はグローバル規模ではIBM等に次ぐ位置にありますが、日本発の企業として国内顧客のきめ細かなニーズ対応や長期的関係構築を得意としています​。

  • 一方で富士通自身も変革期にあり、ハード依存からクラウドサービス志向へ舵を切っています。他社が次々とサービス化・ソフト化を進める中、富士通も**「Fujitsu Uvance」**という新事業モデルで各種デジタルサービスを束ね、差別化を図ろうとしています​。

  • 海外展開については、競合のIBMやアクセンチュアが圧倒的な中で、富士通は欧州を中心に一定の存在感を保っています(例:英政府のITサービスは旧ICL買収を通じ富士通が担うなど)。しかし海外比率14%・収益は赤字という現状​。

4. 中期経営計画・戦略の深掘り

最新の中期経営計画 (2023–2025) と戦略の概要

富士通は2023年に、新たな中期経営計画を発表しました​。

。この計画は2025年度を最終年度とする3カ年計画で、**「持続的な成長と収益力向上に向けた事業モデル変革」**を主軸としています​。

。数値目標として、2025年度の売上収益4兆2,000億円(2022年度実績3兆7,137億円)、調整後営業利益5,000億円(同3,208億円)を掲げ、営業利益率12.0%(同8.6%)への改善を目指しています​。つまり、売上を3年間で+13%伸ばしつつ、利益は+56%増やす野心的な計画で、サービス事業を中心に高収益体質への転換を図る方針です。


本計画のキーワードとして**「DX」「クラウド」「AI」「グローバル」「サステナビリティ」**が挙げられます。これらは業界トレンドそのものでもあり、富士通は経営戦略において次のような重点施策を打ち出しています:

  • DX(デジタルトランスフォーメーション)推進: 従来型SIから脱却し、顧客のデジタル変革をリードする存在になることを目指しています。具体的には、ビジネスコンサルティング機能の強化や、先端技術を活用したデジタルソリューションの提供に経営資源を振り向けています​。

  • クラウド&ハイブリッドIT戦略: 中期計画では「オンプレミスからクラウドへのシフトによる収益性向上」が明確に謳われています​。

  • AI・先端技術への投資: 富士通は研究開発費1,233億円(2023年度)​。

  • グローバル展開と組織再編: 中期計画では「海外ビジネスの収益性向上」が重要テーマとなっています​。

  • サステナビリティ戦略: 富士通は企業理念として「Purpose: 私たちはイノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」と掲げており、サステナビリティを経営の根幹に据えています。中期計画でもサステナビリティは重要な柱であり、自社の環境目標として温室効果ガス排出削減や再生可能エネルギー100%化(2050年カーボンニュートラル目標、2030年再エネ100%目標)などを設定しています。また事業面では**「Fujitsu Uvance」のコンセプトとして7つのKey Focus Areasを設定し、「持続可能な世界の実現」に向けた重点分野を定めています​。

戦略ロードマップと今後の目標

富士通の中期計画を時間軸で見ると、2021年頃からの構造改革フェーズを経て、2023-2025年の成長基盤構築フェーズ、そして2030年に向けたビジョン達成フェーズという流れになります。2021年前後にはPC・携帯事業の切り離し、人員適正化(早期退職募集など)といった事業ポートフォリオ見直しが行われ、同時に「Fujitsu Uvance」が打ち出されました​。この時期に掲げた長期ビジョンが、前述のPurposeに沿った2030年像です。


中期経営計画では、そのビジョンに向け直近期の数値目標と施策が定められており、特に2025年度に営業利益率12%を達成することが直近のゴールです​。この目標達成にはサービス事業の利益率向上が不可欠であり、そのために**高付加価値サービス売上の拡大(Uvance拡充)デリバリー効率化(標準化・自動化)**の両輪で取り組んでいます​。具体的なKPIとして、Uvance関連売上を2022年度の2,000億円から2025年度7,000億円へ大幅増加させる計画です​。またサービス提供のモダナイゼーション(最新クラウドへの移行支援)の拡大、不採算プロジェクトの撲滅なども数値管理されます​。


経営計画の更新履歴としては、直近ではコロナ禍の影響もあり計画数値を下方修正した経緯もありましたが、2022年度は増収増益で着地し、2023年度も順調に推移しています​。これは富士通自身の構造改革効果に加え、市場のDX需要という追い風に乗った結果です。今後は業界トレンド(クラウドシフト、AI・5Gの実用化、サプライチェーン再構築、カーボンニュートラル対応 etc.)と自社戦略をしっかり紐づけ、計画を上回る成長を遂げられるかが注目されます。例えば生成AIについては2023年に一気に脚光を浴びましたが、富士通はこれに素早く対応し自社サービスに組み込むことで、計画にはなかった新たなビジネス機会を創出しようとしています​。また、日本政府が推進するデジタル庁プロジェクトや防衛DXなどの大型案件も控えており、富士通が受注すれば業績押上げ要因となります。


中期計画後の長期目標として明示されているものはありませんが、富士通は2030年に向け業界トップクラスのDX企業への転身を描いていると考えられます。競合のNTTデータやアクセンチュアが海外M&Aなどで規模拡大を図る中、富士通も必要に応じ戦略投資を行う構えです。実際、2023年には米国のSAP向けコンサル企業(MFCS社)を買収するなど、ピンポイントのM&Aを実施しています。このように機動的に戦略をアップデートしつつ、根底には**「イノベーションで社会に信頼をもたらす」**という企業理念が貫かれており、事業戦略と社会価値の両立を目指す姿勢がうかがえます。

以上のように、富士通の中期経営計画はDX・クラウド・AI・グローバル・サステナビリティをキーワードに、自社の変革と成長を同時に推進する内容となっています。他の競合他社も類似の方向性ではありますが、富士通は総合力を活かした**クロスインダストリー型のデジタルサービス(Uvance)を成長ドライバーに据えている点で独自色を打ち出しています​。この戦略が実を結べば、富士通は単なるSIerから「DX時代のプラットフォーマー」**へと脱皮し、持続的成長軌道に乗ることが期待されます。


(図表やフローチャート:本レポートではテキストで説明していますが、実際のレポート作成時には上記数値目標やロードマップを図示化するとより分かりやすくなります。例えば、売上・利益の推移を示すグラフや、UVANCEのVertical/Horizontal領域をマトリクス図にするなどの工夫が考えられます。)

5. 選考スケジュールと対策

最新の選考フロー・スケジュール

富士通の新卒採用(主に総合職・技術職)は、いくつかのコース別に選考が行われます。2025卒採用(2025年4月入社向け)時点では、代表的なコースとして「ソリューションエンジニアコース」「ビジネスプロデューサーコース」「JOBマッチングコース(特定職種マッチング)」「研究所コース」が用意されており、それぞれ選考プロセスに若干の違いがあります​。ここでは一般的な文系・技術系学生が応募するソリューションエンジニア/ビジネスプロデューサーコースのフローを中心に説明します。


選考フロー概要: エントリーは通常、大学3年・修士1年の冬~春にかけて数回の募集締切が設定されます(例えば2024年卒では1月中旬にエントリーシート提出〆切、第1回選考開始、追加募集は4月・5月にも実施)​。応募者はまずエントリーシート(ES)とWeb適性検査を提出・受検し、その通過者に対して複数回の面接が行われ、最終面接合格者に内々定が出されます​。基本的なフローは以下のとおりです。

  1. エントリーシート提出 – 志望動機や学生時代の経験などを400字程度で記入する設問が複数あります​

  1. Webテスト(玉手箱)受検 – 言語・非言語・英語の適性検査や性格検査が課されます​。

  1. 一次面接 – 面接官は現場社員(複数名)で、応募者1人に対しパネル形式で行われます。所要30~45分程度で、エントリーシートに書いた内容の深掘りが中心です​。

  1. 二次面接 – 面接官1名(人事または現場管理職)と応募者1名の個別面接です。所要30分程度で、一次面接同様に学生時代の経験や自己PR、志望理由を問われます​。

  1. 最終面接 – 面接官は人事部門の部長クラスまたは役員クラス1名で、応募者1名との個別面接です。所要40~60分ほどで、ここでは志望動機がメインになります​。

  1. 内々定連絡 – 最終面接後、合格者には内々定(正式内定前の意思確認)として電話やメールで連絡が来ます。例年、富士通は経団連ルールに準じ6月頃に正式内定を出しますが、選考自体はそれ以前の春に完了します。例えば2024卒の場合、ES締切1月→面接2〜3月→内々定4月下旬〜5月といったスケジュールでした​。

(注:コースによってはフローが異なります。JOBマッチングコースや研究所コースでは2回面接(マッチング面接+最終)で終了する形となっており​、専門スキルや研究内容のマッチ度合いを見る選考になります。また学校推薦応募の場合はプロセス簡略化や面接回数減の可能性もあります。自分が受けるコースの公式情報を必ず確認してください。)


選考スケジュールのポイント: 富士通は上述の通り複数回エントリー機会がありますが、早期の締切回で応募した方が有利とも言われます。早期回で満席になれば後ろの回での採用数が減る可能性があるためです。Webテスト(玉手箱)は締切直後の限られた期間内に自宅PCで受検しますので、事前に問題集などで対策をしておきましょう。面接は基本オンライン(Zoom等)で実施されますが、最終面接は対面で行われる場合もあります。スケジュール調整の際は学業日程と被らないよう注意し、柔軟に対応できる時間帯を確保しておくことが大切です。

選考対策:企業理解と実践的ポイント

1. 企業研究と志望動機の準備: 富士通の選考全般を通じて重視されるのは**「納得感のある志望動機」です​。採用人数が多い分、ミスマッチによる内定辞退を防ぎたいという企業側の思いも強く、「なぜ富士通か」「富士通で何を実現したいか」に対する受験者の熱意と論理性が厳しく問われます​。従って、単に「大手だから」「安定していそうだから」ではない具体的な志望理由を用意しましょう。例えば富士通のどの事業領域に関心があり、そこで自分のどんな強みを活かして社会に貢献したいのか、まで踏み込んで語れると説得力が増します。「御社の○○という取り組みに共感した」「△△分野の強みに魅力を感じ、自分もそこで成長したい」等、企業研究の成果を織り交ぜることが大切です。実際に内定者からは「富士通の掲げるパーパス(目的)や社会課題解決への姿勢に共鳴したことを熱く語った」という声もあり、富士通の価値観と自身のビジョンの一致を示すことが高評価につながります。企業理解のためには公式HPのIR資料やニュースリリース**(例えば富士通のDX事例紹介等)を読み、富士通が今後力を入れる領域について把握しておくと良いでしょう。加えて競合他社(NECやNTTデータなど)との違いも把握しておくと、「なぜ他社ではなく富士通か」を答える助けになります。


2. エントリーシート(ES)対策: 富士通のES設問は毎年多少変わりますが、概ね**「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」「志望動機」、そして「業界やITに関する関心事」などを問うものが出題されます​。たとえば過去には「現在力を入れて取り組んでいることを記入してください(400字程度)」「インターン志望動機(400字)」、さらに「コロナ禍で小売業が行ったITを活用したサービスで関心・感動したものを理由と共に教えてください(400字)」といった具体的な設問がありました​。これらから分かるように、富士通は応募者の論理的思考力や課題発見力**、そしてIT業界へのアンテナを見ています。ESを書く際のポイントは以下の通りです:


  • ガクチカ: 問題解決のプロセスを重視して記述します。富士通の求める人材像として「問題解決に向けた論理的思考力」が挙げられているので​。

  • 志望動機(および当社でしたいこと): 上記のとおり、富士通でなければならない理由を明確に伝えることが肝心です。志望動機欄では、業界や富士通の課題に感じることを踏まえつつ、「自分は○○の強みを活かして富士通で△△に挑戦したい」「富士通の□□というビジョンに共感し、自分もその実現に貢献したい」といった熱意と具体性を両立させた内容が望ましいです。富士通公式の求める人材像3点目にも「納得感のある志望動機がある」と明記されているほどで​。

  • 時事・業界設問への対応: 年度によっては上記のようにIT業界のトピックに関する意見を聞く設問(例:「あなたが関心を持つ○○業界のIT活用事例と所感」)が出ます。この対策として、日頃からIT×業界のニュースをチェックしておきましょう。富士通の事業に関連深い政府のデジタル施策(デジタル庁の動き、マイナンバーなど)、AIやクラウドの最新動向、競合他社のニュース(NECの○○事業参入等)などを把握して、自分の考えを持つ訓練をします。ESでは結論ファーストで端的に書き、理由を論理立てて述べるよう心がけます。たとえば上記小売業の例では「○○というサービスに感心した。理由は~で、それにより△△の課題が解決され消費者に◎◎な価値をもたらしたためだ」という形で簡潔にまとめます。論点がズレないよう質問趣旨を捉えることも重要です。

ES提出前に、自分の書いた回答を第三者に読んでもらいチェックするのも有効です。特に論理の飛躍やわかりにくい表現がないか、志望動機に曖昧さはないかなどを確認しましょう。富士通のES通過率はそれほど低くないと言われますが、内容不備や熱意不足だと足切りされる可能性はあります。しっかり企業理解を深めたうえで、自分の言葉で書き上げることが大切です。

3. Webテスト対策: 富士通のWebテスト「玉手箱」は言語・計数推理・英語の3科目(+性格検査)で構成されます。時間制限が厳しく、短時間で正確に解く訓練が必要です。市販の玉手箱対策問題集や過去問サイトを活用し、何度か模擬練習をしておきましょう。特に計数分野(図表読み取りや計算)はスピード勝負なので、問題パターンに慣れておくと安心です。なお性格検査は一貫性を重視して正直に答えます。基本的にWebテストは足切り目的で使われるため、一定の基準点をクリアすればその後はES・面接評価が重視されます。極端に出来が悪いとESが良くても通過できない恐れがあるので油断せず対策しましょう。

4. 面接対策(全般): 富士通の面接では、エントリーシート記載内容の真偽確認・深掘りと、人柄・能力の評価が行われます。質問自体はオーソドックスなものが多いですが、回答の深さと論理性、熱意が見られています。いずれの面接でも共通する対策ポイントは以下です:

  • 自己紹介・自己PRを簡潔に準備: 面接冒頭で「簡単に自己紹介してください」「自己PRをお願いします」と求められることがあります。1分程度で自分の強みや学生時代の取り組みをまとめて話せるよう練習しましょう。富士通で活かせる強み(論理的思考力や巻き込み力など​。

  • 深掘り想定質問への対応: ガクチカやプロジェクト経験については、面接官が興味を持てば細かく質問してきます。「なぜそう判断したのか?」「その時なぜそう感じたのか?」とWhyを重ねて聞かれても一貫して答えられるよう、エピソードの因果関係を整理しておきます。​

  • 富士通志望度の表現: 各面接で必ずと言っていいほど志望理由が聞かれますし、他社の選考状況や志望度についても尋ねられます​。

  • 逆質問の用意: 特に最終面接では逆質問の時間が長く取られる場合があります​。

5. 面接ごとの対策ポイント:

  • 一次面接: 学生1人に対し面接官複数で少し緊張感があるかもしれませんが、選考体験談によれば和やかな雰囲気だったとの声もあります。ここではESの内容確認が主ですので、ESに書いたことはすべて具体的に話せるよう準備します。突飛な質問は少ないですが、「他社のインターン参加状況」なども聞かれることがあるので​。

  • 二次面接: 一次より踏み込んだ質問が出やすく、「学生時代に最も苦労したことは?それをどう克服した?」「あなたの弱みは?それをどう補っている?」など自己分析系の質問も来る可能性があります。自分の長所短所、価値観などを予め整理しておき、エピソードを交えて答えられるようにしましょう。富士通で成し遂げたいこと=キャリアビジョンもこの段階までに固めておきます。また「富士通を知ったきっかけ」など雑談的な質問もあるので​。

  • 最終面接: ここは事実上の意思確認+役員面談に近く、深刻な問題がなければ通過すると言われます。しかし気を抜かず、引き続き志望意欲を強く示しましょう。志望動機に関する質問が中心ですが、「入社後にやりたい具体的な業務は?」「将来の夢は?」など長期的視点の質問が来ることもあります。自分なりのキャリアプランを語りつつ、富士通で成長したいという前向きさを伝えます。また他社状況について「他に内定が出たらどうする?」と詰められる可能性もあります。その際も「御社が第一志望です。他社から内定を頂いても御社に入社したいと考えています」と即答できるようにしましょう(本当にそう思っているなら、ですが)。逆質問では自分の入社意欲を裏付けるような質問をし、最後に「本日はありがとうございました。ぜひ御社で働く機会を頂ければ幸いです。」としっかり意思表明して締めくくってください。

6. グループディスカッション(GD)対策: 富士通では近年、インターンシップ選考の中でグループディスカッション(正確にはチームでの課題ワーク)を行うことが多く、本選考では明示的なGDがない年もあります。しかし年度によっては早期選考や一部コースでGDが課される可能性もあります。過去のGD体験談を見ると、テーマは社会やビジネスの課題解決系が頻出しています。例えば「IT技術を用いて医療または教育分野の課題を解決する方法を考えよ」といったお題​や、「コロナ後の消費者ニーズ変化を踏まえた小売業への新規提案」(インターン課題)​、「地域活性化のために自治体と企業どちらを支援すべきか議論せよ」​などです。これらは正解が一つでない課題なので、与えられた時間内にチームで協力し結論をまとめるプロセスが評価されます。


GDでのポイントは、富士通の求める人物像にもある論理的思考プロジェクトマネジメント(巻き込み)力を発揮することです。
具体的には:

  • 役割の自発的担当: グループ内で進行役(リーダー)やタイムキーパー、記録係などを率先して引き受ける姿勢を見せると良いでしょう。ただし無理にリーダーになる必要はありません。自分が得意なポジションで貢献すれば評価されます。富士通は人を巻き込む力を重視するので、周囲の意見を引き出したり議論を整理したりといったファシリテーションを意識すると好印象です。

  • 課題分析と提案の論理性: 限られた時間で論点を整理し、MECEを意識してアイデア出し・まとめを行いましょう​。

  • チームへの貢献姿勢: 誰かが発言していないなら振ってあげる、意見がぶつかったら仲裁する、といった協調性を示しましょう。相手を否定から入らず、「それも一理ありますね。加えて~という視点も考えられると思います」など柔らかい物言いを心がけます。富士通は穏やかな社風とも言われますので、攻撃的なリーダーシップより和を以て進める協働性が評価されるはずです。

  • 時間管理と結論導出: 議論が迷走しないよう適宜「今○分経過しました。残りで結論をまとめましょう」といった声かけをすると良いでしょう。最後にグループとして何らかの結論や方針をまとめ、発表者がいる場合はポイントを整理して共有します。結論の内容それ自体より、皆で役割分担し論理的にアウトプットをまとめたプロセスに評価軸があります。落ち着いて取り組み、全員が発言できる雰囲気を作ることができれば高評価に繋がります。

GD対策として、大学の就職支援課や民間就活セミナーで模擬GDに参加しておくのがおすすめです。本番で初めてだと緊張しますので、一度場馴れしておくと良いでしょう。テーマについても社会問題や最新ITトレンドを日頃からキャッチアップして自分なりの考えを持つ習慣が活きてきます。

7. 内定者の体験談から学ぶポイント: 最後に、富士通の内定者・社員の声から選考攻略のヒントをまとめます。

  • チームワーク志向をPR: 「富士通は人柄を見ている。自分本位でなく周囲と協力して物事を進められる人かをチェックしている」との声があります。面接でも「周りを巻き込んで苦境を乗り越えた経験」を話したところ評価が高かったという内定者談があります。したがって、**協調性やリーダーシップ(周囲への働きかけ)**を示すエピソードを用意し、それを論理的に説明できれば鬼に金棒です。

  • 論理的思考力のアピール: 「質問に対し的確に答え、結論と根拠をはっきり述べるよう心がけた」との振り返りもありました。富士通は面接においても論理的に端的に答える力を評価しています​。

  • 富士通の強み・事業理解: 内定者からは「面接官との会話で富士通の事業について深く語り合えた」「自分なりに調べた富士通の課題を述べ、それにどう貢献したいかを話したら評価された」という声もあります。富士通とその競合の強み・弱みを理解していると伝われば、企業研究の深さがアピールできます​。

  • 誠実さ・人間性: 社員口コミサイトなどを見ると「穏やかで真面目な社員が多い」という富士通の社風が語られています。選考でも奇をてらった人より誠実でまじめな人柄が好まれる傾向があります。面接官への態度や言葉遣い、質問に対する素直さなど基本的な部分がおろそかにならないようにしましょう。圧迫面接は基本ありませんが、万一意地悪な質問が来ても落ち着いて冷静に対処する大人の対応力も評価対象です。

以上、富士通の選考対策を総合的に整理しました。要諦は「論理力」と「協調性・熱意」をバランスよく示すことにあります。富士通が求める人材像である問題解決力・プロジェクトマネジメント力・高い志望動機​を念頭に置き、自己PRから志望理由まで一貫したストーリーで伝えましょう。富士通は日本を代表する大企業でありながら変革に挑むタイミングでもあります。その中で「自分も一緒に新しい富士通を創りたい!」という情熱を持った学生こそ、きっと内定を勝ち取れるはずです。


最後に、選考スケジュールは年度により変動しますので最新の採用公式ページや就活サイトで日程を確認してください。面接対策は繰り返しの練習が重要です。模擬面接や友人とのQ&A練習を重ね、自信を持って本番に臨みましょう。健闘を祈ります!

参考資料(一部):

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