RapidBout とコスト論
どうもこんにちは。 Rapid Bout というゲームを制作しております、創鍵です。先日のゲームマーケットではご好評いただき、誠にありがとうございます。次回は冬コミ (C103 土 東5 ホ51a) にて出展予定ですので、そちらもよろしくお願いします。
今回は Rapid Bout というゲームのコスト論についてお話していきます。
コスト論を知ることで「パワーが高い」カードと「通りがいい」カードを分けて考えることができ、よりロジカルな構築に役立ちます。
マナレシオとは?
本題に入る前に、まずは一般的なTCGにおけるコスト論について見ていきましょう。
MTG Wiki によると、次のような記載がされています。
このように、マナレシオとはマナによって使えるリソースが線形に増加していくゲームのコスト論となります。
ただし、マナコストが低すぎるカードは手札の消費が激しかったり、逆に高すぎるとプレイしたところでゲームが終盤……となってしまうので、それに見合った調整がなされることもあります。
Rapid Bout のルール
Rapid Bout では、カードをプレイする際には「プレイ権」のみが設定されており、マナコストのような共通のコストが存在しないためマナレシオを定義することが困難です。
Rapid Bout とコスト論
しかし、マナがないからといってコスト論が定義できないというわけではありません。まずは、基本的なパワーについて見ていきましょう。
バニラ
Rapid Bout におけるバニラ (効果がない) カードのパワーは色に関わらず4点に固定されています。この数値は、仮に妨害がなければ先攻3ターン目に決着ができるラインとして定義されています。
高打点
そして、 Rapid Bout では手札1枚を2点分の攻撃力として計算しています。
まずは手札を攻撃力に変換できるカードについて見ていきましょう。
こちらも準バニラ相当のカードで、手札を1枚山札の下に送ることで+2の攻撃力を得ることができます。
Rapid Bout には墓地に相当するゾーンがないため、手札コストは基本的に山札の下に送ります。
またこちらは、計算通り手札を2枚コストにすれば8点を出すことができる。というカードになります。
Rapid Bout では、1枚あたりの攻撃力が高いほど除去に弱くなるため、基本的には高打点のカードも強めに作っていくのですが、こちらは1ターンに出せる最大打点が16点と高く、ワンショットに寄りすぎてしまったため制約が付与されています。
基本的には5~6点まではコスト相当~強めにデザインされますが、7点以上 (3手でゲームを終わらせられる性能) については追加のコストや制約が付与されます。
ドローソース
逆に攻撃力を下げて手札を増やすカードについても見ていきましょう。
キャントリップを持つ最も基本的なカードです。
こちらは手札が1枚増える代わりに、バニラよりも攻撃力が-2の修正を受けていますね。
さらに打点を下げることによって手札を+2することができました。
ちなみに、「まんた」と「当たりバーン」を使うことで2枚プレイ・手札2枚消費から8点を形成でき、バニラを2回プレイするのに近い動きを作ることができます。
先ほど話した通り、1枚で高い打点を形成すると除去に弱くなってしまうのですが、「まんた」→「まんた」と動いて、次のターンに「当たりバーン」を2回使えば、除去が効かない打点を実質的に保存することができます。
各デッキの動きとコスト論
スタートデッキ - 赤
構築済みデッキそのままのリストを利用した場合、「運命の戦い」の期待値は4.15となっています。「運命の戦い」にはそもそも素点が1点あるため、かなりバグった出力といえます。
また、「「推活」ペンライトニング」も1点のカードをコストにした場合、ノーコスト6点のカードとなり、こちらもかなり出力が高めに設定されています。
スタートデッキ - 青
「やどかり」「おうむがい」のコンボではプレイ権を消費せずに5点を生成できます。しかし、実質的には手札コストを2枚消費しているため、「まんた」と合わせて1枚プレイ・手札1枚で5点のコンボとして換算できます。
切り札としてはそこまで高い打点ではありませんが、手札に抱えられるメリット込みで評価しています。
スタートデッキ - 緑
緑のカードは基本的に2点に手札1枚相当の効果がついているデザインがベースとなっているため、コスト論的には適正なものが多くなっています。
しかし、切り札の「貫手」だけはノーコストで8点を形成できるため、出力差をカバーすることができる形になっています。
スタートデッキ - 黒
Rapid Bout のハンデスは基本的に弱めにデザインされています。
当初のデザイン案では、0点でピーピングハンデスや2点でランダムハンデスをするものとなっていましたが、手札消費の激しいコンセプトに対して刺さりすぎることから「裏向きで置く」ことによる実質的なハンデスへと変更されました。(※裏向きで置かれたカードは2点として扱われます)
「蛇の道」では、3点のカード効果でハンデスを行っているため、攻撃力換算が2点だと思われがちですが、相手も2点形成されているため実際には3点換算となっています。
また、切り札の「双つ鋼」はノーコスト5点のフィニッシャーでありながら、自分の3点のカードを使い回すことによって、2コスト1ドローの適正コストリソースカードとしても運用できるように設計されています。
まとめ
Rapid Bout では手札1枚が攻撃力2点に相当し、最速先攻3killまでを基準としています。
特に赤にはカードパワーが高いカードが多いため、グッドスタッフデッキを組む際にはぜひ注目してみてください。
今後のカードデザインでもこの基準は保っていくつもりですので、もしコスト論が上振れたカードを見つけたら、ぜひデッキを組んでみてください。