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別人になったあの日 〜プレママ向け雑誌掲載の思い出
それは娘を出産して2年ほど経った頃のこと。
私が経験した病気と不妊治療についてのエピソードを、プレママ・子育て雑誌で取り上げてもらったことがありました。
少しでも読者の誰かの力になれればと思い、ありのままの気持ちを込めて書いた原稿。採用されると聞いたときは、思わず心の中で「やった〜!」と叫びました。
雑誌が届く日、ドキドキしながらページをめくると……そこには、誰?
いや、確かに「私」なのですが、どこからどう見てもポップでキラキラした女性が、明るく手を振っているような文章になっていました(笑)。
病気なんて怖くないっ!!
どんな困難も笑顔で乗り越えよう\(^o^)/
といったメッセージがページ全体から飛び出してきそうな勢い。
思わず「いやいや、これ私じゃないでしょ!?」とツッコミを入れてしまいました。
もちろん、雑誌のライターさんに悪気はありません。それどころか、読者を励ましたり元気を届けるために一生懸命アレンジを加えてくださったのでしょう。それでも、あまりに別人のような「私」に戸惑ったのも事実です。
でも、今ではそれも笑い話。
当時の私はどちらかといえばネガティブな人間だったのですが、あの雑誌の“別人の私”は、今の私にピッタリのキャラ。
ライターさん、先見の明があったんじゃないかと思うほどです( ´艸`)
当時、その記事を読んだ同じ病気を治療中の読者の方から出版社に連絡をいただき、電話でお話しする機会が何度かありました。
お悩みを傾聴したり、共感したり。話したことで前向きになられる姿を共有できたことは、私にとってとても貴重な経験になりました。
のちに心理セラピストになった私の原点とも思えるほどです。
今の時代なら、SNSなどでもっと簡単に繋がれますが、雑誌を通じて全く知らない人と出会い、交流が生まれるあのアナログな形が、なんだか温かく感じます。
「ある意味、よい時代だったなぁ」と懐かしく思うのです。
雑誌掲載の経験は私にとって、小さなハプニングと温かい思い出が詰まった大切な出来事でした。
その雑誌では他のことでも取り上げてもらったことがあります。引っ越しを繰り返すうちに掲載本は無くしていまいましたが、楽しい思い出となっています。