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財務省・金融庁のカラクリと仕事がわかる本 ポケット図解 秋山 謙一郎

財務省と金融庁のご先祖「大蔵省」!!


我が国の財政、金融を扱うお役所として長らく存在したのが「大蔵省」です。
この大蔵省が現在の財務省と金融庁のルーツとなっています。
大蔵省の名称は1300年も前から用いられていました。

「大蔵省」の名は奈良時代の昔に遡る!
この「大蔵省」の名は、古くは奈良時代、大宝律令※の昔まで遡ります。
律令の二官八省※の中の「大蔵省」がそれです。

※大宝律令
8世紀初頭に作られた我が国の法律。
「律」は刑法、「令」は律以外の法令となり、主に行政法にあたる。
 大宝律令は天皇を中心とした官僚機構となっている。

※二官八省
二官とは神祇官 (じんぎかん) と太政官 (だいじようかん) 。
八省は太政官所属の左弁官の中務 (なかつかさ) ・式部・治部・民部の4省と、右弁官の兵部 (ひようぶ) ・刑部 (ぎようぶ) ・大蔵・宮内の4省をいう。


事務次官 財務官僚のトップ


財務事務次官は、財務大臣を補佐し、事務を監督する役職で、行政官僚のトップといわれる役職です。
実質的に、財務省を取り仕切る役職であるため、企業で言えば「社長」にあたるポストと言われます。

財務事務次官とは財務省の「社長」なのだ!
事務次官は、財務省の実質的なトップと言われます。
大臣を助け、省務を整理し、各部局及び機関の事務を監督するのが事務次官の役割です。
公務員が任命される役職の中では、最高位になります。
国家のキホンとなる財政、予算を行政官として預かる財務事務次官は大変な激務であるとされています。

なんでトップなのに「次官」なの?
あくまでも事務次官とは、事務方(=行政)のトップであり、財務省のトップは大臣であるためです。
その大臣を事務方の立場から補佐する役職という意味で「次官」となっています。

財務省という会社の社長「事務次官」!!
財務省のお役人のトップが事務次官

全国にある「財務省本省」「税務局」「税関」などの省務を整理、監督

国民の付託を受けた大臣を補佐して財務行政を取り仕切ること!!


財務省や金融庁で働くにはどうしたらいい?


財務省や金融庁で働くには、国家公務員採用試験に合格して、それぞれの省庁で採用されるのが基本となる。
行政職のほか、システム系を扱う技術系の職員の採用もあるようです。

国家公務員試験に合格して財務省や金融庁に入るには?
この国家公務員試験に合格すると「国家公務員になれる資格を持った人」となれます。
その上で、財務省や金融庁から採用させる必要があります。
そのため、各省庁ごとに独自の「業務説明会」も多々行われているというわけです。


いまさら聞けない「ミスター円」って何した人?


バブル景気が崩壊した90年代、この不況を脱するため円安誘導に躍起となっていました。
こうした円安誘導政策でリーダーシップを発揮したのが「ミスター円」こと榊原英資元財務官です。

そもそもよく聞く「ミスター円」ってどういう意味なの?
厳密には「ミスター円安」という意味になります。
95年当時、ドルは一時、79円という安値をつけました。
このとき我が国の通貨当局である大蔵省(当時)の国際部門の責任者が、ドル高、円安へと誘導したことから、
そう言われるようになりました。

プラザ合意以降とまらぬドル安から〜「ミスター円」の誕生
85年、当時のアメリカは「双子の赤字」と言われる貿易・財政とともに赤字が並存していました。
こうした経済状況を考えると、この頃のドル価格は、その実態と通貨(ドル)の価格がかけ離れていることから、ドルを安くするのが望ましいという話し合いが持たれました。
これが俗にいう「プラザ合意」です。
プラザ合意により、84年末には250円をつけていたドルは、85年末には200円まで下落します。
ところがプラザ合意から10年後の95年、今度は一転、著しいドル安となります。
当局による調整が、思惑以上に通貨安に拍車を掛けたことによります。
最安値となる79円をつけたのもこの95年のことです。
このとき大蔵省(当時)国際局長として、ドル高・円安へと誘導したのが榊原英資さんです。
以来、マスコミや為替ディーラーから「ミスター円」の愛称で呼ばれたのです。

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