【毎日短編台本-2月22日】 かわいい我が家 (3人劇)

基本情報

タイトル-かわいい我が家
作-臼井智希
ジャンル-家族、童話風(?)
目安時間-5分
登場人物
少女　非常に幼い。
家　　少女と母の暮らす家そのもの。
母　　少女の母。

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本編

家の中、子供部屋にいる少女。

少女　ねーねー
家　　なぁに？
少女　お腹すいた！
家　　そうなの？何食べたいの？
少女　甘いの！
家　　チョコとか？
少女　んー
家　　違う？
少女　違う！
家　　あらあら
少女　もっとたくさん食べるの！
家　　ケーキ？
少女　パンケーキ！
家　　ホットケーキ
少女　パンケーキ！
家　　なにが違うの？
少女　わかんない！
家　　そう。じゃあほら！パンポロぴろぴろりーん！

少女の母、パンケーキを持って入ってくる。

母　　パンケーキを焼いたんだけど、食べる？
少女　食べるー！
母　　あら、そんなに喜ばれるとびっくりだわ
少女　ちょうどいま食べたかったの！
母　　そうだったの
少女　うん！ありがとう！

母、退場。少女、食べ始める。

家　　よかったね
少女　うん！これもお家のお陰だね
家　　お母さんのおかげだよ
少女　確かに！
家　　でも僕のおかげでもあるよ
少女　そうなの？
家　　うん。おうちがなければ君もお母さんも暮らせないし、お母さんはパンケーキ作れないからね
少女　そうだね！......なんだか、眠くなってきたなぁ
家　　あれあれ、食べ終わってないのに？
少女　うん、なんだか、もう眠いぃ〜
家　　そっかそっか。じゃあおやすみだね。パンポロぴろぴろりーん！
少女　うん
家　　おやすみ。

少女、眠る。暗くなっていく。

家　　ねんねん、ころりよ。おころりよ。お嬢は良い子だ、寝んねしな。

真っ暗になる。少女、ハケ。

少女　なんでわかってくれないの！？
母　　なんでそんな言い方するの！？私は
少女　もういい！お母さんなんて嫌い！
母　　ちょっと..!

少女、入ってくる。バタンと扉を閉じる。

少女　もうやだ！
家　　あららどうしたの？
少女　ぜんぜんわかってくれない！
家　　なにが？
少女　お母さん、私の話聞いてくれない！もういや！
家　　...いや？
少女　え？
家　　お母さん、いや？
少女　いや！
家　　......そっか。パンポロぴろぴろりーん

扉が開き、母が出てくる。

少女　あっちいって！
母　　ごめんね
少女　え？
母　　私、出て行くから。
少女　え？
母　　バイバイ

母、出て行く。その後、家全体の戸が閉まる重々しい音。

少女　え、お母さん...
家　　君の嫌な人はいなくなったよ。ここはまた、君の望む家だ。
少女　やだ！
家　　なにが？
少女　お母さんいないのやだ！
家　　お母さんが嫌なんじゃないの？
少女　お母さんいないのやだ！お母さんいて！
家　　もう、僕にはどうしようもないよ
少女　なんで！？お前がお母さんを追い出したんでしょ！
家　　君が望んだから...それに、僕は家だ。家の中のことは全て決められるけど、一度出られてしまってはもうどうしようも
少女　なに言ってるのかわかんない！やだ！お母さんいて！
家　　それは出来ないんだよ、出来ないんだよ。ごめんね
少女　やだ！そんな家やだ！お母さんのいない家なんていらない！
家　　......バイバイ。

家、崩れ落ちる。その中から一人、少女が出てくる。
終幕。

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