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【毎日短編台本-2月27日】 季節外れの (1人劇)


基本情報

タイトル-季節外れの
作-臼井智希
ジャンル-オカルト、会話劇、1人劇
目安時間-5分
登場人物-少女


本編

早朝、高校の教室に1人の少女。本を読んでいる。外は雨が降っており、6月。梅雨の真っ最中である。
少女はあなたに声をかける。

少女「おはようございます、朝早いんですね。......はい、朝早くの教室って、誰もいないから。ひとりでゆっくり読書をするにはとても良い環境なんですよ。...あ、いえ、全然。お気になさらないでください。...雨、凄いですね。あなたが来た時も?...大変ですね。...私ですか?私が来た時はまだ降っていませんでしたから。......え、昨日の夜からずっと降ってる..?そうでしたっけ...たまたま、止んでいる時に来れたのかもしれませんね。...6月ですからね。梅雨。...好きですよ。雨。雨の音って、なんだか落ち着きませんか?...はい。あぁ、もちろんザーザーは困りますけれど...でも、このくらいなら。これから蒸し暑くなってくると思うと、少し気が重いです...好きなんですか?夏。私はどうにも苦手で。服が肌に張り付くのも、陽が眩しいのも、あんまり。溶けちゃいそう。...好きな季節...そうですね、冬が好きです。......静かだからでしょうか。雪が好きなんです。冬っていうか、雪。雪って、音を喰むんですよ。だから、たくさん雪が降ると、本当に音がしなくなるんです。すっごく静かになるんです。それが、懐かしい気がして。好きなんです。落ち着く。...苦手ですか?雪。あはは、確かに。寒いですもんね。でも、今も寒いですよ、意外と。」

雨の音が少しずつ消えていく。

少女「季節としては梅雨、初夏とか、そういう感じだと思いますけど。ね、意外と寒くないですか?雨、ずっと降ってますからね。あら、少し震えて...大丈夫ですか?あっすいません。手、冷たかったですよね。」

雨の音、完全に消え無音になる。

少女「...わたしですか?さぁ、どうだったでしょう」

終幕。


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