部活動で学んだ"物事の捉え方"
4月中旬、歴史ある全中・インターハイが新型コロナウイルスの影響で中止というニュースが流れ、この発表を受けて多くの方が言及され、中高生に励ましの言葉などを発信されました。
私自身、中学・高校時代は全中やインターハイでの活躍を目標に、それに向けて各3年間を過ごしたと言っても過言ではないくらい大きな存在の大会だったので、その目標としていた大会が無くなったとしたら…と考えたら、正直何と声をかけて良いのか分かりませんでした。中高生それぞれ、大会に対する思いや考え方、置かれた状況(今年度で競技を引退するか否かなど)によって今回の全中・インターハイ中止の捉え方は異なると思ったからです。
ただ、だからといって、何もせずにはいられませんでした。何かできることはないか。そう考えていた時、所属しているチームのTWOLAPS TCのメンバーも同じ思いを持っていることを知り、個別相談会を行おう!ということになりました。私たちにできることは、それぞれのお話しを聞き、寄り添うことではないか。という考えに至り、行わせて頂きました。
個別相談会では中学生から高校の教員の方まで幅広い方とお話しをさせて頂きました。私自身、まだまだ未熟でアドバイスなどできる立場ではありませんが、お話しをさせて頂く中で何かの“きっかけ”になれたらと思い行わせて頂きました。
中学生の時に初めて経験したスランプ。そして、それを乗り越えるきっかけとなった恩師からの言葉。
相談会では、まだ外出自粛期間だった事もあり“メンタル面”について色々とご質問を頂くことが多かったのですが、その際、何かのヒントになったらと思い、私が中学生時代に部活動で経験した人生で初めてのスランプと、その時に学んだことをお話しさせて頂きました。
私の人生初のスランプ。それは中学二年生の時に経験したスポーツ性貧血でした。中学で陸上部に入部し、当初から中距離を中心に走っていました。大会でも比較的順調に自己ベストを更新できていたのですが、突如中学2年生の夏あたりから、それまでこなせていた練習がきつく感じるようになり練習でもレースでも思うように走れなくなったのです。初めての経験で、その時は気持ちの問題だと思い、何で私だけ走れないんだ...と自分で自分を責める日々が続きました。そんな姿を見た陸上部の顧問の先生から血液検査を進められ、病院で検査を受けると、スポーツ性貧血だという事が分かりました。
原因は分かったものの、すぐに良くなるものでもないので、それまでのどんよりとした気持ちのまま顧問の先生に診断結果の報告にいきました。すると先生はそんな私の姿を見かねて、
「一人だけ平地で高地練習(低酸素下での練習)できてると思えばいい。治ったらその分楽に思うように走れるようになるよ」
という言葉をかけてくださったのです。その言葉に私はハッとさせられました。それまで、貧血で思うように走れずマイナスな事ばかり考えていたのが、むしろプラスに捉えられる事ができると気付かされたのです。物事の“事実“は変わらなくても、その"捉え方"は自分自身で変えられると学んだ瞬間でした。それからは、気持ちも楽になり、むしろ今できる事を一生懸命やっていれば治った時楽しみだなと前向きに考えられるようになりました。捉え方次第でこんなにも変われるものなのかと驚いたのを覚えています。顧問の先生から頂いた言葉のおかげで、症状が改善されてからは思うように走れるようになり、記録も向上し、800mと1500mで当時の東京都中学記録を更新する事ができました。
何か自分にとって障壁となる事があったとしても、自分でどのように"意味付け"をするかが大切。そんな事を学んだ経験でした。
「第二の矢を受けず」
仏教にはこのような言葉があります。たとえ一矢に打たれた(困難な事や不幸にあった)としても、そこでどうするか、どう考えるかで、第二の矢を受けるか(不幸だと自分で思い込んで更に深傷を負うか)そうで無いかの二つに分かれるというもので、第二の矢は自らが作り出してしまうものだから、その第二の矢を受けないようにする自分の心構えが大切だという意味が込められています。
まさに、コロナウイルスの影響で全中やインターハイが無くなってしまった今の状況は一矢を打たれた状況と言えます。しかし、そこでただただ悔いても第二の矢を受けることにしかなりません。
少しでも前を向くきっかけになってほしい。そんな思いで、個別相談会を経て、バーチャレを企画させて頂きました。
バーチャレは、全中やインターハイに向けて取り組んでこられた選手だけではなく、目標に向かって選手と一緒に取り組んできたマネージャーさん、応援してくださる顧問の先生、そして、いつもそばで見守ってくれる保護者の方々など、皆で作り上げる真の全国大会を目指し、「記録を記憶に残す夏」をコンセプトに掲げられたバーチャルでの大会です。本来開催されるはずであった全中やインターハイのように沢山の方の“記憶”に残る大会になったらと思います。
前を向くきっかけは何であっても良いと思います。私が顧問の先生から頂いた言葉で救われたように、バーチャレが前を向くきっかけになってくれたら嬉しいです。また、全中やインターハイが無くなってしまった事実の"捉え方"を変えるきっかけにもなってくれたらと思います。物事の"捉え方"を学ぶのも、部活動の中の一つの大きな意味なのではないかと思います。
本日(7月20日)からバーチャレエントリー開始です!エントリーをお待ちしております!
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