The Great Battle Of students
「こりゃあ、戦術もクソもないなぁ。」
小田は嘆く。
「敵がこーんなにも崩れてたら、赤子の手を捻ってちぎり取るくらいでやれちゃうよマジで。」
小田は愚痴る。
「別に戦いが好きってわけじゃないけどさー、久しぶりなんだからもっと張り合いがある方が良かったなー、私は。この戦いの意義が大きい事はわかってるけど。」
小田は喚く。
そのわりにはしっかりと周りを見てるじゃないか。
玲穣の奴らもバカじゃない。
大将である俺らをしっかりと狙ってきている。
そして小田はそれを余さず見抜き、殲滅している。
お前の嘆きはお前にしかできんぞ。
まぁ、でもその退屈もここまでみたいだ。
俺の位置からは見えるんだ。
サポートを主とする俺の兵はあらゆる場に散らばっている。
そいつらからも報告が入ってる。
猛華が来てる。
すぐそこにいる冨樫も。
そして反対側の門に軍を敷いていた堀北までも。
こんなあからさまにも共闘をするか。
やはり松田が言ってた通り、猛華と玲穣には何かしらの関係がありそうだな。冨樫と菊池あたり。
しょうがない。このままだと背後を取られる。
猛華は捨てろ、って言ってたけどそうもいかないな。
俺は咲良の元は走る。
「咲良。玲穣は任せた。俺は背後を突こうとしてる堀北にあたる。死ぬんじゃないぞ。」
それだけ。これだけで咲良には伝わる。
聡明だから。
咲良の声が低くなる。
「堀北は西門に陣取ってた兵も吸収して来てる。想定より多いよ。宏樹は敵の右翼を狙って。左翼はそこまで狙わなくていい。右を崩せばそう難しくない。いけるよね。」
「いけるだろうよ。任せろ。」
「細かい事も状況次第だから任せるよ。適宜対応して戦って。」
「わかった。じゃあ最後に一つ。そこまで信頼していい相手かい。アイツは。」
「私の知る限りでは。あの子は空気が読めるのよ。あの軍の中ではね。」
「咲良が言うなら信じよう。じゃあ行ってくる。」
「グッパイ」
話は終わり。
では、そろそろ行こうか。
長引かせても意味がないしな。
改めて、
堀北。
悪いが俺はお前より強いぞ。
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