The Great Battle of students

敵軍、総勢12万。
板橋城は完全に包囲された。

我々は今、かなりまずい状態にある。
まず第一に板橋城にいる軍は総勢5万弱。
そのうちのほとんどが尾上さんの軍だ。
我が軍はせいぜい2000人。主力はほとんど別の城に置いてきている。
敵と俺たちに圧倒的な兵力差が生まれてしまっていた。

そのため板橋城はこれから籠城態勢に入る。
籠城であれば兵力差も少しは解消できると尾上さんが見込んだ。
しかし、ここでもう一つの問題が生じた。
敵将が猛華第一将、第二将の冨樫・堀北であるということだ。
敵軍はただの大軍ではない。精錬された強軍。
籠城だとしても、そこまで長くは持ち堪えられない。
持っても1週間だろう。

尾上さんの判断は早かった。
敵軍の総勢を見るや、完全包囲される前にすぐに神奈川にある上律本部に伝令を送った。

「猛華総勢12万襲来。籠城を試みるが、そう長くは持たない。援軍を頼む。」

この伝令が本部に届き、援軍が到来するまではなんとか持ち堪えなければ。
さもなければ我らは終わる。
尾上さんは捕らえられて、好き勝手やられる。
それだけは絶対に阻止しなければならない。


敵軍を城壁から眺めていた鈴山に尾上が駆け寄ってきた。

「敵は12万。それに比べて私達は5万とちょっと。それに冨樫と堀北ときた。これは笑えない状況だねぇ。」

「すいません、俺が尾上さんを訪ねたばかりに。」

「あ、ということは、私と同じ考えなんだね。」

鈴山は黙っている。

「上律の領土を刈り取る事が目的だったら、わざわざ私たちがいる場所を攻めてこない。兵を無駄にしたくないもんね。けど、今回は私達を狙って攻めてきた。最初から私達を殺る気だ。ってことだよね?」

「……。はい。しかも、俺が尾上さんを訪ねた今を狙って攻めてきた。これで確実です。敵は尾上さんと俺を消しにきてる。……。尾上さんは俺が守ります。」

「ハハハッ!やめてよ、そういうの。そんな辛気臭い事言ってるとみんなにも移っちゃうよ。そうなるのもわかるけどさー。んんー、そうだなぁ。とりあえずさ、私と鈴山君、大将同士の約束を決めよう。絶対に死なない。ヤバかったら逃げる。いい?」

「ーーー。わかりました。」

「うん、ヨシ!じゃあ皆んなを集めて。敵も援軍が来ることくらい予想してるだろうから、さっさと攻めてくる。それまでに大まかな作戦を決めておこ。」

「はい、では30分後、大広間で。」

「おっけい!」


鈴山は背を向けて歩き出した。
尾上はその背を自慢の大きい目で見つめていた。








































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