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JK、陽性になる。 [発覚編]

「これ、プラスだよね?え、プラスなの?陽性?陽性?」

朝8時40分。

学校の保健室のカーテン越しに聞こえる、「陽性」の二文字。


新型コロナウイルス、陽性だと発覚したのは、学校の保健室でした。


発症

 陽性発覚と分かる前日の夜08:00頃から、喉に違和感を覚え、「あれ…変だな」と思い、(全寮制なので)ルームメイトに、風邪をうつしてはいけないと感じ、ベッドにあるカーテンを閉め、その中で、作業をしていました。水分補給をし、タイレノールを飲み、カミロサン(喉スプレー)を何度も使っていました。咳は、ルームメイトもいる為、我慢を繰り返していました。

 夜11:00、多分、やっと眠りにつけたのでしょうか、11時からの記憶はありません。しかし、朝05:12、ベッドで横になっているのにも関わらず、フラフラするような感覚に襲われました。喉の痛みが増して、喉スプレーを繰り返し使用していましたが、喉の痛みは改善せず、不安でいっぱいでした。いつ倒れるかわからないと確信するほど強い倦怠感があったので、緊急時の為に、誰かに連絡できるよう、パソコンを横に置いていました。

 朝07:50、本来だったら、朝ご飯を済ませ、授業に行ける身支度を終わらせている時間帯でした。おそらく、ルームメイトは「あれ、なんでまだ起きていないのかな。」と疑問に思ったのでしょう。私に"Hey, don't you have first period? Are you fine?" (ねえねえ、1時間目ないのー?大丈夫?)と聞いていきました。意識は朦朧としていましたが、"Sorry, I am kind of unwell, thanks" (ごめんね、ちょっと体調が良くないんだ、ありがと)と答えました。

 朝07:55、学校の看護師にgoogle hangoutで連絡をしました。連絡をしようと思っても、指が動かず、自分の体の異常さを改めて感じました。それから、10分かけて、(体の軸がぐらぐらして、10分もかかってしまいました)保健室に到着しました。

 到着時間は、大体朝08:05。私にめまいがあると察した看護師たちは、まず、私に消毒をさせて体温を測らせたところ、37.6°ありました。そして、抗原検査を受け、30分ほど保健室のベッドで結果が分かるまで待機をさせられました。

 それから25分後、朝08:30、高2の生徒が腹痛で保健室に来ました。どのような腹痛なのか、どれぐらい痛いのかなどと看護師と淡々と話していたのですが、看護師が、いきなり大声で、"I'm sorry, stay away from the health center and nurses!" (ごめんなさい、保健室と看護師から離れて!)と叫んだのです。私は、その叫びで、ハッとしました。自分は陽性なんだと一瞬にして気付かされました。

 看護師たちは、(一言で言うと)ライオンのように大暴れしました。"OH MY GOD OH MY GOD!!!!!" (やばい、やばい、どうしよう)という声が鳴り響きました。この時、正式に看護師からは陽性だとは伝えられていませんでした。飛び交う言葉で一瞬にして現実を悟りました。看護師は2人なのですが、片方の看護師の娘さんは、妊婦さんだったのです。2人ともワクチンは受けていましたが、「もし彼らが陽性だったら…」ということを考えたら不安を抱かずにはいられませんでした。看護師たちは、学校関係の医者に電話をし始め、検査キットを見せ、「これ、プラスだよね?え、プラスなの?陽性?陽性?」と、わめいていました。「私たち、濃厚接触者ってことなの?!」と、悲鳴をあげ、私が同じ空間にいることをすっかり忘れ、混乱状態に陥っている大人2人がいました。

 そもそも私が話題なはずなのに、客観的に聞こえてきました。このように書くと、私が冷静だと読者の方は思われるかもしれませんが、身体的にはかなりのプレッシャーとストレスを抱え、後ほど、パルスオキシメーターで血中酸素濃度と脈拍数を測ったところ、血中酸素濃度が82%(正常値=96%、90%を切ると呼吸不全)で、脈拍数が147回(正常値=60~100回、140以上は危険な状態)でした…

 朝08:45、看護師たちが「コロナ…陽性です。」と伝えにきました。彼らは、テレビで映っていそうな防護服を着ていました。その後、朝09:00パルスオキシメーターで結集酸素濃度や脈拍数を測り、誰が濃厚接触者なのかを問われ、薬、大量のマスク、消毒液、除菌スプレー、エネルギードリンク・ゼリーを渡され、学内のキッチンやトイレ、シャワー全てが揃った場所に移されました。

 その後、8時間、その場所で隔離をする私。自分の16年の人生の中で、死を意識するとは思いませんでした…


JK、 陽性になる [隔離編] に

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