Rangorieオリジナルハンカチができるまで
ナマステ!インド柄下着のRangorie(ランゴリー)の江副です。
Rangorieオリジナルハンカチが、今週インドから届きました!
今日はこのオリジナルハンカチができるまでを振り返ります。
ハンカチの生産を依頼した、Drishteeのご紹介はこちら
なぜハンカチをつくったか?
初めてのクラウドファンディング実施にあたり、「ブラやショーツは使わないけれど、ランゴリーを応援しています!」とおっしゃってくださる方に、何か特別な品をご用意したい!と考えました。
色々とアイデアを出す中で、Rangorieの目標である「インド農村部に仕事をつくる」第一歩として、インドの綿花、縫製技術を生かせるハンカチを作ろう!ということになりました。
ハンカチのデザインを考える
さて、Rngorieのオリジナルハンカチ、どんなデザインにする?
ワクワクしながら様々なデザインを考えました。例えば、Drishteeの生産者の中にはブロックプリントの職人もいるので、ブロックプリントでランゴリーの炎マークを配置するのはどう?などなど。
(↑Drishteeが扱うブロックプリントの作品)
デザイン画を作った結果、
炎マークが沢山並ぶと、目玉が沢山並んでいるみたいでこわい。。
となり(笑)
天然染料で表現したランゴリーカラー(グリーン)に、手刺繍でランゴリーの炎マークをあしらったデザイン
が採用されました!
手織りの布って、ゴワゴワしない?
早速Drishteeにこのアイディアを話したところ、喜んで依頼を受けてくださいました!
R「布地の候補をいくつか送って欲しい」と頼むと、
(以下、R→Rangorie、D→Drishtee)
D「私たちが作っている手撚り、手織りの布がぴったりだと思う」
R「え。手織りの布?」
R「でも、私たちのイメージするハンカチは、ビジネスマンがスッとポケットに入れるような、透けるように薄い布なんです。」
R「手撚り手織りの布は、厚みがあってゴワゴワするんじゃない?」
(無知な私の頭の中では『手織り布=厚みのあるゴワゴワした布』でした)
そんな疑問をぶつけると、
D「ちょっと待ってて!」
奥から布をいくつか持ってきて、カメラに写してくれました。
D「糸の撚り方、布の織り方にも色々な方法があるの。ほら見て」
画面越しに見せてもらったその布たちは、
かすかに向こう側が透けて見えて、とても軽やか
素敵!!
D「グリーンは、ターメリックとインディゴで染めるわ!」
ターメリックで染めたハンカチ!?
ワクワク♪
R「でも、色落ちが非常に心配。大丈夫?」
D「色落ち防止の処理をするから大丈夫!」
D「すぐにサンプルを作って送るから待っていて!」
個性豊かなサンプル達
数日後、織り方の違う4種類の布を、2種類の色に染めたハンカチが届きました。
手織りの布たちは、どれもゴワゴワとは程遠い優しい手触り!
ターメリックとインディゴが織りなす美しい色!
でもよく見ると・・・
ランゴリーのマーク刺繍が、個性豊か過ぎる!!
↑下書きの線もくっきり残ったまま
そして。ミシンの縫い目もガタガタ、、
これは、、今回オーダーするのは厳しいかも。
そんな思いもよぎりながら、1点1点気になる箇所を写真を撮り、良い例と悪い例を示した表をつくりました。
「刺繍下絵は、テンプレートを作り、同じ形になるようにしてください。」
「この縫い目は上糸が弱すぎます。糸調子を調整してください。」
つらつらつらつら…。
「こんなに隅々までダメ出ししたら、注文を断られるんじゃないか。」
「日本品質は行き過ぎた節もある。これを要求していいのだろうか。(お客様が日本だから、こちらはそのレベルが必要だけど、そのレベルをこの人達に強要するのは良いことなんだっけ?などなど)」
迷いも生じながら、先方に伝えました。
すると、
D「フィードバックありがとう。すぐに改善に取り掛かります」
そしてなんと1週間で、全ての項目を改善して作り直したサンプルの、写真とビデオが送られてきました!
彼らとこれからも、一緒に成長していきたい!
そう強く思った瞬間でした。
色落ち問題
だがしかし。このハンカチにはもう1つ大きな問題がありました。
それは、
ターメリック+インディゴ、色落ち問題!!
天然染料で染めたハンカチは、色合いがとても美しく、とても風情のある仕上がりでした。
しかしこれを水につけると、、、
綺麗な色水が出来上がるのです。
布の吸収量以上の染料が付いているのかも?と、何度か洗いを繰り返し、
塩水に浸けたり。クエン酸に浸けたり。
インターネットで色落ち防止の方法を調べ試しました。
クエン酸浸けはとても効果がありました!
こ、これは!!ついに打開策を見つけたかも!!
が、喜んだのも束の間。すすいで、干して、その後水に浸けてみると…
やっぱり緑色。
今回の製品はハンカチ。濡れたまま服のポケットに入れる物なので、色落ちは絶対に避けたい問題です。
Drishteeにも相談し、提示された解決策はこちら。
1。漂白した白地ハンカチに、緑糸でランゴリーマークを刺繍する
2。天然染料ではなく化学染料で染める
3。天然染料でも1色染めにする
悩んだ挙句、私たちが選んだのは
1。漂白した白地ハンカチに、緑糸でランゴリーマークを刺繍する
ハンカチの特性上、色落ちリスクは避けたい。
そして、化学染料で生産地を汚したくなかったため、これを選びました。
新しいサンプルの到着
(↑毎回、手作りの包装に入ってやってくるサンプル。ほっこりします)
前回とは見違えるような出来栄えのサンプルが届きました。
ミシンの縫い目はまっすぐの直線。端まできちんと縫われています。
手刺繍のランゴリーマークは、どれも同じサイズで、同じ手法で縫われています。
白地の布は、手織りの風合いが生きて、とても美しい仕上がりでした。
これなら、お客様にお礼の品としてお渡しできる!
念の為、緑色の刺繍糸から色落ちしないか、洗ってテストをしましたが問題なし◎
「この品質でお願いします!」と、本生産を依頼しました。
最終品はまもなくお客様の元へ
その後インドはCOVID-19の第2波に襲われ、生産活動は当初の予定から遅れましたが、インドの農村部に住む、綿花栽培家、紡績職人、織物職人、縫製職人、刺繍職人、の手によって作られたRangorieオリジナルハンカチは、無事に日本に届きました!
今回はなんと、1つずつ包まれていました!
検品のため一度出させていただきましたが、インドから入ってきた包装そのままで、まもなくお客様のお手元に発送予定です。
どうぞお楽しみに!