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HiGH&LOW THE WORST X シリーズの定番から解き放たれた明るいハイロー


映画ファンのみんなごきげんようランガタロウです。

日本で最もイケメンがガチの殴り合いをする映画HiGH&LOWと日本一のヤンキー漫画WORSTがコラボしたHiGH&LOWザワーストに待望の続編が登場した。

HiGH&LOWシリーズはEXILEでお馴染みのLDHが送るエンターテイメント作品シリーズだ、SWORD地区と呼ばれる治安の悪い街で暮らすグループ同士のぶつかり合い、ヤクザによる土地を奪うための陰謀、立場を超えて団結する人々を描き、そしてCGを使わないど派手な生身のアクションと殴り合いで見るものの度肝を抜き、それぞれのキャラクターの専用楽曲で楽しませてくれる。

そんな中で唯一「高校」を拠点とするチームであった鬼邪高校たちをピックアップしたスピンオフがHiGH&LOWザワーストだ。
鬼邪高校は全日制と定時制に分かれており、定時制はHiGH&LOW本編に登場する20超えの留年ヤンキーが巣食う魔境、全日制はまだ「未成年のガキ」のヤンキーが集まる場所とされてきた。

HiGH&LOWシリーズの本編の進行によって喧嘩に明け暮れていた初期メンバー達は「大人」へと代わっていきHiGH&LOW3やDTC湯けむり純情編、そして前作ザワーストで過去メンバーの卒業そして新世代である鬼邪高校の全日制達に未来を託していった。

じゃあHiGH&LOWザワーストXは今更何をするのか、HiGH&LOWのように立ち向かうべきヤクザも半グレもぶっ潰してしまって平和になった世界でやることそれは「ヤンキーのテッペンとる」という死ぬほど健全な目標である。

いや健全じゃないだろと言われるかもしれないがHiGH&LOWの世界でこんな普通にヤンキーがただ喧嘩をできるのがめちゃくちゃ微笑ましいことなのである(全盛期の鬼邪高校はヤクザからのスカウトが来るまで喧嘩の実力を高めながら留年し続けるとかいう激ヤバの高校だったので)

今作では瀬ノ門工業高校のトップである"天下井"がその財力にものを言わせて鬼邪高校を倒すために不良高校同士での連合を結成し襲ってくるというシンプルな構図だ。

これまでのHiGH&LOWだとここで「瀬ノ門の財力の裏にいるヤクザ組織/半グレ」などの真の巨悪が登場する流れがお約束だったが今作にはそれがない。

瀬ノ門のヤンキー達はマジでトップを取るために鬼邪高校を襲撃してくるし、ザワーストからの主人公"花岡楓士雄"は「自分が拳で勝つだけではなくトップの人間として仲間を守らないといけない」という自覚を求められる。

純粋にヤンキー同士が喧嘩をしているのだ、シリーズとしては完全に異例としか言いようがない。

もちろんHiGH&LOWザワーストの「ザワースト」とは高橋ヒロシの大人気漫画「クローズ」「ワースト」のワーストのことである、コラボ作品であり登場するヤンキー高校も鳳仙高校に鈴蘭高校とあの伝説のヤンキー高校であるのだが、その上で「絶望団地」とかいう半グレの拠点になったヤバイ団地をHiGH&LOW組とワースト組でタッグを組んで潰しにいくというワースト側をHiGH&LOWの世界に巻き込む形のコラボだった。

今作は完全に別だ、鬼邪高校を潰してヤンキー界の頂点に立とうする瀬ノ門高校の計画に巻き込まれて再び集結する鳳仙、不二雄が一人の男としてタイマン張りたくて乗り込んだ鈴蘭高校ととにかく「裏で動いてる大人の汚え陰謀」が消えた作品になっている。

ある意味ではHiGH&LOWという世界のめちゃくちゃさを期待してた層にはがっかり感があるかもしれないが私はある意味納得した。

なにせこのシリーズ、政府や警察上層部と癒着して殺人事件を揉み消せるレベルの巨大ヤクザの陰謀をぶっ潰したりしてきた映画である。それでヤクザがいなくなった場所に住み着いた半グレでも「でも高校生が相手するにはキツイよな」でHiGH&LOW界のレジェンド達が手助けをする構図だったのが前作だ。

つまりこれ以上汚え大人の企み出したらこれまでの積み重ねが意味なくなるか「無限にインフレし続ける」しか無くなるから、だからこそ旧レジェンドHiGH&LOW軍団が守った世界で健全にヤンキーの喧嘩をしている彼らを微笑ましく見守れるし、今回の敵役である瀬ノ門高校の迎えるオチの優しさにも納得が行く構図だ。

特に今作は汚い裏の陰謀が存在しない分よりピュアに男と男の間にある感情を色々サービスする時間が多くとれていたように思う。拳を交えあった男と男の間にある友情という言葉だけでは語りきれない強い感情に俺は感動し心を震わせ感動しちょっと黄色い歓声をあげる。

まぁHiGH&LOWシリーズにはまだバルジとかいう裏社会のヤバイ奴の存在が臭わされてるけど流石にそこは高校生に相手させるやつじゃないしな…(海外マフィアっぽいし)

シリーズが積み重ねてきた物があるからこそ逆にシリーズで一番健全な作品になったとも言えるのがHiGH&LOWザワーストXだろう。

とまぁ作品の質感が今までと変わったねって話をしたけど今作のど派手アクションは相変わらず「HiGH&LOW」って感じである。

人間が吹き飛び、ありえない高さの飛び蹴りをし、人間を人間が投げ飛ばし無双ゲームの様相を呈していく。

ヤンキー高校の校舎はもはやボロボロに作り込みすぎて「荒れてるヤンキー高校」じゃなくて「ホラー映画に出てくる呪われた学校を明る時に見てる」ぐらいボロボロになっておりもうサービス精神が狂っている。

筆者の語彙力では今作が誇る、美しい顔の男と男がくんずほぐれつする魅力についてはあまり文章化が出来なかったので今回は過去作のお約束を踏襲しないことで、カラッとスッキリした作品になりつつも魅力を損なわなかったHiGH&LOWザワーストXについて語りました。

そういう話はネタバレ解禁後につめようかな?

ではまた次の映画までごきげんよう!



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