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2024聖なる夜から、2025アニバーサリーへ
聖なる夜に口笛吹いて2024から
佐野元春デビュー45周年/TCB結成20周年
アニバーサリー2025へ
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今年のロッキン・クリスマス@恵比寿ガーデンホールは、ドンピシャで24,25日の二日開催。したがって、恵比寿駅から大変な人混みをかき分けて目指すことに相成った。
ツリーの前やバカラの前は、こんなに若い人たちがいたのかと驚くほどの人出でありました。
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この催し物は単なるライブではなく、2003年から開催され今回21回を迎えるL’ULTIMO BACIO Anno(ルルティモ・バーチョ=最後のキス)という大人の冬のイベントとして開催。
ドリンクやおつまみがとても洒落ているので(それゆえにホワイエが広い恵比寿ガーデンホールを本拠地としている)いつもよりは早く到着。
直前に発売された立ち見席のお客さんはギリギリでの入場となり、寒空に待たされているのを横目に見つつ入場。
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でも指定席とは言っても9割方は立ってるし、会場全体がよく見えるので、結果的にはとても良い席だったみたいですね。
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開演まで30分ほどあったので、まずは飲み物を買ってホワイエをプラプラと歩き、ちょっと寒いけどバルコニーに出て、バカラのシャンデリアを観下ろしながらグラスを傾けるのが、なかなか良い。
ちゃんとしたグラスに入って600円なので、これはお値打ちです。ちなみにスパークリング・ワインをいただきました。
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とはいえそれほどのんびりしている時間はなく、5分前には着席。
最後列ですが据え付けの椅子ではなく、独立した椅子を並べてあるので、横との距離に少しゆとりがあっていい感じ。
ただ最後列も若干の勾配はついているが、立ち見席は最後列の頭の位置よりも高いレベルに床があるので、手すりを確保できさえすればラクチンな上に、極上の見晴らしだろう。
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定刻になるとライトがおちクリスマスの定番音楽が流れ始め、開始を促す拍手が観客席から起こる。
適度に焦らしたところでミュージシャンらしき人影ががステージに現れるがステージは引き続き暗く、その姿はよく見えない。
一際高い歓声が上がると、佐野元春らしき人影が左袖から現れ中央へ動いていくが、その姿はシルエットのまま。
厳かなクリスマスソングの背後でリズムを刻み始めたドラムスの音が次第に大きくなり、ついにカウントが入りエイトビートを叩き始める。
「ハロー、エヴリワン。メリー・クリスマス!」という佐野元春の力強い挨拶とともに始まったのは、”Youngbloods”(2024バージョン)。
80年代クラシックスのコンテンポラリー・リメイク(佐野的には「再定義」というらしい)
いきなりの人気曲に既に総立ちとなった観客の期待は膨らむ一方。
間髪を入れずにはじまった2曲目は聴き慣れぬイントロで、なかなか分からない。歌が始まって”ガラスのジェネレーション”だと気づいて、更なる歓声が上がる。
こうして2時間強の特別なショウがはじまった。
今回からセットリストは会場に張り出すのでなく、会場で手渡されるチケット状のスーヴェニアの裏に記されたQRコードから読み取るやり方へと変わった。
詳細は以下に記すが、進行は、第一部40分、休憩20分、第二部50分、アンコール20分と言った感じ。
【第一部】
1.ヤングブラッズ(1985/2024)
2.ガラスのジェネレーション(1980)
3.ジュジュ(1989)
4.by the sea(2015)
5.世界は慈悲を待っている(2013)
6.ポーラスタア(2013)
7.欲望(1993)
8.インディビジュアリスト(1986)
9.みんな願い叶う日まで(2013)
第一部は、まずは80年代クラシックの人気曲三連発で会場の温度をグッと上げる。
次に、元春&コヨーテバンドの「今」を示す2010年代の代表的楽曲を3曲。
続いて、本日25日に30年前の武道館ライブの拡大DVDを含むリイシューがリリースされたアルバム”The Circle”から、地味だが人気の高い「欲望」(夏のツアーでも演奏していた)。
そして「ガラスのジェネレーション」に続いて観客の度肝を抜いたニューアレンジ(再定義?)による「インディビジュアリスト」。スカで慣れてるだけにちょっと戸惑ってしまう。
短いMCを挟んで「みんなの願い叶うまで」
二つあるクリスマス・ソングをどう使ってくるのか楽しみしていたが、これをやるということは第一部終了ということだろうな。
ちょっと短いかなと思いつつ、コーラス部分をマスク越しにシンガロングしていると、うあはりクリスマス気分が高まってくる。
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休憩時間、まずはトイレにダッシュした上で、二杯目をいただく。今度は白ワインにしよう。支払いは電子マネーでOKです。
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【第二部】
1.雪-ああ世界は美しい(1989)
2.君が気高い孤独なら(2005)
3.冬の雑踏(2022)
4.愛が分母(2019)
5.聖なる夜に口笛吹いて(1985)
6.水のように(2022)
7.大人のくせに(2022)
8.La Vita e Bella(2013)
【Encore】
1.エンタテインメント(2022)
2.純恋(すみれ)(2017)
3.ダウンタウンボーイ(1981)
ーーーーーーーーーーーーー
4.悲しきRadio(1981)
第二部もクリスマスソングが流れる中メンバーたちがステージへ。
重いけれども、ゆっくりとしたイントロが流れ始めると、気の早い観客はバラバラと立ち始めるのだが、その途中で、あれっ、ちょっと違うな、これは立ち上がるような曲ではないなと気づいて、三々五々座っっていくのが面白かった。
楽曲は「雪、ああ世界は美しい」コマーシャルにはピークを迎えていたアルバム「ナポレオン・フィッシュと泳ぐ日」に収められていた佳曲であるが、ライブで取り上げられるのは珍しいのでは。
パンデミックや戦争、災害、貧困。不正義が世界の各地で顕在化しているが、それにも関わらず、世界は本来美しいのだ、美しくあってほしいという気持ちを感じる選曲。
続けてミドルテンポの「君が気高い孤独なら」、何気ない日常を歌い上げる「冬の雑踏」と続き、第二部のしっとりとしたスタート。
その上で、ポジティブ全開の「愛が分母」で盛り上げる。間奏部でキーボードの渡辺シュンスケに「シュンちゃん!」と声をかけるところは微笑ましかった。
続いて、もう一つのクリスマス・ソング(ニューヨークで作ったという説明あり)。
リリース後おおよそ40年を経て、既にスタンダードの一つになった「聖なる夜に口笛吹いて」。やはりコーラス部分はマスク越しのシンガロングで。
普通に考えれば「キメ」の曲だが、結果的に後半の真ん中あたりに持ってきた。
クリスマス・ライブとしてはちょっと早すぎるのでは、という印象も持ったが、ロッキンの部分をしっかり出したいということだろう。
特にこの後の3曲が強力。
最新アルバム”今、何処”からの「水のように」と「大人のくせに」そして10年ほど前の”Zooey”からの「La Vita eBella」。
この3曲は本編の締めにあたるのだろう。普遍性と同時代性を兼ね備えた作品という豪速球がこれでもかと投げ込まれる。
「水のように」
どんな偽りがそこにあっても/迷わない
「大人のくせに」
英雄もファシストも/いらない
「La Vita eBalla」
言えることはたったひとつ/この先へもっと
アンコールは楽しく。
メンバーはクリスマスの色合いのセーターやシャツに着替えて登場。佐野元春も真紅のシャツに着替えていたが、個人的には本編の時からはいていた赤いソックスが目立った。
2020年代、2010年代、1980年代の人気曲を連発。特に「ダウンタウンボーイ」はオールドファンには涙もの。
そして一旦終わろうとして、観客の声援に答えて何の曲をやるか相談するという小芝居があって、演奏し始めたのが「悲しきレイディオ」。
ステージに後ろには”Radio”の文字が浮き出る。オールドファンはここでまた落涙。
前日は「アンジェリーナ」だったらしいが、この局面では「悲しきレイディオ」の方が個人的には盛り上がる。
こうしてショウが終わったのは21時10分頃。
翌日には80年代クラシックの再定義(新録音)を中心にしたニューアルバムが3月リリースされるとのニュースが出た。
思えば、この日は単なるクリスマス・ライブではなく、2025年、デビュー45周年、コヨーテ・バンド20周年という記念すべき年に向けて、その一部をチラ見せするという、スニーク・プリビューの意味も兼ねていたんだね。
来年の楽しみがひとつできました。
Merry Christmas &Happy New Year
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