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辻村マリナクリスマス・ライブ@Mojo Cafe吉祥寺


オンボロ列車から思い出バスへー

今週2回目の中央線Experienceは吉祥寺のMojo Cafeで、辻村マリナさんのクリスマス・ライブ。豊橋でのライブの様子を小川真一さんにお聞きして急遽、ギリギリで参加。

18:45開場ー19:30開演なので、自分的には早めに19時前にMojo Cafeの階段を上ったのだが、すでにほぼほぼ満杯で、入口近くのハイスツールをなんとか確保。

目の前がカウンターで、辻村さんもスタンバイしておられたが、あまりヒリヒリした感じはなく、お店のおい手伝いなんかもごく自然にやっておられたので、ちょこっとだけお話をする。

全くの初対面で、あの曲やってくださいというのも図々しいかなと思い、小川さんのやっているラビット・アワーという番組であの曲がかかって、とても気に入りましたというところで寸止め。(リクエストしたのが自分だというのは勿論伏せての話)

お客さんのもとにオーダーが届くのを待って10分ほど遅れて始まったライブは、第一部を40分ほどやり、15分ほどお代わり・トイレタイムを経て、第二部を一人で40分ほど、そこからパーカッションの方(お名前わかりませんでしたが、横丁のおじいさんという感じの方で、アシスト・ミュージシャンだとは思いませんでした、すみません)が入って30分ほど、アンコールを含めて終わった時は21時半を少し回ったくらい。

ライブはチューニングをしているような風情のギター演奏から始まり、「列車はゆく」というオリジナル、続いてトラディショナルの”Freight Train”を一部和訳を含めて演奏、ゆっくりと駅をでて揺られているような感じで始まり。

オリジナルはよくわからないのですが、カバーが実に多様で驚く。「べサメ・ムーチョ」はまあ想定の範囲内ですが、Nora Jonesの”Don’t Know Why”はおっ、という感じながら、都はるみの「小樽運河」にはびっくり。でもまあジャジーなアレンジで気持ちよく収まってました。

問題のあの曲は、クリスマスの曲で、大好きなんですが何とも救いのない曲で、その救いのなさを皆さんと分かち合いたいとのことで、Tom Waitsの”A Christmas card from a hooker in Mineapolis”を歌ってくれました。

英語の曲紹介だとhookerというところで訳ありの歌だということはわかりますが、女と訳すとちょっとわかりにくいので、演奏前に大体の内容を説明されてました。

いやあ、いい感じのどん詰まり感が出てますが、そこは続いて軽くハミング調に歌った「聖しこの夜」でデオドラント。

ただ、結局、出所のために必要なお金をこの男は送ってやるんだろうなあと思わせるひとスジの明るさがある不思議な歌ですね。

カバーはもう一つ。ラス前に歌ったVan Morrisonの”Crazy Love”
も素晴らしかった。ちょっとだけスモーキーだけどオリジナルほど重くはなく、ポップスの香りも感じさせるアレンジと歌声だったと思います。

最後はアップテンポの「思い出バス」(という名前なのかしら?)にみんなも手拍子打って、アンコール(扱い)は「夜をくぐり抜けよう」という歌で、こちらもみなさんよく知っている歌のようでした。

ちなみのこの曲はMojoCafe9周年パーティーの際に、マスターも一緒に歌った、このお店にとっても大切な歌だそうです。(トータルで言えばここでは15回ほどライブをやっているとか)

全体としていうと、最後の数曲を除いてはワンマン(ワンパースン?)ライブということで、楽曲の配列のみならず、楽曲の中のテンポを含めて緩急自在。チューナーが壊れようが、時間が多少押そうが、あたふたせずに進めていく懐の深さは、Venueのホーム感も手伝っているのでしょうか。

観ている方も熱心なファンと思しき方が多く、ロングヘアーにキャップ、お髭もふさふさと生やしたジェームズ・ガルシアを彷彿とさせる方々も何人かいて、まるで娘を(というか孫かも)を見守るように優しく見つめていたように、たまたまサイドから観ていた私は感じた次第です。

本当にナチュラルでリラックスした雰囲気に包まれた良い時間を過ごさせていただきました。来年はバースデーコンサートも決まっているそうなので、また万象繰り合わせて(というほどのことはありませんが)参加させて頂ければと思います。

辻村マリナさん初心者としては、とにかくカバー曲の選択とアレンジ、見事に自分のものにしていることに感銘を受けました。

一つ言い忘れましたが、第一部のエンディグは、ユーゴスラヴィアのプログレッシブ・ロック・バンド「びえろどぅーむ」が、1973年に発表した「いまねかたなべっさ」という楽曲で、一体こんなの知っている人は何人いるんだろうとたまげました。

家に帰ってから苦労に苦労を重ねて調べたら、Bijelo Dugme の”Ima Neka Tajna Veza”という曲でした。ライブアルバムに入ってて、サビ。というか楽曲名のところは観客に歌わせてたので、現地では相当なヒットだったのでしょうね。

いやいや世界は広い。

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