What’s New Morioka #1ーSleep/ホテル・マザリウムー
盛岡を訪れるのは2回目、2011年の秋以来13年ぶり。確かその時は街おこしの話を伺うため。
今回は紅葉ツアーが基本だが、盛岡については、2023年にNew York Timesが毎年初に発表する「今年訪れるべき場所52選」の2番目に(1位のロンドンに次いで)ランクされて一躍脚光を浴びたことを踏まえて、再訪してみようと。
まあ、2024年には山口県が第3位に入ってるように、必ずしも順位が高い方が優れているということではなく、穴場的な推しの要素も入ってるんでしょう。
とはいえ、人口が30万人に満たない盛岡が、大変魅力的な街であることを改めて感じました。
まずは宿。
前回はクラシック感とその名前(Hotel du Nord)に惹かれて「北ホテル」にしたが、今回は2年前に肴町バスセンターの再開発に伴って開業した「ホテル・マザリウム」に。
「マザリウム」というネーミングは、まざる、うむ、はじまるの造語とか。
盛岡駅からは少しあるが、盛岡城址公園、中津川、肴町商店街、盛岡八幡宮、さらにいい感じの喫茶店が近くに沢山あって、街歩きには絶好のロケーション。
再開発ゆえ、日本全国どこにでもあるような鋼とガラスでできた高層ビルがあるのかと思いきや、タクシーを降りても、3階建で外壁もトタン張りみたいな、平べったくて素っ気ない建物があるだけで、入口もよく分からない。
何とかエレベーターを見つけて、レセプションがある3階まで上がると、目の前には併設されたジャズ・カフェのカウンター。
そして左側にレセプション、右側には目玉である秋吉敏子ミュージアム。
貴重な資料が展示されているが、広さ的には正確にはコーナーと行った方がしっくりくる。70代の男性の方があれこれ整理をしている様子。
しかし、秋吉敏子さんて盛岡出身だったっけ?
チェックインの際に尋ねると、もともと盛岡と関係はなくて、中津川近くのジャズ喫茶マスターが秋吉さんの大ファンで、この辺りのコンサートのプロモーター的なこともやっていて、その関係で誘致したとのこと。
いやあスゴいですね。
客室があるのは3階だけで全34室。福祉を起点に文化を創造するという観点から、うち8室が知的障がいを持つアーティストがデザインを手がけるヘラルボニー・アート・ルームになっている。
当然ながらヘラルボニーの部屋を選ばせて頂きました。客室料金から500円がそちらの基金にまわるそうです。
セキュリティを過ぎて曲がりくねった廊下には、秋吉敏子さんのレコードとか関連グッズが展示されていて、最初に出会う部屋のドアには、秋吉さんとルー・タバキンさんのさいが書いてある‼️
いやあ、至れり尽せりですね。
附帯施設としては、1階、2階に飲食店、物販などが入っていて、3階にライブもやるジャズ・カフェと宿泊客以外にも有料で利用可能なフィンランド式サウナが人気。
ただ、1階・2階は本来的にはバスターミナルなので、1階は建物の外壁に沿って廊下的な部分が、2階は全体の一部がカフェテリア的な区割になっていて、集客優先の無理な設計にしていないところがポイント。
チェックインにはまだ早い時間だったので、まずは岩手銀行赤レンガ館のあたりを散歩して街の空気に身体を馴染ませます。