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仮想通貨に対するマンガーの目線

 本マガジンは時事ネタ(主に経済)をトピックに呟く分量の短いシリーズです。考察も含まれますが感想メインです。 

1. 米国における独占禁止法強化の流れ

 本日の日経で以下の記事が気になりました。

 バフェットが仮想通貨に対してネガティブであることは周知でしたが、マンガーも同様でした。やはり両者の投資哲学には共通する点が多いのでしょう。記事では以下のように示されております。 

 マンガー氏は「仮想通貨がほとんど無償で(仮想通貨を宣伝する有名人など)プロモーターに売却された後、一般の投資家がはるかに高い価格で購入することがしばしばある」と説明。仮想通貨は「胴元がもうけのほぼ全てを持っていく賭博契約だ」とも指摘した。 

日経新聞記事より抜粋

 概ね正しいですが、仮想通貨の発行・流通及び詐欺パターンは無数に存在するので、上記に該当しないケースも存在することを付け加えたいです。性悪説に立つのであれば記事の通り、「全面的に禁止」という措置が妥当ですが、自由の国アメリカにおいて全面禁止は少し違う気もするので、「自己責任」との線引きをどう確保するかがポイントに感じました。 

 連邦政府として詐欺的なモデルを抑止しつつ、有望なプロジェクトへのアクセス手段を確保し、仮に問題が発生しても自己責任で納得できる層に限定した方がよいかもしれません。全面禁止というよりは実用性に欠け単なる投機手段の域を超えない仮想通貨に関しては一般層のアクセスを禁止するのが良いかもしれません。 

 本質的価値が乏しいアイテムは一般層を含む巨大なマーケットにアクセスできなければ途端にその勢いを無くし、本質的価値と同等まで価格が低下します。コンシューマーマーケットへの道が開けている限り、グレーターフール理論に基づき、バブルが形成され、そのバブルを維持するために詐欺的な手法も拡大します。 

 仮想通貨は既に十数年に及ぶ壮大な社会実験です。当初はどちらに転ぶか分からなかった方向性も概ね見えてくるようになりました。もちろん人間は自身が見たいと欲する現実を見てしまう生き物なので、事実(Fact)がどうあれ、人は自身のレンズ(バイアス)を通してでしか事実を認識することができません。 

 よって事実は事実として存在するのではなく、人の願望によって様々に変化します。バフェットやマンガーのレンズを通して眺めた仮想通貨と仮想通貨業界の関係者のレンズを通して眺めた仮想通貨は、同じ事実をベースにしても異なったものとなるのです。 

 誰のレンズが正しいかは歴史が証明してくれるでしょう。

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