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日本人が知らない韓国史を学んだ日

韓国にきてちょうど1ヶ月経って、韓国と日本の関係について気づいたことがあるので書いてみました。今までと比べて重い内容になってますが、ミネルバ生活に新しい層が加わった大事な気づきなのでシェアします。

日本と韓国はよく似た国同士と言われているのもあって今まであんまり真面目に韓国の歴史を考えることはなかった。韓国の歴史についてもっと深く知るきっかけになったのは大学主催の韓国史の授業と歴史ツアーだった。歴史、経済、環境問題の三つから選ぶシステムでなんとなく歴史面白そうという理由で歴史を選んだら、予想以上に意味深い体験になった。高校生まで歴史は大嫌いで歴史を避け続ける人生(笑)でなんなら専攻も自然科学ですが、珍しく今回は楽しめた。

ツアーで一番インパクトが強かったのが西大門刑務所。第二次世界大戦の直前、日本が韓国を強制的に植民地にした時代に建てられた刑務所で多くの韓国人の活動家が収容・処刑された場所だ。特に地下展示は実際の牢獄の様子を忠実に再現していて、日本人が行ったあらゆる拷問の方式が人形で展示されていた。ここでは詳細を書くのは控えますが、身体的・精神的ダメージを最大限に与えられるように考え尽くされていて「人間は他の人間を傷つけるためにここまで考えられるのか」とずっしり重たいものが心の中に下ろされた気分だった。

その後別のイベントで米の収穫体験に行った時も農家の方から韓国の米づくりの歴史について説明があり、やはり植民地時代の話が出てきた。その方いわく韓国には元々1500種の在来米があり、一つの村に一種類違う品種の米があったらしい。しかし日本の植民地化後は米の品種の統制が行われ、そのせいで2/3以上の在来米が絶滅してしまい、現在は450種のみが生存している。その農家の方は生き残った450種を絶滅から守るために全種を育てて消費者に在来米の良さを伝える活動をしている。


中心地から1時間ほどの農場で毎週米の収穫や苗植えなど米に関するイベントを開催している。

日本は韓国の人にも自然にもこんなに残酷なことをしたのに、なんで日本の歴史教育でしっかり扱わないのだろうと思った。日本史をがっつり学校で学んだわけではないからなんとも言えないけど、少なくとも日本に18年間住んでいた中で日本人による韓国人の差別・弾圧を追悼するようなニュースは一度も聞いたことがない。戦争の話になると大抵は原爆の被害や平和教育、戦後の復興のトピックに流れるからどちらかというと被害者目線の情報が多い気がしている。韓国の植民地化と人種差別は日本にとっては暗い歴史だから公にしたくないのは当然だけど、それでも平和教育の一環でもっと後世に伝えていくべきだと思った。

特に大学のイベントで植民地化時代の話が出ると他の国の子達に「日本人としてどう思う?」と必ず聞かれる。最初はどう答えていいかわからなかったけど、最近は「自分が何かしたわけではないけど心から申し訳なく思うし、もしこれで傷ついてる人に会ったら直接謝りたい」と答えている。私が謝ったところで何か変わるわけじゃないけど、何も知らずにいいとこだけ見て帰るということは絶対にしたくない。これが観光客として海外に行くことと一住民として生活することの違いで、ミネルバ生として海外生活することの醍醐味。

もちろん韓国のいい部分はたくさんあってカフェはどこに行ってもおしゃれで安いし、夜一人で歩いてても危ないと感じることはほぼない。Kpopも大好きだし今度推しのコンサートを見に行けるからすごい楽しみ。でも韓国に住む日本人として韓国の一段階ディープな部分を知れてすごく光栄だしこれから行く国でももっと深い都市体験ができたらいいなと思う。

ではこの辺で:)


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