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ミネルバに合わないかもしれない人の特徴

最近ありがたいことにミネルバについてのポジティブな記事がたくさん広まってて、そのおかげで認知度がとても上がったのを肌で感じています。ただ色々な人と話していて、ミネルバに関する情報の多くはとても断片的で誤解を生むものが多いなと感じています。最近友人と話していて私のnoteもそうなっているなあと気づきがありました。

前置きが長くなるのですが、大事なことを先に言っておきます。どんないいことにも必ず裏に副作用があります。ミネルバは万人に合う大学ではありません。むしろとても変わっている分会う人合わない人の落差が激しいと思います。

特にこれから海外大学を受験する人にとって進学先の「イメージ違い」はその先4年間を棒に振るかもしれない重大なロスです。でもそんな重要なことながら入学前に海外の大学の雰囲気を知るのは渡航費もかかるしとても大変です。ましてミネルバのようにキャンパスのない大学は尚更これを掴むのが難しいと思います。どんなにデザインが大好きでもサイズが全く合わない服は心地よく着られないように、どんなにミネルバが提供してるものがいいと思ってもよく分析すると「あれ、思ってたのと違う」と思うことだってあります。ぜひミネルバのいい部分をまとめた情報と一緒に見てもらえると嬉しいです。

*もちろんこれに当てはまる人みんなが入る素質がないってことじゃないです!ただ、立ち止まって考えるストッパーになったらいいなと思ってます。


① ドンピシャでやりたいことがある人

「自分はOOの研究に興味があって、ミネルバでやっていきたいと思います!」

こういう相談をしてくる中高生が結構いるのですが、ここで一旦ブレーキ!

ミネルバ大学は一学年150人、全体の在校生(卒業生は含まない)600人程度のとてもとても小さい大学です。ということは、教授の人数も他大学に比べてめちゃくちゃ少ないのです。もちろん各学科に合う教授は用意されていますが、教えてることと実際にやってる研究が違う先生も結構います。物理の先生が兼任で数学を教えていたり、生物の先生が文学を教えていたりします。そのため自分がドンピシャでやりたい分野をやっている先生はむしろいないと思った方が自然なのです。

またミネルバの教育方針も大きく関わってきます。簡単に言うとミネルバはspecialist(狭く深く)よりもgeneralist(広く浅く)の教育を重視しています。1年目はやりたいこと関係なしに人文・自然科学・コンピューターサイエンス・社会科学を丸一年やらされ、2年目以降も専攻分野について広範囲でつまいぐいするスタイルになります。ビジネス専攻でマーケティングに興味があっても会計や起業について勉強させられたり、生物に興味があるのに物理や地球科学まで取らされる、なんてことが普通に起こります。すごくつまらなさそうに授業を受けている子もいるし、自分の本当にやりたいことを追うためにミネルバを辞める子も毎年数人います。

また生徒が少ない分、そもそもの授業の開講数もとても少ないです。例えば私は数学専攻ですが、普通の数学専攻では当たり前に開講されている離散数学、集合・位相論などの授業がミネルバでは提供されていません。教えられる教授がいないし、開講しても生徒が来ないからです。他の分野に詳しくないので例えが出せないのですが、専攻が違う友人から似たようなことを聞きます。反してアメリカの総合大学や規模が大きめのリベラルアーツカレッジでは授業のバラエティが豊富で自分の興味があることがそのまま授業になっていたり、専門の先生が用意されています。

ドンピシャでやりたいことがある人は、「それをミネルバでやるのは本当に正解なのか?」と考えてみましょう。もしかしたら普通の総合大の方が専門に近い先生とたくさん携われるかも!

②大学になんでもやってほしい人

断言します。ミネルバは基本的になんでも学生に丸投げします。

ミネルバにキャンパスがないことは有名ですが、それはつまり普通の大学の設備としてついているものが欠けている、またはあるけど全てオンラインということです。アメリカの他大学でよくある食堂、研究設備、図書館、スポーツ施設などはもちろんありません。メンタルヘルスのカウンセリングや就活のコーチングはオンラインのみの提供になります。1年目はコミュニティイベントがたくさん開催されますが、2年目以降は仲良しグループ単位で動くようになります。

キャンパスがないことで困るのは大体体調を崩した時です。ミネルバで生活してる中で少なくとも一回は言葉が通じない国に滞在することになります。医療費がめちゃ高い国、医療がそんなに整ってない国など勝手がわからないとすぐに治療が受けられないことがあります。私の友人は韓国で足を怪我してしまったのですが、韓国語が話せないし健康保険が効く病院がどこかわからず、二人で頑張って病院に電話をかけまくったことがあります。1回目は韓国でいうお盆や年末年始のような期間に被ってしまったため病院が空いてなくて断念し、2回目は近くの英語クリニックが見つかりそこに行くことになりました。こうして辛くても周りの人に頼りながら行動し続けなければならないタイミングが何度も訪れます。

課外活動に関しても自分から動く積極性が求められます。例えばミネルバには毎年有名テック企業に就職する人たちがいますが、彼らはミネルバ外で膨大な時間を使って準備して成功しています。毎日プログラミングの勉強をしたり、ハッカソンに出たり、リモートのインターンをしたり、自分でコーディングプロジェクトをやっています。他の学生も自分が興味のあるプログラムやインターンは自分で探して応募し、各都市のネットワーク作りも自分から連絡してコミュニティに入っていきます。SNSに載っている実績を持ったミネルバ生はミネルバがすごいからその実績があるのではなく、そういった努力を持ってして成功しているのです。(もちろんミネルバが斡旋してくれるインターンも各都市であるのですが、必ずしも自分の興味とマッチしているわけではないので過剰に期待できないです。)

そのため、自分で知らないコミュニティに入り込む力、突き放されたり無視されても諦めない力、誰もいなくてもやる気に溢れている積極性がとても大切です。大学に面倒を見てもらいたい!面倒な細かいことは専門の人を頼りながらやりたい!という人は考え直した方がいいです。ミネルバ以外の米国リベカレはとてもサポートが手厚いことで有名なのでその辺を調べたほうがいいかもです。

③ 学期中もゴリゴリ課外活動をやりたい人

ただ、「課外活動やる気まんまんです!!」という人がみんないいとも限らないのです。

ミネルバの生活はとても忙しく、カオスでストレスが溜まります。普段の勉強だけでもとても辛いのに4ヶ月に一回の引越し、次の国のビザ申請、家事、夏のインターン探し・応募が重なります。要は

インターンなんてしてる時間ねえ!

ということです。

仮にインターンや研究に漂着できたとしても、大抵顔合わせから最終発表までなんと実質2ヶ月半くらいしか業務に携わることができません。中途半端なまま次の都市で新しいことを始めなければならないのです。その点日本の大学に通う場合、生活地盤が安定しているので逆にインターンや課外活動にしっかり時間を注ぐことができます。そういった意味でスキルの積み上げや会社の方々との人間関係はミネルバに行かない方が上手くいく場合があります。理系の研究においても次の都市で同じ研究ができる保証はありません。こうなると一つの研究室で数年研究に携わる方がよっぽど自分の興味に近いことの学びは増えると思います。

また国ごとのビザのルールも関わってきます。ミネルバ生は各都市で学生ビザを取得するのですが、国ごとに学生ビザ保持者の就労に関するルールがあります。例えばアメリカでは学期中は学内外のバイトやインターンをやってはいけないというルールがあります。夏休みはOKなのですが、それ以外でやると最悪ビザを消失する恐れがあります。先に言った通り時間がないので実際破ろうとする人は少ないのですが、自分が関わりたいと思うことでも国のルールで禁止されるとどうしようもないです。時間やルールの自由度は日本や他の都市を移動しない大学の方が高いと思います。


以上、ミネルバに行きたい!と思った時に読んでほしいミネルバの裏側集でした!これを読んで「自分って本当にミネルバがベストなのか?」と自問自答して欲しいです。

ちなみにNoyuri、Xもやってます。適当なことしか上げていませんが、このnoteに興味を持った方はぜひそっちのフォローもポチッとよろしくお願いします!

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ではまた〜



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