ビタミンCの過剰摂取の影響について
ビタミンCは、沢山摂っても尿中に排泄されるから問題ないと聞いたことがある人もいると思う。
ですが、全身の倦怠感や人工透析が必要な腎不全になる場合がある。
毎日4gのビタミンCサプリメントを摂っていた人の例では、シュウ酸エステル結晶が腎臓を損傷した事により腎不全を発症した例がある。
因みに、1日の推奨量は0.5gと言われている。
毎日4gのビタミンCサプリメントの摂取は、そのサプリメントの1日の推奨量0.5gの8倍にあたる。
主治医によると、慢性的に過剰なビタミンCを服用したことによってシュウ酸エステル結晶が腎臓を損傷したことが腎不全を発症した原因と考えられるようです。
香港衛生署はビタミンサプリメントを過剰に服用している人は中止し、医療関係者に相談するように勧告している。
ビタミンCの過剰摂取による被害例として、両側腎摘により腎臓移植を受けた31歳の女性が、自己判断で移植の3年前から大量のアスコルビン酸(2g/日) を摂取していたため、続発性シュウ酸症を起こしたという報告があり、腎不全患者では高用量のビタミンC摂取は回避すべきだと考えられている。
一般的にはビタミンCは水溶性で過剰摂取しても尿中に排出され、過剰摂取に伴う影響としては下痢程度と軽く考えられているようですが、しかしこれは病気の方に対する考え方ではない。
病気の方が自己判断で治療、治癒の目的で利用したときは、上記のような有害な影響が発現する可能性を留意していて欲しい。
ビタミンに関する多くの科学的根拠は不足状態の補給、補完を目的に利用する条件で得られたものであり、過剰摂取してさらに良い効果が期待できるかどうかについては明確になっていないので、お薬に記載してある用法用量は、しっかり守ってほしい。
参考文献:国立研究開発法人 医療基盤・健康・栄養研究所
健康食品の安全性・有効性情報
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail1037.html
一方で、こんな文献もあった。
慢性腎疾患の患者には、ビタミンCを摂らないように警告する習慣がある。
こうした警告はほとんどの場合、シュウ酸塩による腎臓結石形成の恐れがあるという考えに基づいているので大抵は間違えです。
確かにビタミンCはシュウ酸塩の生成を増やす。
しかしそれは石ができることと同じではない。
実際のところビタミンCにはカルシウムとシュウ酸塩の結合を妨げ阻止し、結石を防ぐ働きがある。
■腎臓が大切な理由
腎臓は極めて重要な臓器。代謝から生じた体の老廃物を取り除いて血液を浄化するからだ。
こうした働きは、酸性度や(ナトリウム、カリウムなどの)ミネラル量、血液量並びに血圧を一定に保つ上で重要だ。
腎臓は一部の大型分子や大型細胞以外、血液に含まれるものを全て排除させ、続いて水分やミネラル小分子をはじめ、命に必要なものを全部吸収しなおすという方法で機能する。
腎機能の低下が進み、血液からの老廃物除去ができなくなってくると慢性腎疾患になる。
慢性腎疾患が悪化すると人工的に血液を浄化する透析が必要になることがある。
慢性腎疾患が進むと、正常な代謝の産物が一部体内組織に蓄積する恐れがあり、場合によってはそれが有毒なレベルに達しかねない。
有毒なものの一つに尿酸があるが、血漿中の尿酸塩は強力な抗酸化物質であるがこれは有毒な濃度に達しないように排出しなければならない。
血漿中の尿酸塩は強力な抗酸化物質であるが、高濃度で存在すると、結晶化して腎臓結石や関節部の痛風を引き起こす恐れがある。
その他の数種類の腎臓結石も、十分な水分摂取を伴う食生活の改善によって対処できる可能性がある。
■シュウ酸塩について
もう一つの代謝産物にシュウ酸塩がある。
シュウ酸塩はほうれん草をはじめとする濃い緑色の葉物野菜に含まれている。
お茶やコーヒーは最大のシュウ酸塩摂取源で、それによる摂取量は1日150〜300mgにのぼると考えられている。
それに比べればずっと少ない量だがアスコルビン酸(ビタミンC)の正常な代謝によってもシュウ酸塩は形成される。
尿中のシュウ酸塩はカルシウムと一緒に沈殿してシュウ酸カルシウムの結晶を作る傾向があるため、シュウ酸塩が高濃度で存在すると、よくある種類の腎臓結石を生じる可能性がある。水分摂取が不十分だとさらに問題は悪化する。とはいえ、アスコルビン酸を1日あたり1000mg摂ることによって生成されるシュウ酸塩の量より、食事で取り込むシュウ酸塩の量の方がはるかに多いみたいだ。
参考文献:日本オーソモレキュラー医学会、医学ニュース
ビタミンCのサプリメント摂取は慢性腎疾患を改善する。
(ただし、水分摂取は多く行った方が良いみたいです。)
https://isom-japan.org/news/detail?uid=A366j1578645600