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Rand.を立ち上げた理由(共同代表 峯尾編)

こんにちは、Rand.共同代表の峯尾 喜一(みねお きいち)です。

自らが事業承継経験者である藁科と共に、事業承継の後継者支援サービス Rand.の共同代表を務めています。

今回は、なぜRand.を立ち上げたのか。その理由について私の想いを記載します。
中小企業の後継者が、魅力的な新サービスを生み出しやすくなるよう支援すること。そして事業承継を後継者が輝ける舞台にすることで、若者が事業承継にポジティブに向き合える世の中に近付けること。そんな理想を具現化させるため、このRand.を立ち上げました。
会社設立という行動に至った経緯を書かせていただきましたので、ご一読いただけたら幸いです。

中小企業や経営者に対する想い

私は普段、フリーランスの経営コンサルタントとして仕事をしています。独立前は、地銀やコンサルティングファームでの勤務、経営大学院での研究を通じ、これまで約12年に渡り中小企業の経営課題に向き合い続けてきました。幸運にも素晴らしい経営者の方々とお話する機会に恵まれ、夢や苦労のお話を沢山聞かせていただきました。新しい価値や雇用を創りながら会社を運営する経営者のお話はどれも刺激的で、苦労話すらキラキラと語る姿を見ながら、いつか自分もこんな人たちと肩を並べて働いてみたいと思ったものです。

地域で中小企業が果たしている役割

日々経営者の方々と向き合っていると、中小企業が地域で果たしている役割の大きさに改めて気付かされます。魅力的な地域の裏には、元気な中小企業、快活な経営者が必ずいるものです。「地域を魅力的と感じるのは、その地域に根付く企業が、日々地域の人々に価値や雇用の機会を生み出し提供しているから」という当たり前の事実。恥ずかしながら、この世界に入って、ふたを開けるまでしっかりと認識できていなかった気がします。
地域の中小企業が抱えている課題
今、そんな地域の中小企業の多くが、日本中で大きな共通課題にぶつかっています。それが「後継者不足」。一昔前は、次世代の若者がたくさんいたことや、好景気で承継後の見通しが良好だったことで、中小企業の後継者不足が社会問題に発展することはありませんでした。「会社は子どもが継ぐもの」という当時の固定的な常識観念も影響していたのかもしれません。
しかし現在、かつて事業承継を後押しした社会的な背景が機能しなくなっています。生き方、価値観も多様化し、自分の道は自分で選択する人が増えました。その裏で事業承継はひっそりと、しかし確実にその選択者を減らしていったのです。
その結果、地域の中小企業では、業績が良いにもかかわらず廃業する会社が続出しました。提供している価値が世の中に認められているのに、会社の命を絶つことを選ばざるを得ない。この状況を打破するには、「事業承継」という将来の選択肢が、母数の少ない次世代の若者たちから積極的に選ばれるようにする必要があります。

後継者たちの活躍と悩み

一方で、事業承継は経営革新が起こりやすいタイミングであることも知られています。違ったバックグラウンドを辿った後継者が新しいリーダーとして加わることで、企業に良い化学反応を起こすのです。その取り組みを話す時の後継者の顔はいつも晴れ渡っていて、逆境も前向きに跳ね返してやろうとする姿は、とても輝いて見えます。事業承継をした先で取り組んだことが、彼ら/彼女らの自己実現に大きく寄与しているのです。

しかし話を聞いていると、そんな後継者たちもある3つの悩みを持っていることが分かりました。「①古参社員さんとの意見の不一致で計画を実行に移せないこと」、「②先代からの引継ぎではなく、自らの横やななめのつながり(人脈)をつくる機会が少ないこと」、「③経営スキルや知識を習得できていないこと」です。総じて、これらの悩みを解決する手段や相談する相手がいないことが何よりも大きな悩みの様です。

世の中で成功事例として出てくる後継者たちは、そんな悩みを周りの支えや自分なりの方法で処理しながら、苦しみながらも進んで来られました。しかし、きっとその何十倍もの後継(候補)者たちは、そんな悩みやネガティブな環境に圧し潰され、事業承継の道を除外してしまったのではないか。話を伺えば伺うほど、後継者ならではのこの悩みは、根深くやっかいなもののようでした。何より、この課題を解決する専門家が圧倒的に不足していること、そして後継者たちが、そんな専門家を求めていることがよく分かりました。

後継者たちのため、事業承継の活性化のためにできること

会社創設時、奇しくも私は34歳。多くの後継候補者たちが事業承継の選択を真剣に考え、多くの後継者たちが自分なりの経営革新に思いを巡らせるタイミングです。社外の人間だからこそ、中小企業経営支援に12年以上携わってきた専門家だからこそ、後継者と同じ年齢層だからこそ。そんな私だからこそ創れる支援策があるのではないか。そしてそれが機能すれば、少なくとも私の手が届く範囲では、事業承継がもっとポジティブな選択肢に変わっていくのではないか。これが、私が株式会社Randを創設した根源の理由です。

具体的には、「①後継者の取り組みを自ら発信する機会を作ること」、「②横やななめの人脈を築く場を作ること」、「③後継者の想いに客観的な根拠を加えた計画を作ること」、「④計画を具現化させるために、専門スキルを持ったチームを組成すること」、「⑤社内ではできないような特有の悩みや相談事ができる場を作ること」。これらを行う必要があります。

株式会社Randの設立へ

全てを私の力だけで行うことはできませんし、中小企業だからこそ、自社のリソースだけではなく、多くの外部の力も借りて発展できると考えています。さまざまな視点をもった仲間と共に承継した事業を営むことで、自己実現にもつながる新しい事業のカタチを作れるのではないでしょうか。また、このサービスを提供する我々自身の自走ができなければ、真の意味でこの社会課題を解決するには至らないと思っています。

だからこそ、このサービスを個人事業やボランティアの形式で提供するのではなく、株式会社の事業として進めることを決めました。多くの支援機関や専門スキル人材と連携しながら、自走と継続が可能なビジネスに昇華させる。株式会社Randの設立理由は、そんな決意が形として現れています。
先代からの続くルーツを汲み取りつつ、それを承継者が主体的に昇華させる取り組みを支援をする(Roots and…[something])。Rand.の名前には、そんな想いを込めました。
私たちが関わることで、承継者の主体的な行動を促し、事業承継を「宿命」から「自己実現の舞台」へ変えていく。そして、事業承継を契機に魅力的な新サービス・プロダクト、事業改善策が生み出され、彩り豊かな地域社会を実現することに貢献していけたらと思います。

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