23【満月に溢れる涙】
*注、今回はノロケてるので
人によって気分を害する恐れがあります。
用法、用量にご注意の上、
身体に合わない場合はすぐに読むのをやめてください。
(満月だからかな。。 ウォーーーーーーーーン)
5月15日 今日は
Mが淡路島からやってくる
ムウとルウに会いにやってくる
このところ、ルウに甘えてる
もしかして、ずっと甘えてる
Kちゃんおすすめの本が届いて
ムウはあっという間に読んで
ルウにも読んでほしくて
だけど、なかなか読んでくれなくて
なんで読んでくれないの?
なんでもっと一緒になって
ガブちゃんのこと調べてくれないの?
なんで?
なんで?
そんなこと思ってもないのに
責めてしまう
拗ねてしまう
そうやって
彼女を困らせてしまう
わかってる
わかってる
わかってるけど
怖いのよ
一人で向き合うのが
怖いのよ
一人になっちゃうことが
ルウが1番、わかってる
ムウの怖さをからだイッパイ感じてる
わかってるくせに
わかってるくせに
どうしようもなく
求めてしまう
ムウ自身の不甲斐なさを
どうしようもなくぶつけてしまう
こんな時ぐらい
もっと優しくしてよね
こんな時ぐらい
わがまま聞いてよね
こんな時ぐらい
こんな時ぐらい
何にもならない
何にもならない
自分で自分を責めてるくせに
それを相手に写してるだけ
そうしてまた
孤独というカラに閉じこもる
どうせ
どうせ
どうせムウは
一人でやるしかないんでしょ
わかったよ
わかったよ
わかってるよ
いつものことだもの
できるよ
そりゃできるよ
だって誰もやってなんてくれなかったもの
一人でやるしかなかったもの
これからもいまもこれからも
これで少しは変わると思ったのに
やっぱり何にも変わらないのね
いつでもそこに戻れるような場所にいて
ほんの少しだけ顔を覗かせて息巻いてる
こんなやり口を何回繰り返せば気がすむのか
最初から一歩も出る気なんてないくせに
偉そうに
めんどくさい
めんどくさい
めんどくさい
だから最初から言ってるのよ
人に求めたりなんかしたって
ロクなもんじゃないんだから
と言いたいがための一人芝居
あーあ
もうこんな生き方はやめたい
本当にこんな生き方はやめたい
もう少し無邪気に
世界を信じたい
もう少し素直に
自分自身を感じたい
“一緒“にいてほしい
ただ、そばにいると
感じさせてほしい
ただそれだけ
そういうオマエは
いままで一度だって
誰かにそんなことしてあげたことあるの?
わからない
やり方がわからない
そう思って
そうしたいとは思ってきたけれど
それがそうなのかわからない
“家族は第二の患者“
昨日、こっそり立ち読みした本に
書いてあった
ゲンコツでゴツンと
頭を殴られた
“家族は第二の患者“
ごめん
ほんまにごめん
ムウだけが当事者のつもりになって
びびって求めてそして勝手に傷ついて
ごめん
ほんまにごめん
ルウはどこまでも正直で
ルウはどこまでもそのまま
いままで一度たりとも“うそ“をついたことがない
だからムウ以上に
この現実にヤラレテル
ムウ以上にムウだから
いつかこんなことがあった
ムウが事件に巻き込まれ
ある男がムウにナイフを向けたとき、
彼女は何の考えもなく
その相手のナイフを持った手を押さえた
あっという間に
躊躇なく、力一杯、両手で
彼を殺さないで と
そんな人
そんな人なんだ
ムウよりもムウが大事
ムウよリもムウに命を賭けてる
だから
ガブちゃんのことを
そんな簡単に
“はい、そうですか“
なんて言えるはずがない
ムウはなんだか
現実感がなく、夢かドラマでも
みているような心持ちで
ふわふわ浮ついていられるけれど
彼女に襲い掛かる現実は
そんなもんじゃないはずだ
“家族は第二の患者“
ごめん
そんな思いをさせてしまって
ほんまにごめん
ムウは
ムウだけは
死ぬまでルウのそばにいると
命をかけて誓ったのに
それが叶わないかもしれない現実を
あなたに受け止めろなんていうムウは
アホでボケでどうしようもないカスだ
ムウはずっと痛かった
ルウもずっと痛かった
だからルウとずっといたかった
あなたとムウで、いたかった
あなたを責めそうになった時
あなたに求めそうになった時
あなたをあきらめそうになった時
ムウは思い出すよ
あなたはムウに命懸けだってこと
ムウの命はあなたにとっても命だってこと
夜、駅にMが立っていた
キリッとしたオーラを放つ彼は立っていた
彼は“第二の患者“として11年も生きてる
その重みと戸惑いと立ち居振る舞いが
ムウたちにもの言わずチカラをくれる
ひとしきり、M夫婦の物語と惚気話を堪能し
ムウたちの物語と惚気話をお披露目したところで
あー、ムウ大丈夫かもしれない
あー、ルウ、アタシたち大丈夫かもしれない
となんだか思えた
空にはポッカリ満月
人に頼れないムウ
ムウだけを頼りに生きてるルウ
そして頼られることを頼りに生きるムウ
この一心同体のめぐりがここにあるから
ムウはムウたちはきっと大丈夫、
なんだかわからないけど
そんなふうに思えた夜
ごめんよ 世界
ごめんよ 神様
ムウはそう簡単に天には登らない
彼女をおいて、ムウは行かない
何がなんでもムウは行かない
ごめんよ ルウ
ごめんよ
ムウは死なない
あなたをおいては死なない
どれだけカッコ悪くても
どれだけしんどくても
ムウは絶対に死なない
あなたのおかげでムウは死にそこなえる
あなたのためだけに ムウ、生きてやる!
生きてやる 何がなんでも生きてやる
あーあ あんなにビビってたのに
あーあ あんなにチビってたのに
あーあ でもさ
あーあ だからさ
ムウの隣りで気づかれないように
鼻を啜りながら、ポロポロポロポロ
涙を流すのはやめてね
なんだかムウ
死んじゃうみたいだから
ムウは死なない
あなたをおいては死なない
ねぇ、ずるいよ
ムウより先に泣くなんて
それもそんなにイッパイ泣くなんて
ムウまだ一滴もこぼれない
まだ一滴もこぼせてないんだから
なんで? 心が鬼さんなのかな?
翌朝、みんなで
ルウ特製の
THE日本の朝ごはんをいただき
Mは悠々と島に帰って行った
あーありがたい ありがたい
その命、本当にありがとう
空
ポッカリ丸いお月さまも喜んでる
きっと、きっとね
教訓
:家族は第二の患者
:責め合ったっていいじゃない、家族だもの
:ムウは死なない、絶対に死なない
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