VRChat脱出ゲーム「殺人レストランからの脱出」の解説
謎の解説と感想的なやつ
まあそんなに見る人いないと思うので、備忘録的な感覚で適当に書きます。
ちなみに、まだプレイしていない方は絶対に見ないでください。
・ゲーム開始
開始のボタンを押すと全員が同じ場所にテレポートします。びっくりさせてすみませんでした。
・謎➊
解説が不要なほど楽勝だったと思います。問題の目の前に全く同じ形の花瓶があり、そこに数字が書いてあることから察せるでしょう。
側面と底面があることだけがネックですが、そこさえ気を付ければ「3731」という4桁の数字が導かれます。
・謎➋
メニューの➍と➐の間を読めという指示から、まずは値段のほうを見て丁度挟まれてる6を思い浮かべる人が多かったようです。計画通り
文章の下にある虹には1→7と矢印がかかっています。虹の色も七色あるので、ここは虹の色と数字を対応させて、4→緑、7→紫とすると、メニューにはその漢字が両方存在し、間を読むと「三」になります。
・宝箱
謎というには簡単すぎる。
➊x➋というのがそれぞれの答えを掛け合わせるという指示なのは読み取れるでしょう。素直に計算すると7371となりますが、千の位の部分の四角が点線、つまり消えているので宝箱を開ける暗号は「371」となります。
この宝箱を開けるところまでは、謎解きに慣れていなくとも制限時間内に到達できたと思います。
・謎➌
詰みポイントその1。
まず、問題の真ん中にある図には、縦長の長方形とそれを横に切る4本の点線があります。これは、5つあるバラバラになったひまわりの絵のピースを示しています。ここは読み取れていてほしい。
絵を完成させて(デスクトップ勢のみなさんすみませんでした)矢印の通りに文字を読むと、「NORTHEASTWEST」となります。これは明らかに方角で、「北東西」となりますね。
塔のある方向を北として、とありますが部屋の中に塔はこれしかありません。どうやら兵士みたいなやつだけpickupできるようです。
読み取った文字が「北東西」で、兵士も4方向に向きを変えられ、かつ文字と兵士それぞれの要素は3つずつなので、各個体の向きを変えるのだろうと推測できます。
ここで引っかかる要素としては、
・「部屋の中心から見て塔のある方向を北」として揃えてしまう
揃えるのは兵士の向きであるので、「兵士から見て塔のある方向を北」とします。
・兵士を大きい順に塔に近いほうから並べてしまう
大きい順に並べよ、という指示であれば確かにそれは適切ですが、並べると揃えるは同じではありません。「北東西」で大きいものから揃える、となったらそれは方角の話でしょう。
順番の指示は?というとここの床の色の通りです。これは部屋を暗くしていたり、兵士をあまり動かさないでいると少し気付きにくいかも。
あとはどこで正誤判定を行うかは、謎にUseしかできなかった塔です。塔がpickupできないのはバグではなく、正解時にUseするとちゃんと働くのです。
向きだけ揃える⇒何も起こらない⇒床の色に気付く⇒塔を押すといきなり絵画が落ちる の流れが多かったんじゃないですかね。知らないけど
・謎➍
作業パートです。暗闇の中でというのが部屋の電気を消して、というのはすぐ察せたと思います。壁についている4つのランプを消さなければいけないこと(後々の伏線)に気を付けて部屋を真っ暗にすると床のタイルに線が浮かび上がります。
あとは謎解きによくある感じで線が通る文字を読むと「SUNFLOWER」という文字列になります。終わり
・謎➎
謎➌を解くと最後の晩餐が落ちてきて裏には問題が書いてあります。ちなみに最後の晩餐は、料理(爆弾)に殺されそうになっているまさにその状況を表しています。
多分、謎解きに慣れている人とそうでない人で解くスピードに大きな差が表れる問題です。
まず、四角を囲んでいる枠みたいなのは部屋全体を表していることには気付けたでしょうか。そうするとその中にある4つの四角は間違いなくイスです。
イスの上には模様が描かれており、これらは問題文中のものと対応していることが分かります。問題文中で見れば上♠,下♣,左♦,右♥ですね。
アルファベット16個をなんかすると狐とか豚になる、となれば、それぞれを英単語に直してみます。そうするとFOXとPIGになるわけですが、これはアルファベット一文字が♥1♠1といったそれぞれの区画に対応している、と考えられます。
じゃあ♥1♠1がなぜ「F」なのかといったら、これはそれぞれの記号からの距離を表しています。♥から1マス、♠から1マス、のところを読んで「F」です。
この法則性は、それぞれのアルファベットの位置をマークして見たりすると気付きやすいでしょう。
あとは問題文の指示をアルファベットに変換すれば
「SUNFLOWER」を「CUT」する、となってひまわりの絵を唯一の刃物であるナイフで切るとパズルが出現します。
・スライドパズル
こういう類のパズルは苦手な人もいると思うので3x3にしました。
正しい並びは真後ろにある絵の通りで、誰か一人でも揃えれば後ろの絵が落下します。
This is localは当然謎解きには関係ありません。
・謎➏
詰みポイントその2。
このワールドの中では最もひらめきが必要とされる問題ですが、手掛かりはいくつかあります。
・始点は出口、とありますが、ここで出口であるドアを見てみます。
このドアの周りの白い線みたいな装飾、なんかアンバランスですよね。それに加えて部屋全体を見渡してみるとこの白線は繋がっていて、4つのランプを全て通っています。
また、問題文にある、揃える対象となるであろう図は3つ、それと間に1つ入るであろう余白があります。また、大きいものと小さいものがありますね。
ランプは一回全部消したことから分かるように、大、小、オフの三段階の切り替えが可能です。これはまさに問題文の図と対応しています。図もちょっとランプっぽいですよね。っぽくしたつもりなんですけど
そんな感じでドアの部分を始点として、白線(光の線)に沿ってランプの光の強さを大、小、オフ、小として最後にあの謎のボタンを押すと次の問題が出現します。
光の線って表現にはちょっと迷ったんですが、白線じゃ一瞬で分かってしまうので表現を変えました。光の線ということで、部屋を暗くすると出現する線(確かにちょっと光ってる)に注目してしまう方が結構多かったようですが、それはすみませんでした。
・謎➐
最後の詰みポイント。一番詰みやすい
第一に気付くべきは、このマス目の正方形をどこかでみたことがあるということです。7x7は分かりやすいですが、4x4と3x3も存在することには気付けたでしょうか。
7x7は謎➍、4x4は謎➎、3x3はスライドパズルのものをそれぞれ表しています。スライドパズルも実はマス目っぽくなってるんですね。
小さいほうから順に読めとありますが、一マスだけ黒くなっているところがあるのでそれぞれの正方形において該当するマスの文字を読みます。小さいほうからというのは勿論小さい正方形の文字からということなのですが、左の3x3→中央の3x3→右の3x3→左の4x4→…という読み方ではなく、壁に描かれた図には➐の右に長方形が三つあるので、ここは左、中央、右それぞれで分けて読んで長方形と対応させるのだろうと考えられます。
そうして読むと左から「TWO」「ONE」「SIX」となります。つまり2,1,6。
それを一度したように色に変換するとありますが、これは謎➋で行った数字→色の変換です。したがって、左から橙、赤、青となりますね。
壁の図の6つの長方形がドアの前のものを表していることは明確でしょう。
長方形はUseで色を変えられるので、色を揃えれば脱出できそうです。
上半分が分かって残りの下半分ですが、左にある絵は塔ですね。謎➌の塔です。長方形が3つで兵士も3つ、兵士は赤、緑、青の、虹に存在する3色なのでそれぞれ対応させればいいと考えられます。塔に近いほうから赤、緑、青ですね。
あとはドアの前の6つの長方形の色をそれぞれ正しい色にすればドアが開いて脱出です。爆弾もちゃんと止まるので逃げ遅れることはありません。ドアの判定が透明でちょっと分かりにくいんですが、それはすみませんでした。
作ってみて思ったこと
同期に慣れるためにちょっと作ってみるか~くらいの感覚で作ったのでこんなに多くの人にプレイしてもらえるとはまさか思いませんでした。こんなことになるならもっと丁寧に作ればよかった
真面目な話をすると、前作のNINETHRULEはとにかく難しいけど緻密なギミックを仕込みたいという思いで作りましたが、結果としては難しい上にフラストレーションの溜まる仕様だったのでそもそも殆どの人がクリアまでプレイしてくれず、一瞬で話題に上がらなくなりました。
プレイヤーが謎解き大好きとか、そういう場合を除いては、そのプレイヤーが”高難易度”な謎解きや脱出ゲームをするモチベーションは、基本的にそのワールドの全体的なクオリティやギミックの質が高く、その謎を解いた後に面白いものがあるだろうという期待から湧いてくるものだと思います。
なので多くの人に自分の作った謎解きをプレイしてほしいとなったとき必要になってくるものは、ワールドの全体的なクオリティの高さか、または誰とでも一緒に楽しむことが出来る手軽さ、気軽さなのだろうと感じます。(やはり最後までクリアしてくれることが何よりも大切です)
自分の今回のワールドは後者の要素に上手くハマったのでしょうね。
実際、前回のこの反省から、出来る限りヒント無しでも詰まることなくクリアできるよう、今回はパズル等の作業を多めに入れたりひらめきを必要とする問題を出来る限り減らしました。
まあ当初は制限時間30分でちょうどいいだろうと思っていましたが、結果としては平均的なクリア時間は残り10~25分くらいかなという感じになりました。制作者とプレイヤーの間の謎に対しての認識には、非常に大きな齟齬があるので、やはり親しみやすい謎を作るときは少し簡単に思えるくらいにするのがいいです。「これじゃすぐ解けちゃうじゃん…」ってなる部分も妥協しましょう。
製作スケジュール
・4月下旬 謎本体の考案、画像の作成
まず製作を思い立ったのは、夏~秋の間に大型の謎解きワールドを作るために同期の処理に慣れておきたい&VRChatにリアル脱出ゲーム風のワールドがほとんどなくてがっかりしていたためでした。
実は謎そのものは、自分が高校生の時に文化祭のクラス企画の脱出ゲームで作った謎をそのまま持ってきて、一部VR用に改変しています。なのでここではあまり時間がかからず2日くらいで完成しました。
ちなみにフォントは廻想体 ネクスト ユーピー(B)です。フォントポにほんごと同様に使うだけで謎解きっぽさが出るフォントです。
・5月上旬 3Dモデルの作成
3Dモデルは自作したほうが雰囲気が出そうだと思ったので、4月の間にBlenderを基本的に使えるレベルまでもっていきました。まあクオリティは低くてもいいやと妥協して、ゆっくり一週間ぐらいで全アセットが完成しました。ノーマルマップとか知らないまま作り終えました。
・5月中旬 ステージの作成、Udonをこねる
部屋そのものはUnityのProBuilderで作りました。扱い難しすぎ。
あとは肝心のUdonですが、ぬるぽが一回でも起きるとUdonが動作を停止して一回きりのプレイが台無しになってしまうので、とにかくプレイ中のバグが起きないコードにすることに尽力して作りました。
同期は扱う前はなんか難しそうだな~って思っていましたが、実際に変わるのは特定の処理を個人で行うか全員に行わせるかぐらいで、難しいのは、見た目の処理に相違が出ないためにどの処理をどのタイミングで全員に行わせればよいのかを考えることでした。
・5月下旬 細部の調整、ロビーの作成
いかにもリアル脱出ゲームみたいなロゴを作成しましたが、やはりロゴがあるのとないのでは見た目のインパクトに大きな差があると感じました。Photoshop使いたい。
ロビー自体はすぐ作り終えましたが、観戦室を作るのに苦戦しました。観戦室からプレイ中の部屋を見下すことができるのはいいアイデアでしたが、プレイヤーの声だけが一方通行で聞こえるようにするのはちょっとUdonの知識が必要なところで苦戦しました。ユニさんありがとう。
次のワールドの製作はもう始めていて、夏の公開を予定してホラーのワールドを作っていますが、正直早くもっと謎解きを作りたいです。次作るならば、ワールド全体のクオリティを高めて、高難易度でとにかくおしゃれな謎解きにしたいですね。あと言語を使用しないことで海外の人にも多くプレイしてほしいです。
あと、ほんとに誰でもいいのでリアル脱出ゲーム風のワールドを作ってください。需要に対して供給が少なすぎると思います。
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