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最近観た映画の話

ここ数年で映画を観る本数がだいぶ減った。
映画よりもドキュメンタリーやニュースに費やす時間とエネルギーが多くなったのかもしれない。

そんな中、予告編の時点で観ることを決めた映画がある。

ルイスウェインのことは映画化されるもっと前から知っていた。
ネットミームとしても有名だから、作品自体は知っている人も多いかもしれない。

ルイスウェインの作品群

ルイスウェインがインターネットで有名になったのは「統合失調症患者が悪化する症状の各段階を図示」という偏った評価が先行したからだ。
実際に僕もサイケデリックアートとしてルイスウェインを認識し、これをLSD無しに描き上げる能力に圧倒されたクチである。
しかし真実は小説より奇なりというようにルイスウェインの人生は、LSDなんかよりもっと深く凄まじく哀しく愛おしいものだった。

ルイスウェインについては下記リンクに詳しい

映画の話に戻るが、ストーリーは嫁さんと猫と家族の話である。
そして一貫しているのが、それらに対するルイスウェインの深い愛である。

映画という商業作品の性質上、脚色による事実との差異は少なからずも生じると思う。
ただ、ルイスウェインの生涯と残された作品群を照らし合わせた時に、名誉欲や商業的成功といった下心が全く感じ取れないのです。

その上で映画の内容は素晴らしかったし、美しかった。

僕はウェインが猫を描くことが嫁さんとの日々を思い出させる手段だったんじゃないかと勝手に思っている。
猫のピーターと嫁さんのエミリーとの幸せな時間を蘇生させる為の儀式のような空間だったんじゃないだろうか。
それこそ、僕が前に書いた「依存の本質」に通ずるものを感じている。

愛は人を狂気に駆ることが出来る。
そんなクサい言葉も作品として残り、証明し続ける。
どんなドラッグよりも深いところまで行ける。
その先には当事者にしか分からない美しさに溢れている。

僕はそこまで行けやしないし行く必要もないと思っているけど、人間の可能性に満ちた当作は観た人の心を豊かにすると確信している。

ちなみに僕の待ち受けもルイスウェインです。
青色がベースとなっている作品は僕の精神との相性がよろしい。
青色は目に良いなんて聞くしね。

ぷくぷく猫

夏目漱石もインスパイアされスヌーピーよりも先に動物に二足歩行を与えた素晴らしい画家の、是非とも観てほしい映画のお話でした。

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