中日・ナゴヤ球場移転へ、吉川克也社長「老朽化に伴い話を進めております」1948年に開場、96年まで1軍本拠地
ナゴヤ球場には、「かって本拠地だった球場が練習場兼二軍の本拠地として生き残る」唯一のケースとして残って欲しかった。今はほぼメインスタンドだけの簡素な野球場になっているので老朽化しても割とすんなり改修できるものと思っていた。
ナゴヤ球場と言えば「新幹線から見える」事がアイデンティティだった(?)。現役の本拠地だった頃は、修学旅行で東京から京都に向かう中学生がナゴヤ球場を通過する際に皆盛り上がっていた筈なのだ。
「見えるだけでワクワクする野球場」を放棄するのは何か球界の損失のように思えてしまう。寮と屋内練習場は移転するとは言っていないようだが、あれだけ立派な施設まで放棄する必要はないだろう。それを思うと球場だけ移転というのは、球場、練習場、寮のワンセットを一か所に集めるという現代のトレンドにもそぐわない気がする。
「同じ場所に建て替える」という選択肢はないのだろうか。今は球場だけが単独であるのではなく「総合施設」なのだから。そんなに大きい球場にする必要もないし。等々力球場、姫路球場と、愛された球場は同じ場所に建て替えられている。日立市民球場、高山市の中山公園野球場も。
当然、工期中は他所の球場を借りる事になるが、瑞穂でも岡崎でもそれこそナゴヤドームでも使えばよいと思う。それが「負担」になるとしたらいよいよ中日は「ヤバい」のかもしれない。
て言うか逆に「移転先」として適当な場所にヤクルトの戸田球場レベルのグラウンドを整備し、ナゴヤ球場を今の場所に建て替える間そちらを使うという考えもある。
いずれにしても、あの「地の精霊」のように根付いた野球空間を陸の孤島に追いやる事だけは避けて欲しいと思う次第。