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千葉市、新マリン球場方針決定延期 建設資材高で慎重判断

 老朽化が目立つプロ野球ロッテの本拠地ZOZOマリンスタジアム(千葉市美浜区)の刷新を巡り、建て替えか改修かを検討している同市が、本年度中としていた方針決定の時期を2025年度以降に延期することが2日、分かった。急激に建設資材価格が高騰していることなどから、丁寧に構想を固める必要があると判断した。
 市マリンスタジアム再整備推進課によると、建て替えか改修かを決める基本構想の策定を、当初は24年度末までに済ませる計画だった。構想のたたき台作りを委託している東京都内のコンサルティング会社との間で、9月末までだった契約期間を来年3月末までに延ばした。物価上昇などを折り込んで検討を深める。
 マリンスタジアムは1990年に完成。東京湾からの強い風による塩害で劣化が進むとともに、観客用通路の狭さや車いす席の不足などが課題となっている。
 市はこれまでに、計六つの再整備案について、工事費と供用開始後30年間の管理運営・修繕費の合計額を公表。最も高額となる開閉式屋根のドームに建て替える場合で2500億円程度としていた。

https://www.sanspo.com/article/20241002-AG27RU4MVBM7VHACIASRBOVCLM/

 多分千葉市としては、原則建て替えたいのだろうと思う。その場合にもっとも適当と思われた千葉公園が早い段階で否定された時点で、停滞の芽は出ていたのではないかと。

 プロ野球の球場だから公共交通機関で行くことを前提として考えるとして、県内の交通網は千葉市を中心に広がり、千葉市は東京を向いている。その内の太い幹であり、海の近くを避けるために京葉線ではなく、総武本線や京成線の沿線で、かつバスやモノレールに乗らなくて良い場所、というと、青葉の森公園が一番適当なのではないかという気がする。日本ハムが札幌を離れたように、別に千葉市でなくてもいいじゃんという声もあるかと思うが、そもそもこれは「千葉市の話」なのだ。

 青葉の森公園は市営球場である「青葉の森スポーツプラザ野球場」があり、公園の西端あたり(たぶん)には、かってプロ野球の試合も行われた県営の「千葉寺球場」があった。そう考えると「復活」という感じで楽しくならないだろうか(?)

 まずマリンスタジアムの改修か建て替えか、という話だけど、はじめに具体的な場所のイメージがあって話は動くものなのではないかと。「青葉の森スポーツプラザ野球場」を園内の別の場所に建て替えるイメージであれば何となく辻褄も合う。旧千葉寺球場のあたりならば千葉寺駅から徒歩10分強と便も良い。

 市内の他の場所に関しては詳しくないが、どうしても何かの「跡地」になり、周囲に何もないか、駅から遠くなりがちだと思う。「一大ボールパーク」として開発するのならわかるが、そうなると「工事費と供用開始後30年間の管理運営・修繕費の合計額」が「2500億円程度」では済まないのではないか。大都市圏のスタジアムは「街に造る」ものであって、「街を造る」のはあまりピンと来ない。マリンスタジアムの建設当時は幕張新都心の開発に成り行きで乗っかれたが、同じシチュエーションは今はない。

 個人的に興味を持っているのが、実はマリンスタジアムを「耐震改修」ならぬ「耐塩害改修」する事なのだが、可能だろうか。住宅の分野では抗塩害のメンテナンス技術が進んでいるらしいが。

 なぜあんな海の近くにスタジアムを造るのだろうと当初は思っていたが、実際は場所もスタジアム自体も、また駅から歩かされるというシチュエーションも含めてファンに親しまれている。あの不条理な「グリーンモンスター」がファンに愛着を持たれてしまっているのと同じで、マリンスタジアムもロッテファンの「習慣」として染みついてしまっているのではないかと思うのだ。

 その習慣の中に「塩害と戦い、克服する」が加えられたら、それは都市とスタジアムの歴史を彩るストーリーとして世界に誇れるものになるのではないかと思うのだが。仕上げ材や屋根に木材が使われるようになったり、防風林を増強したりといった試行錯誤の痕跡が。

 日本人は椅子のネジが緩んだだけで「解体して新球場造れ」とか言う人が多いが、マリンスタジアムの場合、ただ改修するのではなく、知恵を絞って凄い新機軸が生まれそうな気がするので、個人的にはその方が面白いと思っている。

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