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プレミア12優勝で台湾お祭り騒ぎ 総統はパレード&戦闘機手配を宣言 パブリックビューイングは大歓声

 野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は24日、決勝の日本―台湾戦が行われ、台湾が4-0で勝利。嬉しい初優勝となった。パブリックビューイングなどで観戦していた台湾のファンもお祭り騒ぎに。頼清徳総統も「台湾の英雄たちよ、おめでとう。第3回プレミア12優勝おめでとう!」と祝福のメッセージを送り、戦闘機を手配して選手たちの帰国便を出迎えると予告している。
(中略)
 頼清徳総統は自身のフェイスブックで代表を祝福。「台湾の野球は勝つことだけのものではない。全力で立ち向かい、絶対にあきらめないファインプレーこそ台湾の野球だ!」「台湾の英雄よ、ありがとう。野球で歴史を打ち立て、これまで成し得なかった優勝を成し遂げ、見事な守備、積極的な走塁で、君たちは国を一つにしてくれた。国中が熱狂し、そして世界が台湾に賛辞を送ってくれる。台湾の英雄よ、ありがとう」と感謝と絶賛を書き込んでいた。
 さらに「私たちは戦闘機を手配して英雄たちの帰国便を迎える。私も総統府で台湾チームに接見し、英雄たちのパレードも行って、台湾に凱旋してくる台湾の英雄を歓迎したい!」と、戻ってくる選手たちを盛大に出迎えると宣言。パレードも行う方針を示した。
 前総統の蔡英文氏もフェイスブックで「プレミア12での優勝おめでとう。私たちはカナダで会議だったのですが、台湾チームの試合のことが気にかかっていました。諦めず戦う選手、コーチ、後方のスタッフの方々が、台湾人の『野球魂』を胸に台北から更に東京に転戦し、素晴らしい成績を打ち出したことに感謝しています」と祝福を投稿した。
「これは台湾にとって歴史的な一勝です。団結する台湾の人たち、強い気持ちを持つ台湾の人たちが、野球で台湾人の粘り強さを示し、最強の応援団、スローガンで、そして台湾の名前を叫ぶことで優勝を勝ち取り、私たちの実力を証明してくれました。ありがとう」などとも記し、感激した様子だった。
(後略)

https://news.yahoo.co.jp/articles/8a865df11e846e355f98172339a3a784f3c75fa0

 恭喜台湾。

 はじめてアジアの野球というものに触れたのが、2005年の第1回アジアシリーズだった。日本のロッテの優勝が最初からある程度見えていた中、シリーズ唯一の好カードと言えた韓国のサムスンと、台湾の興農ブルズの対戦で、まばらな観客の中、台湾側の応援席で観戦していた。

 和太鼓でドンドコドンドコ...プーという音の出る管楽器。音階はない。得点のチャンスでショートライナー。足をバタバタさせて楽しそうに悔しがる女性二人。「台湾加油」と書いたボードを掲げた人がオーロラビジョンに映り、本人と周りが大喜び。

 目を閉じていると満員ではないかと錯覚するほど、局所的な熱気があった。これだけ楽しんでもらえたなら、アジアシリーズもやった甲斐があるというもの。

 あれから19年。韓国にも台湾にもドーム球場が造られ、プロ野球の人気は飛躍的に向上した。

 野球はまだワールドワイドなスポーツではない。だから国際大会も、大会のステータスや国によって参加国の熱量が違ってくる。日本はベストメンバーを組まず、アメリカは相変わらず。台湾は選手に支払う報奨金に、この大会にかける熱意が表れていた。

 そんな様々な事情を抱えた野球の世界で、すべての国が「本気」になるにはどうすれば良いだろう。

 それは日本が国際大会でアメリカを倒し続けているように、想いの強い国が想いの弱い国を遠慮なく倒し続け、強い筈の相手に「本気ではなかった」と見苦しい言い訳をさせ続ける事だと思う。相手の「想い」までは制御できないのだから。

 そうして少しづつ国際大会は成長する。アメリカが本気になるまで。

 そういう意味では、台湾が日本に勝ったのは、世界の野球にとっては良い事だったように思う。アジアの熱狂なくして野球の拡大はない。今アジアシリーズを復活させたらまた違った展開があるかもしれない。

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