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オフの話題考
「オフの話題」に乏しいチームのファンは「オフの話題がなくて淋しい」と言う。
で、注目のルーキーが入団したり、親会社が変わったり大枚はたいて大物選手を獲得して注目されている球団は話題が豊富でうらやましいらしい。
まず大物ルーキーに関してはクジを外したのだから仕方がない。身売りとか本拠地移転で注目されても嬉しくない。補強に関しては、西武は何とか使える選手をもう少し集めないといけない立場ではあるが。
私はネガティブな人間なので、球団や親会社が不祥事をやらかしたとか、主力選手が大怪我で今季絶望とかいう凄く悪いニュースがない限り別に問題にはしない。もっとも今年は源田の下半身スキャンダルというビッグなクリスマスプレゼントがあったが。
ポジティブな人たちは「話題」がないと不安になるらしく、特にビッグな補強がない事でもう来季を諦めている人や、再来年に期待とか言ってる人もいる。
弱いチームのファンほどいつも「来年」の話をしているものだが、まさか「再来年」にまで飛ぶとは思わなかった。言っておくが再来年凄くビッグな補強をしてくれるという保証はどこにも無い。
確かに明らかな弱点に関しては補強をすべきで、特に西武の場合阪神の大山選手獲得には動いて欲しかったところだが、結局残留したのでどうにもならない。
しかし現有戦力の底上げは常になくてはならない。て言うかそれこそが最も大きな補強だ。これは決してキレイゴトではない。そもそもそれが現場の仕事なのだから。だから秋季練習で誰がどんな成長をしたかとか、ウインターリーグに派遣した若手の活躍とか、そうした部分にファンは興味を持ち、そこに話題を求めるべきなのだが、良識あるファンはなぜか「現有戦力の底上げはない」という前提でモノを言う。確かに最悪の事態を想定してモノを考える事は大事だが、それはフロントの仕事であって、同じことをファンがやってもコミュニティの雰囲気を悪くするだけだ。
そもそも、「オフ」になぜそれほどまでに「話題」を求めるのか。どんだけ野球に、贔屓チームに依存してるのか、という話。
話題がないのがそんなに嫌なら、話題が豊富な球団がそんなに羨ましいのなら、そっちのファンになった方が早い。これは決してイジワルで言っているのではない。アルコール依存症の人に「頑張って禁酒しましょう」と言うのと同じ事である。と言っても急には無理だろうから、少しづつ贔屓チームに関する情報を遠ざけるか、気持ちをフラットにして「話題が豊富な球団」の良いところを少しづつ見つけていったら良いと思う。
依存症の人は自分が依存症である事を認めたがらないという傾向があるらしい。だから上の段落を読んで怒った人は本当にそれに近くなってしまっているのかもしれない。当人達は「それほど〇〇(チーム名)が好きなんだ」と言うかもしれない。しかし自分の不満の吐け口を求め、純粋にチームを応援しているだけの優しい人たちの前で悪態をつくという態度は愛というより依存ではないかと。
実際、ウインターリーグでの若手の活躍とか、球場の改善といったポジティブな話題には彼らは触れない。それどころかわざわざネガティブな部分を取り出して悪態をつく傾向すらある。心がそういう風に出来てしまっているのだろうか、いかにも依存者の態度という気がする。
繰り返すが決してイジワルで言うのではない。ファンである事で自分をそこまで苦しめるくらいなら、真面目にやめる事を考えた方が良い。贔屓チームに対する態度が愛なのか依存なのか、ファンは一度自分を見つめなおすと良いかもな。
と言いつつ私も人の事は言えない。しかし最近、「地元にプロ野球チームがある」事のありがたさがわかってきた気がする。だからスワローズに関しては東京に居てくれさえすれば良い、と最近は思っている。