歴代首位打者タイ・カッブから変更へ、MLBが「ニグロリーグ」加算で記録を正式修正
これもいわゆる「ポリコレ」の一環なのだろうか。それ以前に、この処置に「筋が通っているのかいないのか」が本当にわからない。ただ歴代首位打者が「性格悪くて嫌われていた」と言われるタイ・カッブでなくなった事には溜飲を下げている人もいるかもしれない。
MLB(とりあえずこの呼称を使う)がニグロリーグを「メジャーリーグ相当」と認めたとしても、別物であろう。MLBがMLBの記録になぜニグロリーグの記録を加味するのだろう。わかりにくくならないのだろうか、という疑念がどうしても残ってしまう。
そこは当事者にしかわからないニュアンスがあるのだとは思うが、それならば1946年にMLBやニグロリーグから選手を引き抜いていったメキシカンリーグの成績もMLBの記録として加味すべきではないのだろうか。日本だけでなくアメリカでも野球は「組織がバラバラ」なのだとつくづく思う。
それとほぼ同時期の1947年に日本でも突如「国民リーグ」が発足し、日本野球連盟(現在のNPB)の選手を引き抜きにかかったという出来事は何とも数奇に感じる。
もっとも国民リーグの記録をNPBの記録に加算したとしてもあまり大きな影響はなさそうだが、そう考えるとニグロリーグの記録というのはMLBにとって「無視できない」存在で、だからこそMLBの記録と合算し、記録そのものを「精度の高いもの」に高めようとしたのではないか、とも思える。
昔はセ・リーグとパ・リーグが別の法人だった。だからと言ってパ・リーグから現役晩年にセ・リーグに移籍してきたスター選手の成績をセ・リーグとして低く見る事はしないだろう。
「そんなの当たり前だろう」と誰もが思う筈だが、もし日本にNPB以外にNPB相当の実力があるとされるプロ野球リーグがあったとして、NPBのファンはそっちのリーグで大活躍した選手の記録を軽く見れるだろうか。
それはそれで違和感のある仮定だが、アメリカにはそのシチュエーションがあった、という事なのだ。
まとめると、趣旨は理解できるが、ニグロリーグの歴史が古すぎてピンとこないという事なのだが、アメリカの若いファンはどう思っているのだろうかという点にはとても興味がある。
メキシカンリーグがメジャーリーグに喧嘩を売っていた時代の話。参考までに。