おやすみ。
おやすみっておはようよりも言わない言葉だと思う。こんにちははおはようよりもっと使う。
なんでおやすみという言葉が他の2つに比べて使われないのか、考えた。
「こんにちは」は挨拶として使う。友達との間ではあまり使わないかもしれないけど。「おはよう」も挨拶だ。朝会った人に使う。バイトではじめに会った人に使う。だけど、「おやすみ」は言わない。私の中で帰り際や去り際に言うのは「お疲れ様です」「バイバイ」「またね」。そんな感じの言葉。「おやすみ」は寝る間際にしかあまり使わない。あと、親しい人にしか使わない。深夜に別れる時なら使うかも。
今月半ばに1人で東京に行き、ゲストハウスに泊まったときのこと、そこのオーナーさんに「おやすみなさい。」と言われた。そのとき、なにか心がじんわりと温まるような気がして、寒いリビングにいても少し平気で気分が明るくなった。
おやすみってよく使うかもしれない。家族に恋人におやすみと夜言うのかもしれない。ただ、家族とは別のところに住んでいる私にはすこしこの「おやすみ」の言葉が心にすって入ってきた。
普段はシェアハウスに住んでおり、シェアメイトがいて私も夜部屋に入る前に「おやすみ」と言う。だけど、東京では1人で行動して夜は誰とも一緒にいないし、春休みに入ってシェアメイトとも会わなくなった。だからなのか、寝る前にしか聞かない「おやすみ」の言葉が心に染み渡ったのだと思う。だって、誰とでも別れるときは、バイバイかまたねだから。
そのことを考えた時に、「おやすみ」を聞くことは一人暮らしだと経験できなくなってしまうし、聞かなくなってしまう言葉なのかなと思った。だからこそ、シェアハウスにいて「おやすみ」言える場所にいることはとても素敵なことだと思った。あなたの夜が休まりますように、という願いのようで気遣いの言葉。なぜだか不思議と明日も頑張れそうな言葉。
なぜだかそんなことを考えて気付けた東京旅行。一人の夜は辛いけど、そんな言葉をもらえたならば、きっと明日いい日になりそう。
今日はシェアメイトが帰ってきたから、使ってみようかな。
「おやすみ」