環境にやさしい洗濯洗剤おすすめ10選
環境について関心はあるけれど、「何をしたらいいのかわからない」と思っている方は多いのではないでしょうか。
例えば、毎日使う洗剤を環境にやさしい洗濯洗剤にすることで、生活排水による水質汚染を少しでも減らすことができますよね。
この記事では洗濯洗剤に注目して、環境にやさしい洗濯洗剤とはどういうものか?どんな洗剤があるのか?価格は?選ぶポイントは?などをご紹介しています。
ぜひ、環境にやさしい洗剤選びの参考にしてください。
環境に優しい洗剤とは
環境にやさしい洗剤とは、「エコ洗剤」や「オーガニック洗剤」とも呼ばれ、排水後に素早く分解されて自然環境に負荷をかけにくい洗剤のことです。
市販されている洗濯洗剤のなかには使用される界面活性剤の種類によって、分解されるのに時間がかかり、海や川を汚染してしまうものもあります。
環境にやさしい洗剤とは?考えてみましょう。
界面活性剤の有無や種類
界面活性剤は水になじみやすい性質と油になじみやすい性質、2つを併せ持っています。これらを「親水基」と「親油基」といいます。
この2つの性質によって、水と油のように本来混じり合わないものを混ぜ合わせて汚れを落とすことができるのです。
界面活性剤のほとんどは下水処理場で処理されて排出されますが、下水処理場の設備が整っていない一部などでは、処理されず河川に流出したり土壌に排出されたりして水質汚染につながっています。
また、界面活性剤は大きく2種類に分けることができます。
界面活性剤には天然の植物から作られた「植物由来の界面活性剤」と、人工的に作られた「石油由来の界面活性剤」です。
「植物由来の界面活性剤」は排水後、微生物によって素早く分解されるので環境にやさしい。一方で、「石油由来の界面活性剤」は排水後、分解されにくく、水質汚染の原因になるといわれています。
環境に配慮した植物由来の成分で作られている界面活性剤を使った洗剤のほうが、環境にやさしい洗剤といえるでしょう。
合成界面活性剤を使用せず食品成分だけを原材料とする洗剤や、木の実を洗剤として使用するものもあります。こちらも環境にやさしいといえますね。
石けんと合成洗剤、エコ洗剤・オーガニック洗剤の違い
石けんと合成洗剤、エコ洗剤・オーガニック洗剤の違いについて見てみましょう。
石けん
洗濯石けんは品名表示に「洗濯用石けん」と書かれているものです。「石けん素地」「カリ石けん素地」、または「純石けん分(脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム)」という成分でできていています。
石けんは天然油脂、脂肪酸を原料として、苛性ソーダ・苛性カリと反応させることにより作られます。
排水は短期間で生分解され、流れた石けんカスは微生物や魚のえさとなります。
人や環境にやさしい石けんですが、合成洗剤と比べると水に溶けにくく洗濯槽に石けんカスが残りやすいです。そのため、ぬるま湯で溶かしてから洗濯物を入れる、よくすすぐなどコツが必要になります。
科学的には石けんも界面活性剤の1つですが、日本ではほかの界面活性剤と切り離して扱われています。また、界面活性剤のうち、純石けん分以外の割合が30%未満のものは「複合石けん」です。
合成洗剤
合成洗剤は品名表示に「洗濯用合成洗剤」と書かれています。
界面活性剤のうち、純石けん分以外の割合が30%(台所用は40%)以上を「合成洗剤」といい、石油や天然油脂を原料として、化学合成で作られています。
石けんと比べて低温の水にも溶けやすく、どんな汚れにも対応しています。ドラッグストアやスーパーなど、どこででも購入できて安価でコスパのいい商品が多く、好みのものを選べるでしょう。
一方で、自然界では分解されにくい成分も多く、環境への影響が懸念されてるようです。人によっては肌荒れやアレルギーの原因になる場合があります。
エコ洗剤・オーガニック洗剤
エコ洗剤・オーガニック洗剤についての明確な定義はありませんが、天然植物由来成分を原料に環境への負荷軽減を考えた洗剤の総称です。
石油由来の成分を使っていない、自然由来のものからつくられた合成洗剤。あるいは界面活性剤を使わないものや、食品成分だけを原料にしたもの、木の実を使ったものなどがあります。
自然由来で化学物質を使用していないため低刺激で、肌の弱い人や赤ちゃんでも安心して使えます。また、排水は自然界で素早く分解し、環境にやさしい洗剤といえるでしょう。
この記事で紹介しているのが環境にやさしい「エコ洗剤・オーガニック洗剤」です。
容器の素材にも着目してみましょう
洗剤の中身だけでなく、環境にやさしい容器の素材に注目してみるのもいいですね。
詰め替え用の商品があると本体容器を繰り返し使えて、省資源とごみの削減に貢献できます。本体容器に比べてプラスチックの使用量が削減できるでしょう。
本体容器が必要なときはプラスチック削減容器を選ぶようにし、脱プラスチックを考えるなら紙容器の選択肢もあります。
ただし、容器だけが環境にやさしくても意味がないので、洗剤成分についての確認も忘れずに。
おすすめの環境にやさしい洗剤10選
ここでは、おすすめの環境にやさしい洗剤の紹介をします。
がんこ本舗 海へ…Fukii
海洋タンカーの事故処理研究をヒントに生まれた洗剤。洗って脱水するだけ、すすぎのいらない洗濯洗剤です。衣類から離れた油汚れは洗浄成分に包まれたまま排水され、その後、生分解されて自然に還ります。
国際的な試験法によって生分解性が証明された易分解性洗剤です。
※易分解性(いぶんかいせい)とは、有機物が微生物の作用により環境中で容易に生分解されること。
希釈したお掃除水であらゆるところの掃除が可能です。
タテ型洗濯機で洗濯量6分目以下はすすぎ0回。
ドラム式洗濯機はすすぎ1回。
柔軟剤は不要です。
THE THE洗濯洗剤
洗濯性能の高さ、環境負荷の低さの両立を目指した生分解性の洗濯洗剤。海洋タンカーの事故処理研究を応用して生まれた洗剤です。
一度はがした汚れと洗剤を衣類に残さないため、すすぎの回数を減らすことができます。
「海へ…Fukkii」のがんこ本舗さん製造です。
タテ型洗濯機で洗濯量6分目以下はすすぎ0回。
ドラム式洗濯機はすすぎ1回。
柔軟剤は不要です。
Save the Ocean 海をまもる洗剤
環境に負担をかけず、汚れが落ちて服を傷めず、毎日使えてお財布にやさしい洗剤。クリーニング店が考えた環境にやさしい洗剤です。
天然成分・植物由来成分の洗浄成分で、石油由来成分は不使用です。
世界基準の生分解性テスト、水生態系への影響テスト、お肌の安全性のテストを実施しています。
希釈して家中のお掃除に、食洗機にも使えます。
ラベンダー精油配合と精油なしの2種類があります。
タテ型洗濯機・ドラム式洗濯機ともにすすぎは1回。
柔軟剤は不要です。
エコベール ランドリーリキッド
植物由来の洗浄成分で、しつこい汚れまでしっかり落とします。
植物由来成分を使うこと、リン酸塩や環境を汚すものを河川に流さないこと、汚れをきちんと落とすことをコンセプトにつくられた洗剤です。
ラベンダーの香り(植物由来成分)。
タテ型洗濯機・ドラム式洗濯機ともにすすぎは2回。
生活の木 海にやさしいお洗濯
100%植物由来の成分で、環境にやさしい易分解性洗剤です。
※易分解性とは、有機物が微生物の作用により環境中で容易に生分解されること。
パッチテスト、スティンギングテスト、アレルギーテスト実施済み。(すべての方に肌トラブルが起こらないということではありません)
アロマやハーブなど自然の恵みを活かしたライフスタイルを提案している生活の木ならではの環境にやさしい商品です。
ラベンダー、ホーリーフ、ベルガモットのほのかな香り。
すすぎはタテ型洗濯機0回、ドラム式洗濯機は1回。
柔軟剤は不要です。
ハッピーエレファント 洗濯パウダー
「植物と酵母から生まれた未来の洗剤」(公式サイトより)
天然酵母の発酵により生み出される天然洗浄成分ソホロと、炭酸ナトリウムやクエン酸、重曹などの食品成分のみでつくられた洗濯パウダーです。
すべての成分が水に溶けるので衣類への残留が気になりません。
自社での洗浄力比較試験では、合成洗剤や石けんよりも洗浄力が高い結果に。
すすぎはタテ型洗濯機・ドラム式洗濯機ともに2回。
原光化学工業 マザータッチ洗濯用
もともとは洗浄性のある水としてつくられたものではなく、機能性飲料水として開発されたものです。
すぐれた還元機能により、汚れなどの有機物を包み込み分解し、使えば使うほど川や海が浄化される洗剤です。
すすぎはタテ型洗濯機・ドラム式洗濯機ともに最低1回。
柔軟剤は不要です。
エシカルバンブー バンブークリア
日本の竹からできた無添加洗濯用竹洗剤です。独自の自然抽出製法で、2か月時間をかけてていねいに作った天然成分100%の洗剤です。
昔ながらの、灰汁を使った洗濯の知恵を活かした安心安全な洗剤といえます。
つけ置き洗いをすることで、ゆっくりやさしく汚れを落とします。(20分めやす)
香料ゼロ。化学物質ゼロ。界面活性剤ゼロ。
食洗機にも使えます。
すすぎはタテ型洗濯機・ドラム式洗濯機ともに1回。
柔軟剤は不要です。
HAPPI happi earth laundry
有害な化学物質や化合物は一切含まれておらず、すべてオーガニックの天然成分でできています。
原材料のソープナッツの殻には天然の洗浄成分「サポニン」が多く含まれていて、独自開発の濃縮ヒマラヤ産ソープナッツを使用しているため、洗浄力が優れています。
原液は濃い茶色で衣類に直接かかると色が残る場合があり、水と洗剤を混ぜてから使用するのがおすすめです。
すすぎはタテ型洗濯機・ドラム式洗濯機ともに1回。
柔軟剤は不要です。
ソープナッツ
ムクロジ(天然の木の実)で洗う、人と地球にやさしい洗剤。肥料や農薬を使わずに育ったムクロジの実に多く含まれる、天然の洗浄成分「サポニン」が汚れを落としてくれます。
数粒(水30Lに約15g)のソープナッツを袋に入れて、そのまま洗濯機に投入するだけ。すすぎ、脱水時も入れたままでOKです。洗濯が終わったら取り出し、袋のまま干して数回使用可能です。使用後は肥料として土に還せます。
食器洗いやお掃除、シャンプーとしても使えます。
すすぎはタテ型洗濯機・ドラム式洗濯機ともに1回。
柔軟剤は不要です。
おすすめ洗剤の比較表
おすすめ洗剤の液性・水30lあたりの使用量・価格、界面活性剤含有量の比較表です。
環境にやさしい洗剤を選ぶポイント
環境にやさしい洗剤を選ぶポイントを紹介します。
生分解性の高いものを選ぶ
パッケージの表示を確認する
マークを確認する
生分解性の高いものを選ぶ
生分解性とは物質が土や川などの自然に排出されて、それが微生物によって分解されることをいいます。生分解性の高い界面活性剤を使った洗剤は、環境への負荷も少なくなるということです。
素早く生分解される植物由来成分や、界面活性剤不使用のものを選ぶのが環境にやさしい洗剤選びのポイントになります。
パッケージの表示を確認する
パッケージに「100%植物由来成分」や「オーガニック洗剤」、「エコ洗剤」などと表示されているものが多いです。また、環境へのやさしさや、生分解性などについて書かれているものもあります。
パッケージに書かれていることを参考にしてみるのもポイントになるでしょう。
マークを確認する
エコマーク※1やRSPO認証マーク※2を確認すれば、環境にやさしい洗剤だとわかります。
※1:エコマークとは、ライフサイクル全体で環境負荷が少ないと認められた製品・サービスの目印。
※:2RSPO認証マークとは、持続可能なパーム油の生産・利用を目指す国際的な認証制度。
環境にやさしい洗剤を使うメリット
環境にやさしい洗剤を使うメリットの紹介です。
洗濯排水を早く自然に返すことで、海や川を水質汚染から守ることができる
刺激が少なく手肌にやさしい
赤ちゃんやペットにやさしい
香りも植物由来で、ほのかに香る程度。乾くとほとんどわからない
環境にやさしい洗剤は、人や動物にもやさしいということですね。
香りの苦手な人にも喜ばれるでしょう。
環境にやさしい洗剤を使うデメリット
環境にやさしい洗剤のデメリットの紹介です。
価格が高めで、合成洗剤に比べてコスパが悪い。
香りが残らないものが多いので、香りを残したい人には不向き。
合成洗剤に比べて価格がやや高めなのが難点ですが、それだけ原材料を厳選しているということかもしれません。
柔軟剤について
柔軟剤についても、少しだけ考えてみようと思います。
柔軟剤も石油系界面活性剤やシリコン、合成香料でできたものが多く販売されています。
環境にやさしい洗剤はゴワゴワになりにくく、柔軟剤の必要ないものもたくさんあるので、おしゃれ着洗いのときなど必要に応じて使用するのがおすすめです。
使われるのであれば、柔軟剤も植物由来や食品成分のものを選んで購入するのがおすすめです。わたしはハッピーエレファントの柔軟剤を愛用しています。
まとめ
環境にやさしい洗剤は肌にもやさしい。赤ちゃんやペットにも安心です。
毎日の生活に欠かせない洗剤を「エコ洗剤」や「オーガニック洗剤」に変えるだけで、環境への負担を減らすことができます。
一人ひとりができることを、少しずつ始めてみるのはどうでしょうか。
この記事が、環境にやさしい洗剤選びのお役に立てたなら幸いです。