【日本保守党】言論弾圧はあったのか

2025年2月19日(水)猫組長をゲストに迎え、月刊『Hnada』のYoutubeライブが配信されました。

このライブの背景情報として国政政党「日本保守党」の存在が大きく関わっています。
2月26日発売の月刊『Hanada』4月号に、飯山あかり氏の保守党批判コラムが載ることについて、「日本保守党」の幹部である百田&有本氏をはじめ多くの保守党関係者から遺憾の意を示しています。
このライブの数日前には、有本氏が同誌での連載を自ら降板を表明する事態となりました。降板する際のエピソードとして「百田&有本氏がカンカンに怒っていた」と花田氏が別のYouTubeライブで話しています。

「日本保守党」の熱烈な支持者である猫組長も例外なく、その件について月刊『Hanada』に対し怒っている立場のようです。
このライブはそういった経緯の中で行われたものです。

私はなるべく多くの人にこの動画を視聴してもらいたいと思っています。
まずは多くを語る前に、動画へのリンクを貼りますのでこちらをご視聴してみてください。



Ⅰ このnoteの主旨

現在Xでは、この動画を視聴した多くの人たちから「日本保守党」の行いは言論弾圧だ!と非難の声があがっています。
しかし一方で、有本氏ははっきりとその事実を否定しています。それどころか言論弾圧だと感じている多くの人々に対し「デマを吐くな」と言わんばかりの態度で応対しています。

この動画上での発言が言論弾圧にあたるか否か、それを判断するのは私たち有権者です。
政党の行いに対して、私たちが意思を示せるのは突き詰めれば選挙による投票だけ。

この動画を視聴して、日本保守党の行いを是と感じるか非と感じるか、それは自由です。
ただ、このnoteを読んでいる有権者の方が1票を投じる際には、ぜひこの動画内容を知った上で投票先を決めていただきたい。

Ⅱ 各人の主張まとめ

動画内に出演した各人の主張をわかりやすいように下記にまとめます。
お時間のない方の参考になれば幸いです。
発言ままではなく、私なりの解釈で要約しています。

■花田編集長

  • 飯山氏が月刊『Hanada』で有本氏や百田氏の個人的な誹謗中傷を書くのであれば掲載しないが、あくまで日本保守党の政策についてコラムを書いている以上書き手としての問題はない

  • 少なくとも月刊『Hanada』では飯山氏は誹謗中傷を伴ったコラムを書いたことはない
    ”どのような人物が書いたか”は問題ではなく”書いた内容が全て”
    言論は書いたもので判断されるべき

  • 保守党が政策を批判されて怒るようならこれから政党としてやっていけないのではないか
    国政政党ともなれば、これからも嫌というほど批判を受けることになる

  • 長年の仕事関係がある中で急に降板を言ってくるような事態であれば「カンカンに怒った」状態であると推測、表現しても差し支えないような状況だろう

    • 百田&有本氏と花田編集長が直接話したか、カンカンだったかは問題の本質ではない

    • 要は、物書きである百田&有本氏が、飯山氏のコラムを読みもしないで内容を判断したのが残念だったということ

    • カンカンという言葉が悪かったのであれば訂正する

  • 有本氏は飯山氏のコラムが載ることに対し、そんな人と同じ誌面上で仕事はできないと言うけれども、飯山氏の連載は今に始まった話ではなくずっと続いている

  • 花田編集長の口から「有本氏が飯山氏の原稿を載せるのをやめろと言っている」と言ったことは一度もない。花田編集長の発言を誤解した人がなぜ誤解したかは、編集長自身にはわからない
    誤解した人の責任までとれない

  • 飯山氏の動画は全部は見ていないがいくつかは見ている。それだけでなく部下から話を聞いている
    正直言うと動画は見たいようなものではない
    しかしそれでも政策の批判であれば、それは掲載に値すると判断する

  • 有本氏は「れいわ新撰組の内幕」という記事を右柱にもってくるような媒体に魅力を失ったというが、そのじつ送った雑誌の封も開けられないほど忙しいという
    それも読まずに判断するのか

■猫組長

  • 飯山氏が今回、月刊『Hanada』でたまたま政策の批判をするとしても過去4ヶ月間は誹謗中傷だった

  • 花田編集長が「百田さん有本さんがカンカンに怒って」と発言したことで多くの人に誤解を与えた

    • 百田&有本氏が花田編集長に直接抗議したかのような印象を世間に与えた

      • 実際は直接話をしていない。沼尻氏や担当の野中氏が電話をうけ、花田編集長に伝えた

  • 4ヶ月間、飯山氏から罵詈雑言を浴びせられた有本さんが同じ広場に入れられるのは酷ではないか

  • 飯山氏の配信は一部の理もないほど一方的な誹謗中傷である

    • ただし猫組長自身は飯山氏の配信は全部見ていない
      まとめ動画、切り取り動画があがってくるのでそれを見ている

  • 月刊『Hanada』がどんな書き手を選ぼうとそのこと自体に問題はない

  • 飯山氏は言論で相手にできる人間、議論ができるような人間ではないから
    月刊『Hanada』の誌面上で言論を戦わせることもできない
    同じ土俵に乗ることを日本保守党は拒否する

  • 保守というのは生き方だと思っている
    人間としての態度・義理・日本人らしい人間関係を大事にすることが保守の原点
    そのへんをよく花田編集長に考えてもらいたい

  • 「蓋してないの!?こんなもん蓋しとかなアカンよ。何やってんの自分」と発言

■百田氏

  • 声を荒げて抗議をしたことはない。不快の念を示しただけ
    それを「怒った」と言うのはおかしい

  • 「カンカンに怒った」と表現したのは花田編集長の勇み足。訂正してほしい

  • 飯山氏が本当に冷静な評論ができる人物か(そうは思えない)

    • 4ヶ月間毎日1時間以上罵詈雑言を吐き続け全部で計100時間以上はやってる
      そのような人物がまともな政治評論ができるような相手と言えるか

  • 言論は、言葉そのものも大事だが、その人物がそれまでどんなことをやってきたかも重要

  • 花田編集長の「書かれたものが全て」というのは詭弁の建前

■有本氏

  • 連載を降板するに至った理由は複数ある

    • 1:もともと昨年末から多忙により降板しようと思っていた

    • 2:Hanadaという媒体に魅力を感じなくなった

    • 3:百田&有本氏だけではなくスタッフまでもが全員誹謗中傷されている
        そういうことを扇動している人物と仕事する場からは身を引こうと思った

  • 野中氏、沼尻氏には理由も告げずに連載を降りると伝えた
    飯山氏の名前すら出していない

  • どんな書き手を重用するかは媒体の自由だが、
    有本氏が誤解を受けるようなことを言うのはやめてほしい

    • 有本氏が「飯山氏の原稿を載せるのをやめろ」と言ったかのような印象が流布してる

  • 花田に寄稿しているどなたかの原稿をやめろと言っただとか、言論を弾圧しただとか言われている
    そのように誤解を与える発言をするのはいかがなものか

    • Xではみんなが有本氏が「飯山氏の原稿を載せるのをやめろ」と言ったと誤解している

    • 飯山氏や、他のHanadaの書き手たちが百田&有本氏は言論弾圧してると受け取っている

    • 花田編集長が「有本氏がカンカンに怒っている」と言ったことが誤解につながっている
      そのことに対して有本氏は怒っている

  • 飯山氏が書いたものを見てから判断しろという酷なことを言うのはやめてほしい
    今日まで4ヶ月間、日本保守党に関わっている全員が飯山氏から言葉の暴力を受け続けている
    そういうことをする人物を同じ空気を吸うことを避けるということを理解してほしい

  • 飯山氏が約120時間かけて一方的な誹謗中傷をしたのに対し保守党側の反論はほんの数十分
    飯山氏の主張に1時間かけて反論する時間はない

■沼尻氏

  • 有本氏は「野中氏、沼尻氏には理由も告げずに連載を降りると伝えた」と言うが
    有本氏からの電話で降板する核心的な理由を告げられた
    核心的なこととは「飯山氏が原因である」ということ

Ⅲ 私の見解

私自身はこの動画、および「日本保守党」に恐怖を覚えました。多くの方が語られているように保守党の一連のふるまいは言論弾圧だと感じています。

■第一の理由

飯山あかり氏への不当な人物評価

保守党の面々は口をそろえて「飯山はYoutubeで罵詈雑言を配信し、日本保守党関係者を毎日のように誹謗中傷しており、まともな言論ができる人物ではない」と主張していますが、飯山氏のYoutubeライブをほぼ欠かさずフル視聴している私から言わせてもらうと、決してそんなことはありません。
飯山氏はきちんと証拠を示したうえで、そこから推測できる疑惑、疑問を投げかけています。それは公益に資するものであり、公党に投げかける質問として適切であると思います。
確かに誇張表現をされたり、百田&有本氏に対して個人的な恨み節を言うこともあります。しかしそれも罵詈雑言とは言えない程度のものであると感じます。
なので、保守党の主張は前提がまずズレていることになります。
そもそも3人とも飯山氏のライブは見ておらず「まとめ動画」を確認しているのだと、各所で発言しています。一次情報を確認せず、偏りのある情報だけを拾って個人を評価しているのです。

よって、保守党幹部の百田&有本氏は、正確な情報を見ていないにも関わらず個人を不当に評価する人物だと見て取ることができます。

■第二の理由

党の批判を行う人物の言論を非難する

不当な評価にも関わらず「そんな人間にまともな言論ができるわけない」と、百田氏は断じています。しかしやはり、私は花田編集長の言うとおり言論とは書かれたもので判断すべきだと思います。書いたものに対し抗議するならまだしも、まだ読んでもいないものに対して評価を下し、それを非難の対象にするのは筋違いではないでしょうか。

そもそも民主主義国家である日本では言論の自由や、公党への批判・質疑が認められています。
よほどの過激行為を伴わない限り、その言論を公党を咎めること自体が違憲ではないでしょうか。

この言い分が通るならば、今後、保守党に「人格的に相応しくない」と判断された人物はことごとく言論を無視されることになるでしょう。
しかも相応しいか、相応しくないかは百田・有本氏の匙加減で決まるのです。
そんなことがまかり通る日本で良いのでしょうか。

百田・有本氏は直接的には、飯山氏の記事を「掲載するな」とは言っていません。
しかし長年の仕事関係がある百田・有本氏が「飯山氏のコラムを載せるなら月刊『Hanada』との
関係を断つ」と言い出すことは、月刊『Hanada』にとって少なくない影響を与えるでしょう。
保守系機関誌が、仮にも「保守」を名乗る公党への取材ができなくなるのですから、月刊『Hanada』にとって苦渋の選択となることは想像に難くありません。

勿論、書き手が媒体を自由もあるのでしょうが、そういった行為が圧力にもなりえるのですから、公党の幹部である百田・有本氏は、もう少し自身が与える影響の大きさを考えて行動すべきだったと思います。

■第三の理由

大声での威嚇行為、月刊『Hanada』の評価を貶める行為

このYouTubeライブ冒頭で、猫組長が威圧的な態度で月刊『Hanada』のスタッフを威嚇している様子を見て、率直に恐怖を感じました。
スタッフの方は毅然と対応しておられましたが、もしこれで月刊『Hanada』側が萎縮するような事態になれば、それは暴力で口を封じたのと等しいでしょう。

無料で視聴された配信の最後で、猫組長が蓋(有料配信への切り替え)をしていないことを怒っていました。
このことから「クローズドであると思っていたからこそ、これだけの態度をとった」と、伺えるでしょう。

一般視聴者、一般読者の見ていないところで、公党という権力を持った存在が、暴力や圧力をもって言論を握りつぶす。
直接的なことを言っていないとしても、これは明らかな言論弾圧ではないでしょうか。

Ⅳ  最後に


このnoteは月刊『Hanada』のYouTubeライブが配信されてから、かなり時間が経ってからの投稿となり、すでに多くの方が知っている情報だったかもしれません。

それでも、風化させてはいけない出来事だと思いましたので、自分のためにも投稿させていただきました。

誰かのご参考になれば幸いです。

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