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ネーム修正の難しさ

地方都市ですが、先日某編集部が我が街へ来てくださいました。
まだまだお仕事の交渉をするほどの作品が手元にあるわけではないのですが、せっかくなので講評をしていただきたい。
参加者にはネームの描き方も頂けるとのことで、それも欲しい!
当日受付もあったのですが、覚悟を決める為に予約をしました。これで逃げられませんね。

一番早い時間で予約していまして、10分前には入室可能でしたので緊張しながらエレベーターに乗りました。
緊張も不安もワクワクもありますが、行動しなければ何も始まらない。
漫画に関しては初心者で未熟者ですが、行動を起こすことに初心者も未熟者もないんです。プロもアマも関係ないですからね、とにかく前に進まなければ。

自分が前に進む為に描いた処女作と、秋の賞に向けて描いたネームと、作画資料として二次創作で出した本の3つを持ち込みました。

まず率直な感想として、商業用のネームより処女作の方が面白かったというお言葉をいただきました。
さすが編集さんは鋭いですね。自分でも薄々勘づいていましたが、描いていて楽しかったのは処女作なんです。
自分の気持を丸裸にして消化して吐き出した作品で、キャラにダイレクトに感情移入していましたからね。

賞用のネームは読者に伝わるようにということを意識したのですが、ツカミが弱い、物語が動き出すのが遅い(32ページ中18ページ目)、ギミックが複雑なので伝わりにくいとのことでした。

1.ツカミが弱い
というのは1ページめで顔が見えない、余計な情報が多い、ちょっと暗いとのこと。
自分なり疑問になるようなもの、主人公が乗り越えなければいけないことのチラ見せを入れたつもりでしたが、この情報はまだ早かったようです。
2ページめは楽しくてワクワクする絵と言っていただけたので、そこを描いて欲しいとのこと。
じゃあ楽しい、楽しい、楽しいだけで引っ張れるのか?という疑問もありまして、それを伺ってみたのですが、楽しいだけでも難しいとのこと。
楽しくて主人公が気になって続きを読みたくなるようなってことですね。

顔が見えない冒頭

2.物語が動き出すのが遅い
なんということでしょう、自分が物語が動いてると思って描いていたものが全然動いていなかったんですね。
中盤で主人公の心を追い詰める事件を起こしたのですが、そこでやっと動きだしたとのこと。それまでの主人公周辺のやり取りの中でフックを散りばめていたけれど、それでは動いていたことにはならなかったんですね。
なのでこれを動かして起承転結でいうところの起の直後、承の前半にもってこようかと画策していましたが、これを動かすと整合性が取れなくなってきます。

3.ギミックが複雑なので伝わりにくい
主人公が何かを達成するというのではなく、達成できなかったけど別の大切なものを手に入れて、ラストにご褒美をあげたかったんですね。
初心者なのにいろいろ詰め込んでしまった結果だと思います。
ギミックを減らして一本道にするのもアリかと思います。ご褒美を減らして蛇足を切るのもアリかと思います。
やりたかったことがほとんど消えてしまうのです。

さてどうしよう。
1.ツカミが弱いはそのページの中でこねくり回して修正できそうです。
問題は2.物語が動き出すのが遅い3.ギミックが複雑なので伝わりにくいの2つです。
自分なりに理由をつけて構成を考えてこの順番にしていたので、一部の修正では収まらずに大幅な修正が必要になるわけですね。
面白くするため、伝わりやすくする為に修正していくことは望むところであります。
ただ、今回のネームは今年の秋の賞に向けて描いていたものです。作画の時間も考えると悠長に何度も修正を重ねていては仕上がらないかもしれない。
でもこの状態で出すより少しでも良くしたい。
このまま作画に移るか、大幅に修正するか。

「何のために講評を貰ったんだ!」
良くするためですウダウダ言ってる暇はありません。修正するなら1週間以内で直したいところです。
今まで描いた部分が勿体ないという気持ちは敵だということを知っているので、不要かもしれない要素を思い切って捨てます。そして残った要素だけ洗い出します。
これらを繋げられるものはなんだろうか。アイディアとは、複数の問題を一気に解決するものだと任天堂のプロデューサーも言っておりました。
整合性を取ることは本当に大変ですが、これがひとつに繋がったときが本当に気持ちいいんですよね。早くそれを味わいたいですね!

さて、今夜も頑張ります!

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