男友達に対して一番タチが悪い私
私は昔からどちらかというと男友達が多い方だと思う。
弟がいるということもあって、昔から異性だからといって色眼鏡で見ることもなく、自然に仲良くなることができたし、自分自身がありえないほどモテず、女として見られてこなかったから「ただの友達だと思ってた人に好きになられる>友達としては好きだけどそういう目で見れないから振る>必然的に友情に歪みができる」みたいなあるあるの展開(周りではよくあった)になることもなく、中高の時から未だに仲良い男友達が数人いる。
私からすると幼馴染=実家が隣同士、家が近い人っていうイメージが強いから、私立に通ってた身としてはあまりその言葉にピンとは来ないんだけど、周りの人に「中1の時からの友達なんだー」って紹介すると「幼馴染なんだね」って言われるので、多分幼馴染とやらに該当する奴らだと思う。
確かに、今では背広着て社会で一丁前に働いてる奴らが私より身長低かった時から知ってるから立派な幼馴染か。
全員ではないけど、その中の数人は第三者としていい男だなって思う人はいる。一般世間的に見て、いわゆるエリートだし、見た目も悪くないし、性格もいいし、頭も良くておもしろい。
もし、今出会ったら全然好きになれる対象であると思う。
ただだ。ただ、出会ったのが10年以上前なのよ。そしてその長い長い友情は濃すぎて、多分恋愛路線に変換するのには無理があるのよ。お互い。
まず、エッチとかしてる想像ができない。
(あーでもどうだろ。それは嘘かもしれない。人によってはできるかも、、?でも多分そんなこと考えている変態は私だけで、向こうは私なんて願い下げだろうけど。笑)
まあそれはさておき、未だに仲良いから全然サシで飲みに行ったりもするわけで。もちろん恋バナもこの10年強ずっとしてきたわけで。
彼女がいない奴とはマッチングアプリの苦悩だとか、全然良い人に出会えない嘆きを一緒にするんだけど、その中でお互いの一番の愚痴は、似たバックグラウンドを持った、性格や話が合う相手がいないということだ。
その時に私は毎回思う。相手にも自分自身にも内心ツッコんでいる。
「いるやん、ここに」と。
それは「あなたの求めているものは目の前にあるじゃない、そんな私を選んで」みたいな乙女心ではなく、状況を論理的に分析した故の感想として(そこに第三者がいたならば)「あんたらがさっきから探してるけど全然いないと嘆いてる人物像に該当している人は今、目の前にいる相手ですよね?」といったツッコミだ。
そりゃそうだ。同じ環境で幼少期を過ごし、同じ教育を受け、同じ人達と育ってきたのだからそりゃ気が合うだろう。しかも、その何十人もいたクラスメイトの中から厳選し、未だに社会人として付き合いを続けている相手なのだから価値観や性格も合うだろう。もう10年以上も友達として付き合ってきたのだからこの先もそれは変わらないだろう。
だから思う。一緒にバカみたいに飲みながら愚痴っている目の前のこの人と恋愛的な意味で結ばれたらそれはとても幸せだろうなと。
でも、その相手が好きかと聞かれたら、それはちょっと違うかもと思ってしまう。
LOVEではないのだ。
でも同時に、物の運び方によってはLOVEになれるような気もするのだ。でも自分からLOVEに持っていくように働きかけるほどでもないのだ。リスクが大きすぎるわりにそれに挑戦するほどの気合いはないのだ。現段階では。
だから思う。小さい頃から憧れていた少女漫画のド定番、幼馴染から始まる恋愛、あれってなんなんだ。
早い段階で恋愛的な動きがない限り、10年以上経って急に恋愛ルートに車線変更するのはかなり厳しい気がする。現実味がない。
だから、すごくタチが悪いのだが、自分から働きかけるまでではないのだ。でもこの先、もし向こうが恋愛ルートをチラつかせてくるようなことがあれば、私は拒むことなく乗るだろう。
でも、多分だけど、そんなことはこの先絶対ないと思う。なぜならば向こうも同じようなことを(無意識的にであっても)思っているに違いないから。多分ね。
だから、多分ないな。
ちなみに、恋バナをしている中で、相手の女事情を聞いても別に嫌な気はしないし、嫉妬心とかも芽生えない。だからやっぱりLOVEではないんだと思う。
ただだ。ただ、もし相手に彼女ができたらちょっと傷つく気がする。
ちょっとだけだけど。
タチが悪いでしょ、私。