ルオランとルーメイ②
一卵性双生児である二人の姉妹に感じた違いを書こうと思います。
【 姉 ルオラン 】
彼女は常に妹のルーメイが気になって仕方ない。幼い頃から何かと双子の妹にしてやられている…と感じている。妹の一挙手一投足が自分を陥れるワナの様に感じてしまっていたのでは?妹のイタズラも悪ふざけとは思え無くて、いつもわたしが貧乏くじを引いてしまうと思い込んでしまうほど真面目な彼女。それはどんな事に限らず…恋でも夢でもどんなことであっても、気が付くと後ろから来た妹が持って逃げてしまうから。でも何ひとつ彼女に内緒にしておける事は出来なくて…想ったり考えただけで以心伝心してしまう…伝わってしまう。一卵性双生児の宿命からは逃れられない。そんな考えを常に日常的に彼女を支配してしまう程に総てが分け合わなければならない人生だと感じていた…。親ですら見分けることは難しいぐらいなのだから。本当に欲しいものは自分の物にはならないのだから…と考えてしまっている。それがルオランという女性だと思う。
【妹 ルーメイ】
姉ルオランは聡明で魅力的。真面目で誠実。自分が良いなぁ…と想うことはいつでも姉が先に見付けていた。気が付くといつも同じものを欲しがっている。自分には無いものを持っている姉が大好きなのだ。だから同じこと…一緒だと云うことが嬉しくて大切だと考えるようなひと。イタズラ好きで誰からも好かれる明るい人気者。ポジティブでお茶目。それがルーメイと言う女性だと思います。
【 双子の違い 】
同じ双子で在りながらそもそもの思考回路が違う。好きになったり欲しいと想うものが一緒だと考えてしまう妹とどんな事も妹が欲しい…手に入れたいと思えば手に入らないものは無いと感じている姉。感じ方や考え方のセンシティブな点が微妙に違っていると思います。大好きな姉と同じ事が当たり前なのだ…それが双子の運命と思える妹。そんな些細な違いや思い違いがやがてふたりの運命を引き裂くことになろうとは思いもよらないことだった。
いつでも入れ替われる…私たちは同じなのだから簡単よ!と思っている妹に、入れ替わって損をさせられているのはいつでも私なんだと感じている姉。同じものを好きになっても嬉しいと感じるのか煩わしさを感じてしまうのかは過去からの積み重ねがもたらすものなのだろう。決して仲が悪い訳では無いのに…相入れない双子なのだった。双子で在りながらも、持って生まれた性格なのかもしれないし…子どもの頃の「入れ替わり」で受けた心の傷が深く残ってしまっている。それもお互いの記憶の混同によりどちらの記憶なのかさえ分からなくなると言う不可思議は一卵性双生児ならではのモノなのだろうか?一種の共鳴力や共感力と言われるものの様な気もするが?双子ならではの影響力と言わざろう得ない。近過ぎる兄弟姉妹にありがちな話しで昔から言われていることだと思う。
それ故に、事故の後にあの様な精神状態に陥ってしまったのだと思う。片割れが居なくなった事による喪失感と不在の違和感と言ったところだろうか?そういうところが前半に誇張された不和感情の回収になっていると考えます。この映画は全般に張り巡らせた伏線が然り気無く観る者に違和感を語り掛ける映画ですね。謎を解明しようと思って見ると見えてくる点と線みたいな(笑)勝手な思い込みかも知れないけど…そう感じています。
事故の後…に拘り過ぎていたのかもしれない!
そう思い追記します。
もしかしたら、モーリシャスで旅をしていた時から二人の中で何かが変化していたのかもしれない…それはルーメイが結婚すると云う生活スタイルの変化に起因しているのかも?その見えない変化と事故のショックが化学変化のような役割でルーメイのもともと表面的な性格では無かった部分が現れてきたのでは? などと突拍子もない思い付きですが…第3の人格になってしまった原因を考えてみました( ・∇・)
そして今日も結論は棚上げ?ですね( ・∇・)?
それが答えを提示しないミステリーの醍醐味です。
エンドレスに続くループです(笑)
ルオランとルーメイを演じたリウシーシーさんが双子を演じる時に、1つだけ癖を作って演じ分けたと言われているのですが…まだ見付けられていません。多分目を皿のようにして見てしまうから分からないのかも?ただ観ていれば分かるのかも?でも今さら戻れない…気になりながら見てしまう😆
ただ感じるのは、ルーメイは自信たっぷりに見えるように溌剌と演じられていてルオランはどこか一歩退いた洞察力がある感じ?廻りを見渡した雰囲気に演じられているように思います。