Merry Pranksters
メリープランクスターズが虹色のバスのファーザー号に跨って飛び出した1960年代があった。
バスにいっぱいのLSDを突っ込んで走り出したあのバスは夢の中より夢をはしっていたんじゃなかろうか。虹色よりも虹色だ。
目眩がするような毎日にもっと目眩を与えてメクラを起こしてさらに突き抜けるという発想は嫌いではない。
路上で裸でランチをとったあと彼らは吠える
悲しい運命な気もする。
時代遅れの男達はこれから何処に旅立って行くのだろうか。
修行をつんでいる途中の大阿闍梨さんは山の中で幻覚をみた。
千日回峰行。
恐ろしい程し険さの山中を1日48km、年間およそ120日、9年の歳月をかけ、1000日間歩き続ける。という修行である。
懐には小さな刀を忍ばせてもしも修行を途中で断ち切るならば我が身も諸共、断ち切らねばならないという何時代じゃ己はという修行である。
細かいディテールは置いておくがとにかく厳しい修行である。
この山中で彼は幻覚をみたらしい。
まず幻覚は、地獄のような何もかもを闇に変えたらしい。
森の中が全て悪魔になり風は魔物に。
そしてその地獄の中を突き進む。
何日も何日も
すると次は全てが極楽に。
木々は天女に、空は神に。
そしてその天国の中を突き進む
何日も何日も
すると最後は何もみえなくなり元の森に戻る
木々は木々に、空は空に、風は風になる。
人間の感覚の中には元々旅するメリープランクスターズが走っているのだ。
それを気軽に手に入れ解放するのがファーザー号であっただけである。
結局のところ神聖なる景色は自分の頭蓋骨の内壁までしか届かないのじゃなかろうか。
もしかすると顕微鏡でアタマを覗けば除けば望遠鏡で空を見る自分とバッタリと目が合ったりするかもしれない。
世界は元々虹色で
地獄が見えだした俺達や天国が見えだした俺達にファーザー号は虹色は虹色だというのをバックドロップのように脳天に思い出させてくれたのかもしれない。
時代遅れの男達はこれから何処に旅立って行けばいいのだろうか。
グッバイLSD。夢のカリフォルニア。
あほらしい。