#3 狙いきった応援歌「HIPPY」
今日の1曲。
HIPPY - 君に捧げる応援歌
¶ 包容力のある歌唱力
写真で見ても分かる通り
存在感のある体躯をしているのが
広島県出身のシンガーソングライターHIPPY(37歳)。
身体と比例した声量で歌い上げる
包容力のある歌唱力が彼の最大の特徴だ。
正直、歌声に特徴があるかと言われると
よくわからない、というのが本音だ。
ただ、何故か惹きつけられる。
この手の応援歌は
個人的にあまり好きではないが
彼の応援歌はスーッと心に入ってくる。
完全に狙いきったリリック。
リズムもPOP調のよくあるやつ。
歌声も包容力があって安定感はあるが
特筆して上手いわけでもない。
ただ、聴きたくなる。
悔しいけど聴きたくなる。
そんな不思議な魅力にとりつかれ
見事にハマっていたの人間がここにいる。
THE邦楽。
でもそれがいい。
¶ 裾野が広いリリック
マーケティングの世界では
全員にモテようとすると
逆に誰からもモテないサービスが生まれる
というような通説がある。
だから
まずがニッチな市場で勝って
横展開をしながらマスに攻めていく
というのが定石であるが
彼のこの曲は真逆だ。
世の中で言われているような
マーケティングセンスはまるで無い。
ただ彼は
自分の見た目、歌声、雰囲気など
個性を活かしてマスに打って出た。
そして
私のような
「感動」に対して批評的である人間にも
刺さるような楽曲を作り出した。
何に負けたのかはよく分からないが
初めてこの曲を聴いたときに
素直に背中を押されたくなった。
そして
事あるごとに背中を押してもらった。
八方美人なリリックが
まさに四方八方に刺さった。
こんな経験
そうそう体感できるものではないだろう。
¶ 自分らしく戦略的に売れる
彼は地元ではちょっとした有名人らしい。
CMや舞台の出演、番組のMCなど
さながらマルチタレントのような活躍だ。
さらに
ブログもやっているらしい。
1999年に活動を開始し
2015年に日本クラウンからメジャーデビューした
遅咲きの苦労人は
その歩んできた道のりを確実に自分の礎とし
この曲を生み出したに違いない。
何かに疲弊したあなた。
些細な不安があるあなた。
どんな小さなことでも良い。
悩みがある人は
この曲を一度聴いてみてほしい。
頭を空にして背中を押されよう。